『春の嵐』襲来
「春の嵐」という言葉には、どこか雅やかなニュアンスを感じられたりもします。咲いたばかりの桜を散らす、意地の悪い風雨。「なんでここで来るかなぁ」という間の悪さや不運、ひいては人生の理不尽さをも感じさせる・・・というのは大げさかもしれませんが、なんとなく傍観者の立場でいられるような、長閑な雰囲気がありますね。
でも、今日の関東地方南部はそれどころではありません。完全に小型台風の襲来というレベルです。でも、接近しているのは「低気圧」であり、普段は「高気圧」と対をなして天気を悪くするだけの、おだやかなイメージの存在です。これがもし「熱帯低気圧」だったら、これほど風雨が強くなくても、もっと緊張感があったでしょう。なんたって台風の仲間ですから。
その違いは何かというと、発生した場所だけの話。フィリピン近海の熱帯域で発生した低気圧だから「熱帯低気圧」と呼ばれ、その中心付近での平均風速が毎秒15mを超えたら、台風と呼ばれるわけです。でも、低気圧はどれだけ風が強くても、名前は変わりません。
近年では、そんな「台風くずれ」の熱帯低気圧ではない、ごく普通の低気圧でも、日本列島の太平洋沿岸を北上しながら、台風並みの勢力にまで発達する低気圧が目立つようになりました。その原因は、海水温度の上昇、ジェット気流の流れの変化などいろいろ考えられますが、とにかく全地球的規模の大きな気候の変動が起きつつあるということだけは確かなようです。そしてこの先、この傾向はさらに極端になって行くのは間違い無いでしょう。
ですから、天気予報で言う「台風並みに発達した低気圧」は、すなわち「台風」であると認識して対策しなければなりません。でも、強い台風が接近している時は会社や学校が休みになったり早退できたりしますが、低気圧だとなかなかそういう対応はありませんね。普段通り外出しなければならないことが多い。
でもそのリスク自体は、台風とあまり変わらないのです。とにかくこのレベルになると、傘はほとんど役に立ちません。ビル街で傘をおちょこにしたり、強風でよろめいたり、ずぶ濡れになって歩く姿は、テレビニュースの格好の「餌食」です(笑)しかし笑い事ではなく、ずぶ濡れの服や靴が痛んだり、荷物が水でやられるのはもちろん、飛来物や竜巻など局地的な突風のリスクもはるかに増大しているのです。その中で最大のリスクは、風による飛来物や転倒物の直撃です。さらに豪雨による小河川の氾濫、低地や地下街の浸水も、確実に増えて行くでしょう。
とにかく「低気圧」だからと甘く見ると、生命に関わる事態に直面することも確実に増えます。ならば、セルフディフェンスしなければなりません。強力な低気圧だけでなく、ゲリラ豪雨、竜巻、落雷などのリスクも増大していますから、「自分の判断」で行動を考えるのです。
まず、傘を使わないで済む、ビニールカッパやレインコートなどの備えは必須。なんとか傘が使える状況ならば、一緒に使うことで効果は倍増です。仮に服を濡らしても、電子機器も多い荷物を水から守らないと大損害になります。さらに、勤務先などに防水性の高い靴を用意しておくのも良いでしょう。地震の際の帰宅困難に対応した、歩きやすい靴を用意しておけというのは定番ですが、防水性はあまり言われません。まあ、濡れても乾かせば済むからですが、どうせなら両方の機能を備えていたいもの。大地震と違い、豪雨や暴風雨には、必ず何度も遭遇するのです。しかも、暴風雨の中で大地震が起きないとは誰にも言い切れませんし。
昔から、台風・熱帯低気圧=警戒という意識は一般化していますが、これからは、強力な低気圧=台風と考えて、十分な警戒と対策をしておかなければ、思わぬ被害を受けることも増えるでしょう。天気予報での用語で先入観を持たずに、常に台風並み状況を想定するという意識改革を、管理人は強くお勧めしたいと思っています。
それにしても、今日の「春の嵐」は、本当に台風並みですね・・・。
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