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2013年2月18日 (月)

自動車の危険・追突02【対災害アクションマニュアル 28】

■第1章 危険を知れ(その26) 【自動車の危険・追突02】

今回は前回に続き、車が「停まってから」の危険について考えます。今回も高速道路を中心に考えます。

前回は、大地震発生時に車を停めるまでについて述べました。今、あなたの車は左路肩に停まったところです。左路肩に停めるのは、言うまでもなく緊急自動車が通行するために本線を開けるのが目的です。

ただし高速道路の盛り土区間では、路肩が崩落することもあります。実際に震災直後の東北自動車道では、路肩の崩落があちこちで発生していました。ガードレール、ガードロープ、防音壁などが完全に崩れ落ちるほどではありませんでしたので、車ごと土手から転げ落ちるようなことは無いでしょうが、タイヤがはまって動けなくなったり、大型車を横転させるくらいの段差は普通にありました。

これが一般道だと、盛り土区間や崖沿いではさらに大きく崩落することも考えられます。車を停める際には周囲の状況を良く見て、高い崖の上や下、路面に大きなヒビが入っている場所、切り通し区間、橋や高架の真下などは避けるなければなりません。とは言うものの、そのような障害が発生するのは今まさに揺れている最中ですので、相当シビアな判断になります。でも「可能な限り」そうすべきです。

さて、路肩に車が停まった後も、しばらくは追突の危険から逃れられません。必ず「おかしな動き」をする車がいるはずです。それがドライバーの意志か否かは別にして、動いている車があるうちは、突っ込まれる危険が常にあります。

そこで、停止した直後にやるべきことは、車からの脱出です。停まったら周囲、特に後方をすぐに確認します。この場合はミラーではなく、身体と首を回して「目視」し、より広い範囲を確認します。

安全が確認できたら、同乗者と一緒にすぐに車外に出て、速やかにガードレールの外へ出ます。車の周りをうろついていたら意味がありません。余計危険なだけです。ガードレールやガードロープをまたぐのは、特に子供、女性、お年寄りには難しいものですから、補助も必要でしょう。その時ドライバーは周囲を警戒し続け、危険があれば同乗者に知らせます。それがドライバーの役目であり、責任です。

そして自車や周囲の車に衝突されても安全が確保できそうな場所で、しばらく待機です。上記のような状況にご自分がいると考えて、目を閉じてイメージしてみてください。


そこで皆様に質問です。皆様のイメージの中で、「雨降ってますか?」

多くの方が想像されたのは、最悪でもせいぜい寒い夜くらいのイメージだったのではないでしょうか。もし暴風雨、暴風雪の闇夜とかをイメージされていたら、あなたは危機管理の達人です。「最悪の状況」を自発的に取り入れることができる。そしてそのように視界が悪い時ほど、追突される可能性が高まっているということをも忘れてはないりません。

本題からは外れますが、イメージの中で「雨を降らせない」心理こそが、危機管理の敵である「楽観バイアス」や「正常化バイアス」と呼ばれる心理状態です。ある危険を想定したとき、さらに起こりうる危険を積極的に除外してしまうのです。わかりやすく言えば、「まさかそこまでは」、「そんなこと起こるはずが無い」、「あり得ない」などと根拠も無く考えてしまう心理状態です。その究極が、何の根拠も無い「自分だけは大丈夫」という奴なんですが。

人は、自分がひどい目に遭うことを本能的に想像したくありません。だから、恐ろしい事を考える時に、積極的に危険を矮小化し、無意識のうちに精神の平静を保とうとしてしまいます。それが上記のような心理状態なのですが、しかしそんな個人の考えなどお構いなく、現実は襲いかかって来ます。

その時、「正しい想定」や「覚悟」が出来ていなかった人ほど、想像を超える状況に直面してパニック状態に陥りやすくなるわけです。つまり、「生き残る」確率を自ら下げることに等しい。だから勇気を振り絞って、イヤな気持ちを乗り越えて、「最悪」を考えてください。


本題に戻りましょう。では、車を脱出するときに悪天候だったらどうするか。出がけに雨が降っていたら傘を持っているでしょうが、そうで無いこともある。ならば、用意しておくのです。

一番手軽な方法は、ビニールカッパやポンチョを「乗車定員分」車内に備えておくこと。グローブボックスでも、シートポケットやドアポケットに放り込んでおくだけです。トランク内でも良いでしょうが、できるだけ短時間で取り出せるようにしておきたいものです。これなら今日からでもできますね。

さらにグラウンドシートやブルーシートがあれば、より広い用途に応用できます。それでも数百円の負担です。いずれ、管理人がセレクトした車内装備も公開したいと思います。

これが役に立つ状況は、やはり滅多に遭わない大地震よりも、高速道路上でのパンクや故障など普段の運転中の方がはるかに多くなります。何らかの事情で高速道路上で停まらなければならないときは、とにかく絶対に車外の安全な場所に出ていなければなりません。

時々、流れの良い高速道路の路肩に、それも夜間に人が乗ったまま停まっている車を見かけますが、あれなど自殺行為に近いものです。ハザードランプつけていれば大丈夫とか思っていませんか?


恐ろしい事実をひとつ。ドライバーが半分居眠りをしていたり、深い酒酔いなどで正常な判断力を失っている場合、車はドライバーが「見た方向」へ行きます。無意識にそのように操作してしまうのです。つまり、高速道路上にぽつんと停まった車は、そんな最も危険な車を自ら引き寄せているんですよ。ハザードランプなどその誘い水になるくらいです。

高速道路上でパンク修理をしていて突っ込まれるような事故も後を絶ちませんが、他に車がいないのになんでそこへピンポイントで突っ込んで来るかというと、実はそんなメカニズムがあるのです。


地震から話が逸れてしまいましたが、これも普段からの意識と行動があってこそ、大地震の時にも速やかに安全を確保できるのです。まとめますと、普段でも大地震の時でも、高速道路や流れの速い道路で路肩に停止するときは、安全が確認されるまでは車外へ出て、ガードレールの外など安全な場所で待機、これが絶対であり、その時のための防水装備は、常に車内の取り出しやすい場所に備えておく必要がある、ということです。

次回も、さらに自動車の危険を考えます。

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