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2013年1月18日 (金)

飛行機での危険【対災害アクションマニュアル 24】

第1章 危険を知れ(その22) 【飛行機での危険】

今回はシリーズの主旨と少し異なりますが、飛行機に乗っている時に大地震が発生した時の対応について触れてみたいと思います。

飛行機の場合、個人でできる対策はあまりありません。基本的には係員の指示に従うことになります。ただ、どのような対応が行われるかを知っておくだけで、混乱しないで済むでしょう。

まず、飛行機が地上にいる時に、強い地震に遭った場合です。大規模な地震の場合、実際の揺れ以上に機体は激しく揺れるでしょうが、機体が大きく破損することは無いでしょう。地上走行をしている時ならばすぐに停止しますから、まずは揺れが収まるまでシートベルトを外さずに、床に足を踏ん張ってしっかりと身体を保持します。

オーバーヘッドストウェッジ(頭上の荷物棚)が開いて重い荷物が落ちてくるかもしれませんから、両腕で頭をかかえ、首に力を入れて縮め、衝撃に備えます。できれば、シートの背もたれよりも頭を低くして、落下物の直撃をできるだけ避けるようにします。

揺れが収まったら、勝手に動かずに落ち着いて客室乗務員の指示を待ってください。場合によっては、その場で機外へ脱出する必要があるかもしれません。


空港は海沿いにあることが多いので、地震の際に懸念されるのはまず液状化です。もちろん十分な対策が施されてはいますが、水や砂の噴出など多少の影響を受ける可能性はあります。このため機体がそこから動けなくなったりするかもしれませんが、いかなる場合も係員の指示に従うことです。

海沿いの空港の場合、津波も懸念されます。東日本大震災における仙台空港の惨状は記憶に新しいところですが、係員はそのような場合の避難誘導の訓練も受けています。とにかく勝手な動きをせず、落ち着いて指示に従ってください。


管理人が最も危険だと考える状況は、着陸直後でまだ高速のうちに強い地震に襲われるケースです。その場合、最悪の場合は滑走路逸脱やオーバーランにつながる可能性があり、その場合は激しい減速ショックが襲いかかります。

その場合、首がむちを打つように振り回されることによる頚椎損傷、頭が前のシートに叩きつけられることによる打撲や顔面骨折、シートベルトが腹に食い込むことによる内臓損傷、足が跳ね上がって前のシートにぶつかることによる膝や脛の損傷が考えられます。頭上の荷物が落ちてくることもあるでしょう。

それに対処するベストの方法は、不時着時に取る耐衝撃姿勢です。しかしこの場合、客室乗務員の指示はほとんど間に合わないでしょうし、仮に指示があっても、心構えがなければとっさに身体が動かないでしょう。対処できる時間は、おそらく数秒以下しかありません。

ですから、特に着陸時はいつでも自分で耐衝撃姿勢を取れるような心構えが必要です。地震でなくとも、滑走路逸脱が絶対に無いとは言えません。もちろん耐衝撃姿勢がどんなものか知らなければ問題外ですので、飛行機に乗る際は各席に備え付けられた「安全のしおり」(セーフティ・インストラクション)や機内放送を必ず見て、耐衝撃姿勢や脱出方法を確かめ、自分の周りの非常口の位置を確認してください。

滑走路逸脱の場合は、高い確率で脱出シュートを使って機外に脱出することになりますが、機外の状況によっては別の非常口を指示されることもあります。その場合もあわてないように、自分の周りの非常口をすべて確認しておくのです。その行動だけで、緊急時にパニックに陥らずに済む心理的効果も大きいのです。


次に、飛行中に大地震が来た場合です。言うまでも無く乗客にできることはありませんし、何もする必要はありませんので、ちょっとトリビア的なことなど。

飛行中に目的地の空港が大地震に襲われて閉鎖されたら、すぐに安全な代替空港へ行き先が変更されます。出発地へ引き返すこともあるでしょう。仮に、本来の飛行予定時間より長い時間飛ぶことになっても心配ありません。燃料は十分に積んでいます。

例えば羽田-千歳線であれば、羽田-千歳間を一往復半くらいできるほどの余裕を持って燃料が積まれていますから、国内線であれば、どこでも燃料切れの心配はありません。国際線でも、燃料が少ない機体から優先的に下ろしますので、事実上心配ありません。


ここで、ウソのような本当の話をひとつ。東日本大震災では、史上初めて成田と羽田が同時に閉鎖されました。混雑する大空港ふたつが同時に使えなくなったのですから、大混乱です。

その時に両空港に向かっていた機体は、国際・国内線合わせて約70機。そのすべてを他の空港に下ろさなければなならなくなりました。特に遠距離を飛んで来た国際線は、国内線ほど燃料の余裕がありません。

国際線に多い747やA340などの大型機は、滑走路が長い大空港にしか下ろせませんし、着陸後の駐機スペースも必要です。それらの要素をすべて勘案しながら、必死の管制が行われました。

結果的に、すべての機体が千歳、米軍横田基地、中部国際、県営名古屋、関空、伊丹やその他の地方空港に無事下りることができましたが、実はこの神業的管制業務の裏に、まさに神がかり的な事実があったのです。

従来は成田と羽田が同時閉鎖するという事態は具体的に想定されていなかったのですが、関東で大地震が起これば、高い確率であり得ます。そこで具体的な対処計画が作られ、管制官の合同訓練が行われていました。

その訓練が行われたのが、なんと震災前日の3月10日だったのです。

もちろんその訓練をしていなくても、全機をさばく能力はあったでしょう。でもよりスムーズに、安全に管制が行えたのは確かです。

緊急事態を想定した訓練の翌日に、突然本番がやってくる。それも想定した関東地震ではなく東北の巨大地震ですから、代替となるはずだった仙台はじめ東北の各空港が使えないという、より厳しい条件で。

良くも悪くも、こんなことが起こるのが現実の世の中です。これなど、まさに常に備えておくことの大切さを象徴するような出来事ではあります。


次回からは、自動車での危険をお送りします。


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