【緊急特集】鳥インフルエンザの恐怖【3・最終回】
【2】から続きます。
4月6日現在の報道によると、今回中国で流行している鳥インフルエンザウイルスに関しては、現時点での「ヒト-ヒト感染」の可能性は無いと、米国のCDC(疾病予防管理センター)が発表したとのことです。CDCの発表ならば信頼できますが、今後、突然変異する可能性も無いとは言えませんから、引き続き関連情報に注意しておきましょう。
それでは本文に入ります。今回は、緊急特集最終回として、インフルエンザウイルスを「消毒」する方法などです。
消毒というと、まずアルコールが思い浮かびますが、当ブログでも過去何度も触れた通り、ウイルスに対してはアルコール消毒の効果はほとんどありません。アルコールが効果的なのは、細菌に対してです。アルコールを使って手やモノなどをふき取れば、付着したウイルスを除去する効果はある程度見込めますが、それは水でふき取る効果とあまり変わりません。アルコールでウイルスを死滅させることはできないのです。
ウイルスを死滅させるのに効果的なのは、「次亜塩素酸ナトリウム」です。これは台所用漂白剤(商品名「キッチンハイター」や「ブリーチ」等)の主成分であり、そのような商品は、安いものなら600ccボトルが90円程度で入手できます。
これは本来の使い方である、まな板やふきんなど調理器具の消毒に絶大な効果を発揮するのはもちろんですが、管理人は別の使い方も提唱しています。ただし、これは商品本来の使い方ではなく、成分を利用した応用的な使い方ですし、若干の危険性も伴いますので、あくまで参考として紹介します。もし実施される場合には、自己責任にてお願いします。
その方法とは、「キッチンハイター」などの希釈液を、ウイルスが付着している可能性のある場所に噴霧したりして「消毒」する方法です。この方法は、下記の理由により基本的に自宅内に限定してください。
管理人の方法は、スプレーボトルの水1リットルにキャップ1杯の液を入れて希釈し、それを噴霧します。問題は、「次亜塩素酸ナトリウム」が気化すると、いわゆる「プールの臭い」がすることです。「次亜塩素酸ナトリウム」は、実はプールの消毒剤でもあります。この臭いは有毒な塩素ガスのものなので、長時間、大量に吸い込むと、頭痛や気分の悪化が起きることがありますので、使用の際には換気を十分にしてください。
また、「次亜塩素酸ナトリウム」は、鉄やステンレスを腐食させる効果があります。この程度の希釈液ではほとんど影響は無いでしょうが、場合によっては鉄部分の変色などが起きることも無いとは言えませんので、心配な場合は噴霧した後に、きれいな布や紙でふき取っておくと良いでしょう。それでも心配な部分には、使用しないことです。
皮膚についた場合は、希釈液でも放置すると炎症や皮膚荒れが起こる可能性がありますので、すぐに流水で洗い流してください。調理器具を消毒した場合は、使用前に流水で良く洗い流しますが、これは本来の使い方です。
上記の方法は、以前のノロウイルスの感染者が続出した時に、当ブログにアップしたものです。
■その記事はこちらから
インフルエンザウイルスは、ノロウイルスに比べてはるかに感染力が弱い、つまりかなりの量が体内に入らないと、普通は感染まで至りませんので(ノロウイルスは数十個で感染すると言われます)、ここまで気にするまでも無いとは思いますが、もし「ヒト-ヒト感染」するような、危険な新型ウイルスが国内で流行するような事態になった場合には、非常に心強い防護手段となるでしょう。
もっとも、インフルエンザ対策で一番大切なことは、健康を保つということです。体調が良ければ、人体の免疫システムも活発に働きます。現実世界での「水際阻止」は不可能でも、体内では可能なのです。同じ場所や条件で感染しても発病する人としない人がいるのは、まさに免疫システムの働きが違うことによるものなのです。
そして、少しでも「かかったかな?」と思ったら、すぐに病院で診断を受けてください。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、発熱などの症状を自覚した場合は、【1】の記事で述べた通り、侵入したウイルスに対して、免疫システムが「主戦力」である白血球を投入し、それ以上の侵攻を阻止するための最終決戦を挑み始めたということなのです。人体がこの戦いに敗れると、ウイルスは体内で爆発的に増殖を始め、全身に広がって重症化するだけでなく、体外への排出も始まって、感染を広げるのです。
ですから「最終決戦」が始まった早い段階で、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬を「援軍」として投入すれば、重症化する前にウイルスを殲滅して回復できる可能性が高まりますし、他の人に感染を広げることも減るわけです。言うまでも無く、自分の感染が疑われる場合には、まずマスクをして自分唾液の飛散を防ぎ、体液のついた手であちこちを触ることはなるべく控えてください。そんな場合にも、前記のような消毒方法を知っていれば、罹患者本人もかなり安心できるというわけです。
とりあえず、今回の鳥インフルエンザ流行は、過去のSARSや豚由来の「新型」ほどの規模や危険度にはならないような流れにも見えますが、今後どう変化するかは全く未知数です。しばらくの間は関連情報に注意し、もし危険が出てきたら、早い段階で対策することをお勧めします。
【緊急特集】鳥インフルエンザの恐怖【おわり】
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こんにちは。
次亜塩素酸ナトリウムですが、ハイターなどの台所用のものも良いですが、個人的にはケンミックス4が良いなと考えております。
コストパフォーマンスは悪いですが食品添加用のものなので使い勝手がいいと思います。濃度にもよりますが口に入っても問題ありません。非常時には風呂の水に混ぜれ殺菌して飲めるようにもしてくれます。
ただ、次亜塩素酸ナトリウムは漂白してしまうことも考えて使わないと残念な結果を引き起こしてしまうかもしれませんね。
投稿: whoki | 2013年4月 6日 (土) 23時06分
>whokiさん
ご意見ありがとうございます。
食品添加タイプのものは、考えておりませんでした。早速入手して試してみますね。私は基本的に、どこでも入手できて、できるだけコストがかからないものという考えでやっていましたので、そこまでの発想はありませんでした。
確かに台所用は水酸化ナトリウムが添加されていたりして、口に入ると問題ではあります。また、本文程度の希釈液では、室内で噴霧しても壁や塗幕などの脱色、変色の問題はありませんでしたので、なんとかなるかなと。
時々、ふきんやまな板を強力に消毒したい時に、反則なんですが原液のまま使っても、布地の脱色もありません。材質や染め方にもよると思いますが、ハイター程度の濃度で、それも希釈液ならば大丈夫かなと。
でも、服にかかったりするとヤバいかもしれませんね。これももっとテストしてみたいと思います。
投稿: てば | 2013年4月 8日 (月) 09時26分