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2013年4月 5日 (金)

【緊急特集】鳥インフルエンザの恐怖【1】

中国・上海周辺の長江下流域で、鳥インフルエンザによる死者が相次いでいます。罹患者の死亡率は現時点で35%と、非常に危険なウイルスのようです。

報道によれば、このウイルスは3種類の鳥インフルエンザウイルスの遺伝子が混じってできた新種とのことで、従来のワクチンや抗ウイルス薬が効かない可能性がああるものの、実験室レベルでは、タミフルやリレンザに効果が認められているとのことです。

問題は、今回の流行が都市部を中心としていることと、現時点では「ヒト-ヒト感染」の可能性を排除できないことです。罹患者が野生の鳥に濃厚に接触したり、ニワトリなどの飼育をしている人ではないことから、食用の鳥肉からの感染や、最悪の場合ヒト同士間の感染も、現段階では疑うべきです。

そして、新型ウイルスは今後我が国にも流入するという前提で考えなければなりません。かつてのSARSや豚由来の「新型インフルエンザ」流行の騒動からもわかるように、これだけの人的交流がある現代では、「水際阻止」など事実上不可能なのです。いつ、どこで感染の危険があるかわかりません。決して「対岸の火事」では無いのです。

では、どのように対策したら良いのでしょうか。そこに行く前に、ウイルス感染のメカニズムについて、簡単にまとめておきます。


人間は、ウイルスに感染してもすぐに発病するわけではありません。発病に至るには、ウイルスが体内で増殖し、大量に複製されなければならないのです。

何らかの経路で体内に入り、最初の免疫システムをかいくぐった一部のウイルスは、細胞に取り付きます。そして特殊なタンパク質で細胞に有用な物質であると誤認させて、細胞内に自らのDNAを送り込みます。そして、細胞核を「ウイルス生産工場」としてしまい、細胞内で自らのコピーを大量に複製するのです。

しかし生物の免疫システムは何重にもなっており、この段階で免疫システムがウイルスを圧倒すれば、増殖を阻止できます。このような戦いが行われている間が「潜伏期間」であり、自覚症状はありません。まさに「人知れず」、体内で壮絶な戦いが繰り広げられているのです。

その後ウイルス側が優勢になり、「ウイルス生産工場」化した細胞が増えて来ると、細胞からの警報を受けた人体は、免疫システムの主力を「戦場」に送り込みます。白血球です。

白血球が集まり、「ウイルス生産工場」化した細胞や放出されたウイルスを破壊、補食しはじめると、粘膜の充血や腫れ、つまり炎症が起こります。それが初期症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、発熱などを発症させ、我々はその段階で初めて感染を自覚するのです。

でも、まだ戦いは終わりません。この段階で、白血球を主力とする免疫システムが「ウイルス生産工場」を一掃できれば、自然治癒します。ウイルスは細菌と異なり、「宿主」に感染して、その細胞を利用して増殖しなければ、単独では長期間生存できないのです。

しかしこの段階で免疫システムが敗北すると、「ウイルス生産工場」が爆発的に増え、複製、放出されたウイルスが血流に乗って全身に拡がり、より重篤な症状に発展して行きます。

一般に「免疫がない」と言われる状態は、体内に入った「知らない」ウイルスを免疫システムが異物と認識しなかったり、ウイルスが未知の方法によって感染細胞から発せられる警報を攪乱して、免疫システムの発動を妨害する場合です。その場合は、まさにウイルスの「やりたい放題」になりやすいわけで、それが「新型」の恐怖なのです。

ここまでわかれば、対策も見えてきます。まず、できるだけウイルスを体内に入れないこと。そして入ってしまったら、早い段階で攻撃、排除しなければなりません。

具体的な対策は、次回へ続きます。


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