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2013年4月10日 (水)

【ニュース解析】富士山は噴火するのか?

いつもの【ニュース解説】ではなく、今回は【ニュース解析】です。

管理人がつい最近になって知ったことで、すっかり旬を過ぎてしまった話で恐縮です。3月上旬に富士五湖のひとつ、河口湖で異常な水位低下があり、それがまた富士山の噴火と絡めて、結構な騒ぎになっていたようですね。例によってメディアでもネットでもいろいろな煽りが飛び交って、そんなのしか見ていないと、すぐにでも富士山が噴くのではないかと思えて来ます(笑)

大前提として、富士山は活火山ですから、いつ噴火活動が始まってもおかしくなく、周囲に被害を及ぼすような噴火をするポテンシャルは常にあるわけです。でもそれは富士山だけでなく、すべての活火山に言えることですが。

しかし、富士山を取り巻く観測網は、噴火へ繋がる兆候を全くとらえていません。それでも、いろいろな事が言われています。以下に、いくつかピックアップしてみました。
■雪の量が減っている→山体の温度上昇?
■山腹で蒸気が上がった→マグマ上昇による地下水加熱?
■箱根で火山性地震、山体膨張発生→富士山と同系のマグマが動いた影響?
■関東大震災、新潟中越地震前にも河口湖で渇水発生→確認された事実?地震の影響なのか?
■富士山麓各地で異常湧水や渇水が発生
これらいずれの現象も、噴火の兆候として確認されたものはありません。あくまで「関係あるのではないか?」と考えられているというレベルにすぎません。

でも、そんな中でまた河口湖の水位が下がったことで、「いよいよか」とばかりに、ネット上やメディアが騒いだようです。でも、あまり盛り上がりませんでしたね。何故なら、皆が「期待」したような異常な水位低下は、実は起きていないのです。

この騒ぎの発端は、ウェブで公表されている河口湖の水位データに、基準水位からマイナス7mという異常値が出たことなのです。それまでも例年よりかなり水位は低下しており、湖の中の小島にあるお堂まで歩いていけるような「異常な」状態だったのは確かですが、地元の方の話によると、冬の渇水期には時々起こるレベルの水位低下だそうです。

そこへ、マイナス7mという異常水位のデータです。報道だけを見た人の多くが、「7m下がったからお堂まで歩いていけるようになった」と認識し、火山活動で河口湖の底が裂けて水が流出したとか、ほとんど思いつきレベルの風説が、まことしやかに語られたりしています。

でも、それは全くの間違い。まず、水位は7mも下がっていません。実は、そのデータは交換したばかりの計器の不調による異常値であることが確認されています。

実際の水位低下は基準値からマイナス3mで、例年よりも低いものの極端な異常ではなく、その状態でお堂まで歩いて行けたのです。そして、数日後に水位は平年並みに回復しています。例年より水位が下がった理由はっきりしていませんが、それが富士山噴火と関連するという根拠も全くありません。

ただ、富士山周辺で前記のような「異常」が起きている中でまた新たな「異常」が起きた。騒ぐにはそれだけで十分ということですね。騒ぎたい人と、それに乗って「数字」を取りたい側の思惑が一致した結果ということですね。

過去にはこんな例もあります。2012年1月28日に、富士五湖直下、深さ18kmを震源とするマグニチュード5.4の地震が発生し、最大震度5弱を記録しました。その地震の後、一部の火山学者は、「あの場所であのクラスの地震が起きて、富士山に何も起きないはずは無い」と断言していましたが、調べて見ればほとんど同じ震源で1931年にマグニチュード6.3、1983年にはマグニチュード6.0が発生していて、その後周辺の火山活動が活発化することはありませんでした。現に、昨年の地震の後にも何も変化はありませんし。

今回も同じとは言い切れないものの、明らかな調査不足や、メディアの煽りに乗ったような「専門家」の発言は、不快極まりないものです。でも、そういう「おいしい」事を言ってくれる専門家は、何かあったらきっとまたメディアに登場しますよ。煽りメディアが欲しいのは真実ではなく、専門家の「怖い」発言なのですから。


富士山噴火に関してやたらと取り沙汰される1707年の宝永噴火は、49日前に発生した駿河湾地震(想定される東海地震に相当)の後、連日の地鳴りと、余震とは異なる内陸の強い地震が繰り返された後に噴火したと、当時の文書に記録されています。しかし、そんなわかりやすい前兆は、ほとんど無かったことにされていますね。何の前兆もなく、いきなり大噴火するというイメージの方が「数字」になるからでしょうか(笑)

いずれにしろ、富士山が南海トラフ地震と連鎖して噴火する可能性があることは、そのことからもわかります。しかし、東日本大震災震源域を中心とする地殻変動の影響をどれだけ受けるのかは全くの未知数であり、その後も目立った動きはありません。ただ、震災直後に富士山直下で、強い「誘発地震」が発生したというだけです。とはいえ、この先に活動が活発化しないとも言い切れません。我々にできることは、正しいデータを正しく理解し、危険が存在するなら、速やかに避難などの対応する。それだけです。

それ以前に、東日本大震災震源域に近い火山の方が、より強い影響を受ける可能性があることは間違いありません。そして、世界のマグニチュード8.5~9クラスの地震の後には、少なくとも記録史上において例外なく近隣の火山が噴火しているのですが、まだそれがおきていないのも事実です。

では、現在日本列島の火山はどうなっているのでしょうか。最後に、全国の火山に関する防災科学技術研究所の、2012年12月時点での公式見解を転載させていただきます。これは、管理人も出席した、2月25日の「成果発表会」にて公表されたものです。

■震災後に、地震活動や火山活動がほとんど変化しなかった火山
三宅島、那須岳、有珠山

■震災後に地震活動は高まったが、正常レベルに回復した火山
【上記のうち、火山活動に変化が認められない火山】
岩手山、浅間山、伊豆大島、富士山(但し震災直後の誘発地震の余震は継続している)
【上記のうち、火山活動に変化があった火山】
阿蘇山(但し、東日本大震災に誘発された火山活動とは考え難い)

■地震活動が低下したが、一時的に火山活動が高まった火山
硫黄島(但し、地震活動等は2010年頃から顕著な変化があった)

■噴火活動を継続した火山
霧島山《管理人註:新燃岳のこと》(2011年12月頃からマグマの供給が停止)

このように、昨年末時点で危険と思われる火山は無く、それは現在も変わっていません。これは「専門家」の見解ではなく、観測を続けた結果の、ある意味で冷徹とも言えるデータの集積による結果なのです。


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