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2013年4月19日 (金)

【三宅島その後など】地震関連情報【4/19】

三宅島の、その後の状況をまとめてみます。

4月17日の震度5強の後、震度3~1の余震が多数発生していましたが、18日には震度1が5回と、有感地震に関しては収束傾向が明らかであり、群発地震にはならないようです。しかし、一週間程度は大きめの余震に警戒が必要です。なお、気象庁発表によれば、人体に感じない無感地震の頻度はあまり落ちていないとのことですので、当面は活動の推移を見守りたいと思います。

火山活動に関しては、その後も特段の変化は見られていません。マグマの動きがあれば、通常の地震とは明らかに異なる波形の火山性微動や、山体膨張、噴気の変化などが見られますが、いずれも観測されていません。

なお、三宅島でマグニチュード6クラスの地震が発生したのは2000年以来13年ぶりだそうですが、2000年は噴火に関係した火山性の地震でしたので、今回の地震の性質とは異なります。つまり、伊豆諸島においてこのように強い地震はさらに長い間発生していなかったわけで、今回の地震は、広義において東日本大震災による地殻変動の影響と考えるべきかと思います。


ところで、18日には三宅島沖の震央とは反対側の海域で海面変色が見つかったという報道がありましたが、管理人は、これは誤認によるものではないかと考えています。

まず、「変色」を発見したのが警察のヘリ乗員であること。つまり、火山に関する専門知識持っていない可能性が高い。報道によれば「海面が100mほどエメラルドグリーンに変色していた」との報告があったそうですが、海底からの噴気で海面が変色するならば、100mという小規模で済むとは考えにくく、エメラルドグリーンという色の表現が、海底火山による海面変色とは違うようにも思えます。このような場合、一般的には緑色の入浴剤を流したような不透明な黄緑色になることが多いようで、しかもかなり広範囲に変色するはずです。

さらに、連絡を受けた海上保安庁の航空機が現場を調査しても、変色域は発見できなかったということかららしても、誤認の可能性が高いと考えられます。恐らく、海底の浅瀬や岩礁などが光線の関係で透けて見えたのを変色と誤認したのではないかと、管理人は考えています。その場合、鮮やかなエメラルドグリーンに見えるはずです。

他の可能性ととしては、水難事故の際に、漂流者が航空機に自分の位置を示すための海面染色剤(シーダイマーカー)にも鮮やかな緑色のものがありますが、もしそうだったら、漂流者は地震のせいで見捨てられたことになりますね(笑)まあ、その可能性は無いでしょうが。

この例に限らず、地震直後のような緊張感が高まっている時期には、例の「確証バイアス」による誤認が多発するのです。この例が誤認だとしたら、こんな感じでしょう。

大きな地震があった→火山が噴火するかもしれない→何か兆候が見つかるかも→海の色が一部違う→火山の影響に違いない

という感じで。もっとも、警察ヘリからの報告が「海面変色を発見」だったとは限らず、「確認はできないがその可能性があるので、念のため報告」くらいだったかもしれません。その結果、詳細に調査して誤認とわかれば、それは全く正しい行動ではあります。

問題は、例えば発見したのが一般人だとたら、裏づけも取らずに「三宅島沖で海面変色を発見、海底火山か」とネットに書いたりする。そんなのは「報道されない現地からの生情報」として珍重され、海底火山が危ないという事実として拡散される。一方で、報道されていないから、行政やマスコミは本当の危険を隠蔽しているとかで、陰謀論者も喜ばせる。そしていつの間にか、「一週間以内にまた大噴火と大地震が起こる」とかいう尾ひれがつき、さらに加速度的に拡散されるのです。このように、デマの大元には「確証バイアス」による誤認や思い込みが多いわけです。

よく、大地震が起きた後に、地震前に「動物がいつもと違う様子だった」、「空が違っていた」、「携帯の電源が落ちた」などの「宏観現象」が報告されますが、そんなのも「前兆があったはずだ」という前提で記憶をたどることで、珍しくもない現象を、前兆として思い込むことから始まるのです。大地震の直後に言われる、「あんなのを見たのは初めてだった」という話の半分は、実は日常的に起きていることだと言っても過言ではありません。さらに、「地震雲」や「体感」とかいうエセ科学やオカルトなどは、この「確証バイアス」が前提であることは、言うまでも無いことです。

そこで笑ってるあなた。今、あなたが「三宅島沖で海面変色、噴火近し」というツイートを見たら、本当にリツイートとかしないですか?予備情報がなければ、いや、あっても緊張感が高まっている状況では、大抵の人が拡散するでしょうね。


などと、全く関係の無い話になってしまいました。すいません。最後に、石垣・与那国島近辺の活動について。4月17日に9回連続発生しましたが、18日は震度1が2回のみと、終息方向に向かうようです。しかし、震度1といってもマグニチュードは4.6と5.9と、実はかなり大きな地震が起きています。これが島の直下の浅い場所で起きたら、震度5クラスになります。今後もこのような多発は続くと思われますし、すぐ近くの台湾でもマグニチュード7クラスが発生していますから、当分は警戒が必要な地域のひとつです。


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