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2013年1月11日 (金)

AEDは魔法の小箱じゃない

AEDの話題が出たついでと言ってはなんですが、ちょっとAEDについて確認しておきましょう。AEDとはAutomated External Defibrillatorの頭文字で、日本語では「自動体外式除細動機」となります。文字通り心臓の「細動」を取り除く機械です。

心臓は規則的な心拍が維持できなくなると、「心室細動」と呼ばれる状態になります。これは心臓の筋肉(心筋)がぶるぶると細かくけいれんするような状態で、血液を送り出すポンプとしての働きが失われます。AEDとは、そのような状態の心臓に電気ショックを与えることで、正常な心拍に戻そうとするもので、心臓が完全に停止している状態、いわゆる「心停止」の状態にまで陥ると、その効果は無くなります。

ですから、「心室細動」が続いているうちにAEDを使わなければなりません。時間との勝負なのです。しかしそれ以前に、心臓が血液を送り出せない状態が続けば確実に死亡しますし、脳への血流が止まることで脳細胞の壊死が始まり、生命を取り留めても脳に障害が残る可能性が大きいのです。脳細胞の壊死が起き始めるまでのタイムリミットは、一般に約3分と言われており、5分経過すると大脳皮質の大半が壊死するそうです。その時間内にAEDを作動させられる可能性は、あまり高いとは言えません。

そこで重要になって来るのがCPR、いわゆる心臓マッサージや人口呼吸のことです。これは「強制循環」という意味で、つまり機能を失った心臓の代わりに血液の、肺の代わりに呼気の循環を強制的に行うことなのです。

意識が無く、心拍を感じず、呼吸も止まっている要救護者を発見したら、まずは最短時間でCPRを開始しなければなりません。最大の目的は、脳への血流の確保です。脳への血流、つまり酸素が供給されていれば、その間は脳細胞の壊死を防げる可能性が高くなります。

当然ながら、同時に人口呼吸を行える方が効果的なのですが、マウスツーマウス法によって体液が直接接触すると、要救護者が感染症を持っていた場合、高い確率で感染してしまいますから、現在ではキューマスク(人口呼吸用フェイスマスク)など感染防護装備が無い場合は、次善の策として心臓マッサージのみ行うことが推奨されています。

キューマスクをご覧になったことのない方も多いと思いますので、管理人の備蓄をひとつ開けてみました、たくさん持ってますから(笑)いつもの床の上だとわかりづらいので、白い紙に載せました。ちょっとピンボケですいません。
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ビニールのマスクで要救護者の顔全面を覆って直接接触を防ぎ、口の部分についた逆流防止弁で、体液や吐しゃ物の逆流を防ぐものです。「キューマスク」で検索すれば、通販サイトがみつかります。1個100~150円くらいです。


ともあれ、AEDの使用はCPRが前提だとご理解ください。仮にAEDだけ使えても、CPRができる人がいなかったら救命率が激減し、脳障害が残る可能性が激増するのです。AEDは、あくまでCPRの「補助器具」に過ぎませんから、ゆめゆめ「ここにAEDがあるから安心」というようなお考えはされませんように。そして現実には往々にして、緊急事態は思いもよらない場所で起こるのです

AEDが無くても、CPRを正しく行うことができれば、救命率は比べものにならないくらい高ります。CPRだけで心拍や自律呼吸が回復することも少なくありませんし、救急隊や病院の専門的な処置を受けられるまでの間の「時間稼ぎ」ができるのです。

そこに倒れている人が、もしあなたの大切な人だったら?AEDが無いからと、あきらめますか?救急車が来る間にも、助けを呼びに行っている間にも生命のともしびは消えて行き、取り返しのつかない障害が進むのです。
それが怖いなら、答えはひとつ。あなた自身が「救命力」を身につけることです。ためらわず、訓練を受けてください。身につけた技術と心構えは、いつでもどこでもあなたと共にあります。もちろん、日本赤十字社や消防署の救命救急講習では、CPRとAED使用法及び、外傷の応急処置も学べます。


私事ですが、管理人は長年オートバイに乗り、モータースポーツにも関わった中で、数多くの救護経験があります。CPRの実地経験は無いものの、大出血、身体の変形、開放性骨折、さらにはほぼ即死状態など、凄惨な現場に立ち会って来ました。

血溜まりの中で苦痛にうめく要救護者に近づき、応急処置を行うのは、「素人」にはとてつもない勇気と覚悟が必要です。そんな時の支えは「自分がやらなければ誰がやるんだ」という気持ちだけです。

逃げるのも自由、手を出さずに野次馬でいるのも自由ですし、その方が楽です。でも、そうしたくなかった。そしてそれなりの経験を積んだ今は、その経験を少しでも生かしたいという気持ちであり、実際に交通事故の現場などで役に立っています。

現場では、「なんとかしてあげたい」という気持ちを多くの人が持っているのはわかります。しかし、どうして良いかわからない人が大半です。気持ちだけではどうにもならないのです。だから、救命や応急処置の技術を学んでください。その経験が、足がすくみそうな現場で、あなたが一歩を踏み出すための力になります。もちろん、それはあなた自身と、あなたの大切な人を守るための力でもあるのです。


ここでは主にCPRについて述べて来ましたが、実際には交通事故などで外傷を負った人を目の前にすることの方が多いでしょうし、災害発生時はそんな負傷者が多発し、さらに困難な状態になるでしょう。傷を負っているのは、あなた自身かもしれません。

そこで、生命を繋ぐための技術と心構えを持っているかどうかが問われるのです。まずは応急処置のテキストを読み込むことからでも良いでしょう。それから訓練を受けることで、より理解が進んで技術も向上します。とにかく皆様に「救命力」のアップに努めていただきたいと、切に願っています。

管理人はこんな奴ですから、現場で使えない情報が「防災情報」とか言われて大手を振っているのを見ると、我慢がならんわけですよ。

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