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2013年5月

2013年5月31日 (金)

【EDCグッズ05】究極のEDCライトとは【1】

■EDCとはEvery Day Carryの頭文字。毎日持ち歩く装備を意味します。


今回と次回は、管理人がEDCグッズの主要装備と考える、LEDライトについてです。

管理人は、非常時に視界を確保するためのライトに求められる明るさを、最低でも「暗闇の中で5m先にいる人の顔が明確に識別できること」という表現をしています。それならば、暗闇でも10mくらい先までは見通せます。

それくらいの照度が無いと、非常時、例えば停電で暗闇のビルの中で、いろいろな物が散乱する場所をすばやく移動するようなことは難しいわけです。ペンライトくらいでは、完全に能力不足です。

そのレベルの照度の目安として、管理人は「25ルーメン以上」と提唱していますが、今回は、簡単な照度比較テストをしてみます。まず、下の画像をご覧ください。
Mononov_bousai_025
暗い部屋(真っ暗闇ではない)の中で、約2mの距離からカーテンに向かって2本のライトを照射しています。画像は、実際に見た感じに近くなるように、明るさを加工しています。

左側の方がかなり明るく見えますが、実は両方とも26ルーメンのライトです。左は単3電池1本のGENTOS(ジェントス)パトリオ6、右はCR2032コイン電池2個のPETZL(ペツル)e+LITE(イーライト)です。

この差は、LEDのタイプ(単発と3発)と、レンズ及び反射鏡による集束程度の違いによるものです。なるべく遠くを見通そうと思えば左が良いですし、汎用性も高いのですが、実際にはあまり集束していない右のライトでも、必要十分な視界が得られます。とりあえず、感覚的に2mの距離で照射点がこれくらい明るく見えなければ、実用的ではないということです。

次に、さらに強力なライトと比較します。
Mononov_bousai_031
右は上画像と同じ26ルーメンのパトリオ6、左は単3電池2本のGENTOSパトリオ7、80ルーメンの広角照射モードです。このクラスになると、例えば暗闇の広い廊下でも、床だけでなく天井や壁まで光が十分に回り、20mは楽に見通せます。次の画像をご覧ください。
Mononov_bousai_029
右は同じく26ルーメン、左は80ルーメンの集束照射モードです。これはもう圧倒的な照射力で、50m先も楽に見通せ、100mでも実用的な視界が得られます。サイズや重量を考えると、EDCライトとしてはこのクラスが最上級かと思います。

ここで取り上げたライトは、管理人が普段からEDC装備としているものですが、照射性能を最重視して選びましたので、携帯性がベストとは言えません。26ルーメンのパトリオ6でも、常時ポケットに入れておくには、ちょっと大きいのです。
Photo_012
上が80ルーメンのパトリオ7、下が26ルーメンのパトリオ6です。

パトリオ7のサイズになると、ポケットに入れておくのは現実的ではなく、バッグなどに装備することになります。しかし、当シリーズ最初の記事で述べた通り、EDCグッズとは私服警官が装備品を持ち歩くように、バッグなどを持たなくても、常時身体と共にあることが理想です。EDCグッズを入れたバッグが確実に身体と共にある時間帯は、実際には通勤・通学など移動中くらいしかありません。その他の時間帯では、地震が来た瞬間に手に取れる場所にバッグ類が無いことも多いわけです。

EDC用とするには、私服警官が装備品を目立たせずに運搬する必要があるように、可能な限り軽量コンパクトで、できる事ならば平常時は装備していることを忘れているくらいのものが理想なのです。そこで、EDCに求められる条件をほぼ満たし、しかも災害時には非常に高い機能を発揮する、現在入手できるものの中ではおそらく究極とも言えるライトを紹介したいと思います。

驚くべき性能のライトです。次回をご期待ください。


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2013年5月28日 (火)

【ニュース解説】解説しなくてよし

開き直ったタイトルですが(笑)

先日、下記のような発表がありました。マイナビニュースから一部抜粋の上、引用させていただきます。

(以下引用)---------------------------
【"M8以上"の南海トラフ地震が起こる確率、30年以内に60~70%--切迫性高まる】

政府の地震調査委員会(委員長:本蔵義守東京工業大学大名誉教授)はこのほど、南海トラフにおける巨大地震の発生確率を発表した。それによると、今後30年以内にマグニチュード8以上の巨大地震が起きる確率は、60~70%程度となることがわかった。
(中略)
新たな算出方法では、マグニチュード8以上の巨大地震の発生確率を、今後10年以内では20%程度、20年以内では40~50%程度、30年以内では60~70%程度、50年以内では90%程度と予測。一方、マグニチュード9.1の最大級クラスの地震については、これまでにデータが見つかっていないことから予測は不可能とした。

過去、南海トラフでは、約90~150年ごとにマグニチュード8クラスの巨大地震が発生している。同委員会は、正平地震(1931年)以降に起きた地震のデータを基に、次の地震までの間隔を88.2年と推定。前回、南海トラフで起きた昭和東南海(1944年)・南海地震(1946年)から約70年が経過し、残りは約20年となることから、「次の大地震発生の切迫性が高まっている」と注意を促した。
(中略)
南海トラフは、静岡県の駿河湾沖から四国南岸、九州沖に至る約700kmの海盆。同エリアの地震は、四国や紀伊半島が位置する大陸プレートと、その下に沈み込むフィリピン海プレートの境界面が滑ることで発生する。また、プレート境界面から大陸プレート側に枝分かれした分岐断層が滑ることにより、地殻を大きく変動させたり、局地的に強い揺れを生じたりする場合もあるほか、フィリピン海プレート内で発生する地震や海底活断層で発生する地震などがあるという。
(引用終了)---------------------------

このニュース自体は、解説の要なしと管理人は考えます。過去記事でも何度か書いていますが、地震発生の確率やメカニズムは、極論すれば生活者には何の関係もありません。研究者とマニアだけが知っていれば良いものです。

生活者に必要なことは、自分の居場所で何が起きるか、その時どうするかという二点に尽きます。いくら確率を出されても、現実的には今日起きるのか50年後なのかさっぱりわからない、ということなのですから。この手の発表があると、すぐに煽り記事などが増えますが、それにしても一過性であり、「怖い」という感覚と、大して役に立たない断片的な知識だけを残して消えて行きます。それに、このような数字も、地震のメカニズムすらほとんど関係無い統計的予想です。過去にこんなパターンで起きたから、そろそろかなという話に過ぎません。でも、今日か50年後かの確率は全くわからない。

東日本大震災が予測できなかったから計算方法を変えたということですが、震災を予測できなかったのは、計算方法の問題ではありません。東北地方の場合は、過去100年ほどの地震の記録を詳細に調べたら、陸地に比較的近い部分にプレートの「固着域」(アスペリティ)が動いた事実がたくさん見つかりました。そしてそれらが再び動く確率を算出していたのですが、しかし実際にはそのまた沖に、それこそ1000年も動かなかった、記録には無い巨大な「固着域」が存在し、それが動いたために、陸地側の小固着域が連鎖して動いた、と言うのが今震災です。巨大な「地震の巣」を、把握できていなかったのです。

確率の算出精度も、例えば2008年6月14日の「岩手宮城内陸地震」など、30年間に動く確率が0.2%とか言われていた断層が動いたものですし、忘れてはなりません、1995年の「阪神・淡路大震災」も、確率的には全くあり得ないような地震だったのです。一方でプレート境界型地震の場合は上記のような内陸直下型地震より周期性がはっきりしていますが、ならば30年以上前から発生が切迫していると言われる「東海地震」はなぜ起きないのか。これは批判ではなく、現時点で算出される発生確率とは、現実的にはその程度のものでしかないということです。

南海トラフにしても過去、東北地方よりは昔まで遡った記録があるもののその前のことはわからず、もしかしたら東北のように「想定外」の固着域が存在したりするかも知れません。それに地震自体も、必ずしも過去と同様のメカニズムで起きるとは限らないのです。「最大級」と想定されるマグニチュード9.1クラスでさえ、それが絶対に「最大級」かを断言することもできません。我が国に限らず、人類は地面の下のことを、まだそれほど知っていないのです。ですから、このような数字はあくまで「現在わかっている範囲内で統計的に予想した数字」であり、行政はともかく、個人レベルの防災に役立つものは全くありません。

繰り返しますが、個人で必要なものは、「自分の居場所で何が起きるか、その時どうするか」ということだけです。今まで、確率的に大地震など起きないとされていた場所で、実際に何度も大地震が起きているではないですか。数字を聞いて怖れる必要が無いだけでなく、逆に安心することもできないのです。

地震災害を恐れるのなら、この際一切の確率やメカニズムの話を度外視し、自分の居場所で大地震が起きる確率を「起きるか起きないか」、つまりフィフティフィフティとしておいてはいかがでしょうか。そして、起こりうる最悪の状況だけを詳細に知り、出来る限りの対策をする。実際、管理人はそういう考えです。それでもメカニズムなどを語るのは、マニアだからです(笑)


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2013年5月24日 (金)

ありがとう!40万PV

当ブログは、おかげさまで40万PVを突破いたしました。2012年1月12日のスタートから、1年ヶ月半ほどでここまで来られました。皆様のご愛読に感謝いたします。

40万PVを達成した時に御礼記事を書こうと考えていたのですが、ここ数日、米国の巨大竜巻に関係して、過去記事「竜巻から生き残れ」シリーズに膨大なアクセスをいただいておりまして、ちょっとオーバーしてしまいました。

本日午後6時時点で、カウンターに表示されているPC・スマホからの累計PV数が329472件、表示されていない携帯電話からの累計PVが75386件、合計が404858件となります。改めまして、ご愛読に感謝いたします。

今後も、さらに「本当に役に立つ防災情報」を追求して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

あと、できましたらブログトップと記事の末尾にある「ランキングタグ」をクリックしていただけると嬉しいのですが。記事内容にご満足いただけましたら、是非ともそちらもお願いいたします。


「生き残れ。Annex」管理人 てば拝


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【EDCグッズ04】管理人のEDC【3】

■EDCとはEvery Day Carryの頭文字。毎日持ち歩く装備を意味します。

今回は、管理人の「その他のEDC」を公開します。管理人は、普段あまりスーツを着ることがありません。そのためもあってベルトポーチを常用しており、その中に下画像のEDCグッズを収納しています。

それらをバッグの中に入れてしまっても良いのですが、バッグを持っていない時もありますし、非常時にはバッグを失う可能性もあります。そんな時でも、確実に身体と共にあって欲しい最低限のグッズとしてセレクトしたものです。
Mononov_bousai_012
まず、防水LEDライト。単3電池1本使用、照度26ルーメン、連続点灯8時間のもの。ストラップにはタイラップを巻いて、手首部分で絞れるようにしてあります。落下防止加工です。これは非常用としてだけでなく、例えば暗い場所で何か探す時など、結構使用機会があります。ライトを身につけてあれば、いかなる場所で停電になっても視界を確保できますから、その安心感は絶大です。

次に、レスキューホイッスル。もちろん、脱出不能の状態になった場合に自分の存在を知らせるものです。中には住所、氏名、血液型、緊急連絡先などを記したIDカードが入っています。ポケットに入れた財布を失うことはあっても、ベルトポーチの中にあれば失うことはありません。防水性能もありますので、落水しても大丈夫です。100円ショップで販売しているものですが、機能的にはこれで十分です。

次はターボライター。管理人は喫煙するので、そのためでもありますが、敢えて強い炎を噴射するターボライターにしています。これがあれば、強風や雨の中でも、燃えるものさえあれば確実に火を起こすことができます。

火が起こせれば、暖をとる、食物や水を加熱、殺菌する、狼煙(のろし)を上げて自分の位置を示したりするなどことができます。特に、山中で被災や遭難した時は、空からの捜索に対して狼煙が有効です。木立の中にいる人間を、空から視認することはとても困難ですが、狼煙を上げれば、条件が良ければ数十km離れた上空からも視認できるのです

狼煙には、火を大きくしてから生木や緑の木の葉を火に入れて白煙を上げたり、ゴムタイヤや大量のプラスチック、化学繊維類を燃やして黒煙を上げる方法があります。夜間ならば、大きな火を燃やすだけで最高の目印になります

非常用というと、ついキャンプ用品、サバイバル用品や軍用品に目が行ってしまいますが、普段の生活圏内で使うには、ターボライター程度で十分です。管理人は、実はこれを2個持ち歩いて、1個は(煙草用も含めた)バックアップ用としています。1個20gほどで、コンビニで売っているものならば1個150~300円程度ですから、負担になりません。喫煙しない方にも、ぜひお勧めしたいものです。

最後は、長さ12cmの小型バール。こんなものを持ち歩くことを勧めるのは、日本でも管理人だけでしょうね(笑)使用方法はいろいろあります。まず、建物に閉じこめられた場合に、脱出口を開くこと。石膏ボードや薄いコンクリート壁ならば、穴を空けることができますし、開かない窓ガラスを破壊することもできます。そのような場合は、タガネ代わりにして、石などの固いもので打ちつけると効果的です。

同様にして、乗用車のサイドウインドウくらいなら、簡単に破壊できます。また、レスキューハンマーが無い観光バスや列車に乗っている時でも、窓からの脱出口を開くことができるのです。観光バスや列車の窓ガラスは非常に頑丈ですが、何発も叩いてヒビを入れ、最後は蹴りを入れれば破壊できるでしょう。もちろん自分用だけでなく、外から車内の人を救出するためにも使えます。

その他にも、固い地面に穴を掘ったりするのにも使えますし、先端の薄い部分をドライバー代わりにすれば、プラス、マイナスネジを回せることもあります。

あと、これはあまりはっきりとは書きませんが、大災害下では人的な危険、つまり犯罪行為に遭遇することもあります。そんな場合の使い方は、皆様それぞれお考えください(笑)もっとも、そんな使い方は「最後の最後の手段」であり、決してお勧めするものではありません。基本は、危険から自ら遠ざかる、つまり逃げることです。


問題は、警察官の職務質問など受けた場合にバールだけ持っていたら、いわゆる「泥棒の七つ道具」のひとつと見なされる可能性が大きいことです。また、イベントやコンサートなどで荷物検査を受けた場合、危険物と見なされることもあるでしょう。そして言うまでも無く、航空機の客室内には持ち込めません。

航空機に乗る際には持参しないか、預かり荷物に入れるのは当然ですが、職質や荷物検査の場合は、バールは他のEDCグッズと一緒にしておき、持っている理由を堂々と説明してください。それでも任意提出や預かりとなる可能性が高いので、その時は仕方ありません。従いましょう。小型バールは、ホームセンターなどで1000円程度ですし。

そのような誤解を受けることが嫌ならば、バールについては持ち歩かないことをお勧めします。管理人としては、これは自分用というよりも、事故現場などに遭遇した場合の救助用として考えていますし、実際にはその場合が大半でしょうから。

余談ながら、今震災の被災地でも、ボランティアに対して警察官の職質が頻繁に行われ、アーミーナイフやツールナイフのようなものでも、ほとんど任意提出(事実上の没収)とされたそうで、「刀狩り」と呼ばれていたとのこと。

巨大災害下でも法律は当然ながら有効ですし、「得体の知れない人」が、たくさん被災地に入っていたからこその対策でもあるわけです。実際、ボランティアや、中には被災者を装った窃盗犯がかなりいたのも事実です。しかし、巨大災害下で支援活動するための、便利な道具としてのナイフを持ち歩くことも、「正当な理由」とは見なされないということは確かなようです。

そのようなことも知った上で、EDCグッズを選ぶ必要があるわけです。

なお、ベルトポーチがつけられない、スーツなどの服装の時にはどうするかというと、LEDライトだけは常時ズボンのポケットに入れておき、あとはポーチごとバッグに入れて持ち歩いています。


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2013年5月22日 (水)

結局、わからんのだろう【管理人ひとりごと 5/22】

米国で激甚災害が起きている時に、こういうネタは不謹慎との謗りを受けそうですが、あまりにも意味不明なニュースがあったので。以下、読売新聞から引用させていただきます。

(以下引用)----------------------------

【米国竜巻、威力は広島型原爆の8~600倍超】

【ニューヨーク=加藤賢治】AP通信は21日、オクラホマ州で20日に発生した竜巻が放出したエネルギーについて、複数の気象学者の解析に基づき、広島型原爆の8倍から600倍以上に達すると報じた。

米海洋大気局の研究員によると、この規模まで竜巻が発達するのは全体の1%未満だが、毎年約10個は発生するという。

(引用終了)----------------------------

最初は、普通と逆だけど800~600倍という意味かと思ったんです。でも、本文見ると違うんですね。

結局、何が言いたいのかわかりません。長時間継続する竜巻のエネルギーを、瞬間的に放出される核爆発のエネルギーと比較するのも意味があるとは思えませんけど、しかも複数の気象学者が解析したその結果が、「8倍から600倍以上」だと。

これ、つまり「計算できません」と言っているのと一緒ということですね。まだ発災直後で詳細な被害データが揃っていないから数値に幅があるというなら、そんな段階で解析する方がおかしい。というか、実は解析方法も確立してないのではないかと疑いたくなります。こんなレポートを教授や上司に提出したら、確実にやり直しでしょうに(笑)

しかもそれを、いくら専門家の解析だからといって報道するAP通信もなんですが、それをまたありがたがって報じる日本のメディアも意味不明です。今は「本場」からの竜巻ネタならば、なんでもアリなんでしょうか。

「あの社長の年収は、あなたの8倍から600倍以上だ」と言われても、「はあ、そうですか」としか言いようがありませんよね。意外に庶民的なのか、大富豪なのか判断のしようがない幅です。そんな数値出すなら、「計算困難だが、600倍以上になる可能性がある」と言ってくれた方が現実的というものです。


ところで、未だに巨大エネルギーのベンチマークとして使われる「広島型原爆」ですが、このエネルギーは一般に「20キロトン」とされています。これは、20トン×1000(=キロ)=20000トンという意味を表します。何が20000トンかというと、高性能火薬であるTNTです。

つまり広島型原爆は、高性能火薬20000トンが同時に爆発したのと同等のエネルギーを放出したという意味なのですが、実はこれは理論値です。あまり知られていませんが、実際にはそれほどの大きくは無かったです。

広島型原爆は、ウラン235の核分裂エネルギーを利用した爆弾で、「燃料」となるウラン235を25kg封入してありました。しかし、起爆技術の未熟さなどから、実際に核分裂の連鎖、つまり臨界に達したウラン235は、せいぜい5kg程度だったとされています。

それでもあの被害ですから、核爆発がいかに恐ろしいかということなのですが、もしウラン235の全量が臨界に達していたら、あの数倍どころでは無い破壊と汚染を引き起こしたということになります。

ちなみに、こちらの方が良く聞く「メガトン」ですが、これは100万トンのこと。冷戦以後の核爆弾は、一発でTNT100万トン分の威力が普通にあるわけです。そして、最近の核爆弾は「きれいに」燃えます。核物質を完全に反応させ、生成される放射性物質を少なくしていますが、それはすなわち、額面通りの威力があるということでもあります。全く、恐ろしい話ではあります。

すっかり話が逸れましたが、何かにつけて広島型原爆を引き合いに出すのが、なんとも米国らしいところではあります。でも、日本人がそれをそのまま受け入れて気にしないのもどうかと思いますが。政治的な意図はありませんけど、昔からとても気になっていることなので。

大した話じゃなくてすいません。


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【ニュース解説】米国オクラホマ州で巨大竜巻発生

米国南部のオクラホマ州ムーアの街を襲った巨大竜巻の被害は、日本時間で5月22日の朝になっても、いまだその全貌が掴めていないほどの規模になっています。

米国では、竜巻の規模を表すのに「改良藤田スケール」(Enhanced Fujita scale 記号EF)という基準を使います。これは、我がでも最近聞くようになった「藤田スケール」(記号F)の判定基準を、実態に即してさらに詳細に改良したものです。これはEF0(ゼロ)からEF5までの6段階ありますが、当初はEF4とされた今回の竜巻は、被害状況から最大級のEF5に訂正されたようです。

EF5クラスは、竜巻が年間1000個以上も発生する米国においてもその発生率は1%以下という、非常に珍しい規模の超巨大竜巻です。さらに、広大な米国中西部や南部では、それが人間の居住地域を襲う確率は、非常に小さいのです。

報道にある「風速90m」という規模だけで考えればEF3に該当しますが、今回の被害はEF3クラスをはるかに超えています。管理人も、当初は風速からEF3と考えたのですが、被害状況の映像、特に空撮映像を見て「EF4だ」と判断しました。しかし被害調査が進むにつれて、最大級のEF5となりました。竜巻の規模は、その物理的データだけでなく、被害状況も勘案されるのです。しかも、建物の破壊状況から、実際には風速100mを優に超えていたのではないかと、管理人は考えています。

今回の竜巻被害が巨大化した最大の理由は、その持続時間だと思われます。通常、竜巻は数分から十数分間程度で消滅することが多いのですが、今回はなんと45分間に渡って27kmをゆっくり移動したといいます。このため暴風に晒される時間が長くなり、短時間ならばある程度耐えられる建物も、文字通り根こそぎ吹き飛ばされてしまったと考えられます。

米国の竜巻多発地帯では、地下に竜巻シェルターを備えた建物も多いのですが、被災者のインタビューに、地上に設置された、シェルターの頑丈なドアまでが吹き飛ばされたというのもありました。これは管理人も初耳の事態です。

米国の竜巻被害では、2007年5月にカンザス州グリーンズバーグを襲った竜巻が有名です。これはEF5クラスの竜巻により、市街地の95%が壊滅するという未曾有の巨大災害でしたが、今回の竜巻はそれに匹敵するか、場合によっては超える可能性も出てきました。管理人の感覚でも、グリーンズバーグ竜巻の被害映像よりも、今回の被害映像の方が激甚に見えます。


翻って我が国では、過去の最大級の竜巻はEF3クラスでした。これは過去数回観測されていて、2012年5月6日に茨城県つくば市を襲った竜巻も、EF3クラスと考えられます。つくば市の竜巻では、頑丈な新しい家(米国の一般的な木造家屋よりずっと頑丈です)が根こそぎ浮き上がり、裏返しになって落下するという凄まじい被害もありました。それから考えると、EF4や5の竜巻の威力がいかに強大なものかかがわかります。

ところで、一般的な感覚では、我が国では最近竜巻が増えているように感じます。地球高温化による気候変化の問題とも絡めて、「高温化で竜巻が増えている」と決めてかかっている人も多いようですが、我が国でも米国でも、現在のところそのようなことはありません。

以前お話を伺った防災科学技術研究所技官の方も、メディアからの取材は「竜巻が増えている」という前提で専門家としての同意を求められることが多く、いくら否定しても信じてもらえない、否定すると記事自体がボツになる(笑)とぼやいておられました。(ちなみに、富士山噴火に関しても同じだそうで)

今朝のNHKニュースでも、「温暖化(高温化)で竜巻が増えている事実は無い」と強調していましたが、きっとあれは取材を受けた専門家の方が「必ず言ってくれ」と念押しされた結果だと思います。何故なら、このようなニュースがあると上記のような問い合わせや取材が急増するわけで、専門家はいちいち否定するのに辟易しているのです。

地球高温化→気象の極端化→竜巻多発→大被害という図式は、煽りのネタとしては実にわかりやすく、煽りメディア好みではありますが、いまのところ統計的にそのような事実はありませんから、くれぐれも無用な心配はされませんように。しかし発生していることは確かですから、竜巻に遭遇してしまったらどうするか、皆様それぞれが正しい知識を備え、正しい避難行動ができるようになっていただきたいと願っています。当ブログの過去記事「竜巻から生き残れ」シリーズもご参照ください。

なお、過去記事では「地球高温化によって気象の極端化が進み、竜巻のような気象災害が増える段階に入った」というような、竜巻が増えているようなニュアンスに取れる部分もありますが、当時の管理人の認識不足による誤解もありますので、その部分は訂正させていただきます。少なくとも現在は、竜巻は増加していません。

管理人が思うに、最近竜巻が増えたように感じるのは、携帯映像機器の発達によって「決定的映像」が撮られることが増え、それがメディアに乗るケースも増えたことと、昨年のつくば市の竜巻で、事実上初めて首都圏の市街地に大被害が出て、それが詳細に報道されたことなどによる効果ではないかと。

実際、それまでは専門家と管理人も含めた一部マニア(笑)しか知らなかった「スーパーセル」や「漏斗雲」などの用語が、普通にメディア上で見聞されるようになったので、「時代は変わったものだ」という感を強くしています。

そうなると、そんな「知識」を好き勝手に解釈して、やたらと「怖い話」に仕立てる手合いが増えるのも世の常ではありますが、怖がるのが趣味(笑)ならばともかく、「生き残る」ためには、そんな話は百害あって一利なしです。
つい「怖い話」に惹かれてしまう、大災害に対するそんな不安を、正しい知識を得て、正しい行動をするためのエネルギーに転化していただきたい。そして「自分の力で生き残る」ための力を身につけていただきたい。管理人は、そう強く願っています。

■関連過去記事
【緊急特集】竜巻から生き残れ【1】はこちらから
※「竜巻から生き残れ」は、【1】~【5】の五部構成です。途中に他の記事が挟まりますが、【1】から続けてご覧ください。

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2013年5月21日 (火)

【EDCグッズ03】管理人のEDC【2】

■EDCとはEvery Day Carryの頭文字で、当ブログでは「毎日持ち歩くべき防災グッズ」を意味します。


今回は、管理人が毎日持ち歩いているEDCグッズの中身を公開します。基本的には、過去記事「普段持ち歩く防災グッズ」シリーズで紹介したものです。文末に過去記事をリンクしますので、併せてご覧ください。

前回記事で紹介したバッグの中に、下画像のものが常時収納されています。このうち最も重いのが、【EDC01】の記事で紹介した315gのバッテリーですが、それが無ければ700g弱の重量です。

なお、下画像で全部では無いのですが、とりあえずバッグの中のものから。その他はまた別に紹介します。
Mononov_bousai_009
管理人が提唱する「EDCの6+1要素」に沿って解説します。

■水分:浄水ストロー「mizuーQ」とセットの浄水薬品を、フリーザーバッグに収納。スペースに余裕がある時は、中空糸膜浄水器「スーパーデリオス」に変えることもあります。緊急時に正しく使うために、取り扱い説明書も一緒です。これらがあれば、雨水や川の水でも安全に飲むことができます。

■カロリー:「カロリーメイト」90gで400kcalを補給できます。外出時間によっては、複数にすることもあります。

■視界:単3電池二本仕様、照度80ルーメンの防水LEDライト。ほとんどの状況で必要十分な明るさを確保できます。ストラップには、落下防止の加工がしてあります(過去記事をご参照ください)なお、EDC用ライトについては、別記事をアップします。

■防水・防寒:薄手の軽量ビニールカッパとアルミレスキューシート。カッパは、ゲリラ豪雨対策としても必須です。なお、画像には無いのですが、バッグの底にクッション代わりに白タオルを1本入れてあります。帽子、マフラー、汗拭き、包帯代わりなど幅広く使えます。

■安全・衛生:マスク3枚、抗ウイルスマスク2枚、ウエットティッシュの携帯パック、ポケットティッシュ、血液や吐しゃ物などによる感染・汚染防止用ラテックス手袋3組、バンドエイド10枚を、フリーザーバッグに収納。バンドエイドは、長距離歩行時のマメ防止用にも使います。加えて、作業用手袋。これは防寒にもある程度効果があります。

■情報:単4電池1本仕様の小型AM・FMイヤホンラジオ。以前は単3電池1本仕様のスピーカー付きラジオでしたが、携帯ワープロ用の単4電池も持ち歩くので、より軽量(約50g)のラジオに変更しました。予備電池は前述のリチウムポリマー電池と、最低でも単3電池2本、単4電池4本で、状況によって増やします。携帯電話、ほぼEDCのタブレットPC、LEDライト用の電源です。

■救護:「安全・衛生」セットの中に、人口呼吸用フェイスマスクを入れてあります。もちろん、救命救急のための訓練を受けていることが前提です。ラテックス手袋も主に救護用です。実際には災害よりも、交通事故現場などにに遭遇した時に使うことが多くなるでしょう。

さらに、これも画像には無いのですが、空の中型フリーザーバッグ(A4サイズくらい)を3枚ほどバッグに入れてあります。これは、バッグの防水が難しい時に、タブレットPCや携帯ワープロなどの電子機器や、書籍、書類を入れて水濡れから守るためです。


これだけのものを、常時バッグに入れて持ち歩いていますが、これらはすべて前記事のバッグのサブポケットに収まりますから、重量の問題を除けば、EDCグッズが本来必要なものの運搬に影響することはありません。

余談ながら、これにタブレットPC、携帯ワープロ、デジタルカメラ、書籍類などを入れた管理人のバッグは、4kg以上の重さになってしまうのですが(笑)

それから、前記事では触れなかったのですが、バッグにはレスキューホイッスルがマスコット代わりにぶら下げてあります。

次回は、その他の管理人EDCグッズを紹介します。


■2016年5月16日追記■

現在は、ラジオの代わりにFMラジオ付きの携帯音楽プレーヤーをEDCして、よりコンパクトになりました。理想的にはAMも欲しいのですが、都市部においてはFMのみでも実情上問題無いとの判断からです。

旅行に行く時などは、AM・FMラジオを装備します。

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【EDCグッズ02】管理人のEDC【1】

まず最初に、バッグから紹介しましょう。
Mononov_bousai_006
このバッグは、EDCグッズを収納、運搬するための機能を重視して選びました。ポイントはまず、頑丈であること。米軍装備品規格に準拠した、非常に頑丈な厚手のコーデュラナイロン製で、中の仕切がノートパソコン収納対応のソフトパッドになっていますから、バッグ単体でも、落下物などから身体を防護するためには理想的なものです。そして、かなりの対刃強度を発揮します。切り付けに対しては十分な盾になり、刺突に対しても、相当強く突かなければ貫通しないでしょう。中にものが入っていたら、対刃性能はさらにアップします。

材質は化学繊維のナイロン製ですが、十分な厚みと難燃加工のおかげで、火災などの熱にも、かなりの時間耐えることができます。米軍兵士の装備品と同等ということが、その耐久力の証明です。

内部にはサブポケットが多く、たくさんの小物を整理して収納することができます。最大の特徴は、本格的なリュックに変形すること。ショルダーハーネスがついたバッグはは珍しくないのですが、このバッグはご覧の通りの本格的なハーネスが格納されており、長時間背負っても快適です。これはもちろん、両手を空けておきたい緊急避難時や帰宅困難時にその効果を発揮します。
Mononov_bousai_008
豪雨に遭遇した時にもリュックして背負い、上からポンチョをかぶることで、荷物が濡れるのを防ぐことも容易です。

さらに、格納された状態のショルダーハーネスがクラッシュパッドの働きをしますし、その格納部がさらに小物の収納に使えるというメリットもありますから、EDCグッズ運搬用としても理想的なものです。

細かいことですが、本体正面上部についたベルトは、米軍装備品のMOLLE規格に準拠したもので、同規格のポーチなどを装着することができます。この規格は西側各国の軍隊に広く採用されており、多様な機能の用品が入手できますから、必要に応じて様々なアレンジが可能になります。管理人は、画像のように単純にペンホルダーとして使っていますが、これが実に便利ではあります。

問題は、デザイン的に好みが分かれることでしょうか。男性用としては、ビジネス用としても許容範囲だと重いますが、こと女性用としては、大きさも含めて一般的ではありませんね。ですから、これはEDC用としての機能を追求したひとつの例としてご覧ください。

なお、このバッグは米国J-TECH(ジェイテック)社製で、購入価格は9800円でした。それなりの価格ですが、その機能と耐久性を考えれば、手頃なレベルかと思います。

次回からは、それぞれの装備品について紹介します。


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2013年5月19日 (日)

【石巻で震度5強】地震関連情報【5/19】

昨日5月18日、午後2時48分頃、福島県沖の深さ46kmを震源とするマグニチュード6.0の地震が発生し、宮城県石巻市で最大震度5強を記録しました。

気象庁の発表によると、この地震は「西北西-東南東に圧力軸を持つ逆断層型地震」とのことです。つまり、太平洋方向からの西向きの圧縮力によって発生した「スラブ内地震」です。

震央の位置を、下図に赤色の×印で示しました。
Jishinn
上図のピンク色(宮城県沿岸)と黄色(福島県沿岸)の震源域では、震災一年後くらいから、深さ40~60kmを中心とした逆断層型のスラブ内地震が多発しはじめました。

これは、東日本大震災後の地殻変動によって、陸側のプレート(ユーラシアプレート)の下に潜り込む、太平洋プレートの西向きの動きが加速した結果、太平洋プレート内部の岩盤(スラブ)にかかる圧縮力が増大したために起きている地震です。その発生はその後ずっと続いていますが、ここ2~3ヶ月の間、特に宮城沖での発生が増える傾向にありました。

これらの震源域では、小規模地震が多発するうちに、2~3ヶ月に一回の割合で震度4~5弱クラスが発生し、半年に一回程度の割合で、震度5強クラスが発生するような状況が続いています。同タイプの「スラブ内地震」では、今のところ震度6クラスに達するような規模での発生はありませんが、地震回数自体は若干増える傾向にありますので、この先、過去のパターンとは異なる地震の発生があるかもしれません。

気になるのは、マグニチュード6.0というかなり大きな地震が起きたにも関わらず、本稿を書いている19日の午前2時30分現在、余震が一回も発生していないことです。しばらくは、推移に注目したいと思います。


別に、最近は岩手県沿岸から沖にかけての地震も、若干増える傾向にあります。その辺りでは、震源深さ10km程度の浅い地震と、深さ40~60km程度のスラブ内地震という、二種類の地震が発生しています。岩手から青森沖、さらには北海道の太平洋沿岸付近は、東日本大震災震源域の北側に隣接するために、震災の影響を強く受けていると指摘されている震源域ですので、こちらも今後の推移に注意したいと思います。

なお、震災震源域の南側に当たる茨城県南部から千葉県沖にかけては、今の所特に目立った動きはありませんが、千葉県北東沖震源域(上図の青色部分)での小規模地震は続いていますし、そのさらに沖側には、約350年前にマグニチュード8クラスが起き、その後沈黙している震源域がありますので、安易な予断は全く許されない状況です。

その他の場所においても、今の日本列島では「いつどこでなにが起きてもおかしくない」という状況であることを、常に意識していなければならない状況なのです。

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2013年5月18日 (土)

【ニュース解説】787型機運行再開

今年1月に、搭載バッテリーの焼損事故が連続して発生し、その後長らく飛行停止となっていたANAとJALのボーイング787型機が、いよいよ6月1日から通常運行を再開します。

当ブログでは、ANAの787型機でバッテリー焼損事故が発生した翌日(1/17)の記事で、この事故はバッテリーの個体不良ではなく、787型機で新たに採用されたシステムに問題が潜んでいる可能性が高く、原因の発見と対策には、かなり長い時間が必要だと予想しました。
■過去記事 【ニュース解説】787の問題とは@ヲタ目線 はこちらから
結果的に、想像していた以上の長期間に渡って飛行停止が続きましたが、この間にわかったことは、やはりバッテリー単体の問題では無いということのみで、根本的な原因はわからずじまいです。考えられるあらゆる再現実験をやってみても、事故機の症状は一度も再現されなかったのです。

この間に行われた対策は、発熱・焼損の主原因がわからないために、主に搭載バッテリーへの「対症療法」です。具体的には、バッテリー内のセル間にあるシールド(遮蔽板)を強化してセル同士がショートしづらくし、さらに仮にひとつのセルが発熱しても他のセルに影響が及びづらくしたことと、バッテリー全体を頑丈な金属製ケースに納め、万一バッテリーが焼損した場合でも、周囲の機体構造やシステムへの影響が最小限になるようにしたことです。

これらの対策により、同様なバッテリー発熱事故は「100万飛行時間に1回以下」という安全係数が確保できたとして、運行再開が許可されました。文字通り「万一」の確率となったと判断されたわけです。

この「100万飛行時間」というのは、存在する同型機すべての飛行時間を積算した数字が分母となります。仮に同型機が100機あるとして、全部が同じ時間だけ飛行するとしたら、すべての機体が1万時間飛ぶうちに、いずれかの機体で1回起こる「かもしれない」、という確率です。

これは、自動車が同じ時間走るうちに事故を起こす確率よりはるかに小さいもので、航空機のトラブルに関する確率としては、十分に許容範囲ということです。例えば、エンジン単体が故障する確率は、これよりずっと高いのです。でも、エンジンが一基だけの航空機も、普通に飛んでいます。しかし、航空機は「空を飛んでいる」からこそ、確率だけで語るには心理的な不安もありますね。

注意すべきは、発生する「かもしれない」のはバッテリーの発熱事故であり、それが焼損にまで発展したり、飛行の継続を脅かすような事態になる確率は、さらに小さいということです。ですから、787型機の運行再開という判断は、数値的には合理的なものです。


では、ユーザーとしてはどうするか。以下は航空機ヲタでもある管理人の、個人的意見としてご理解ください。

管理人としては、さし当たって航空機に乗る機会はあまりありませんが、もし787型機しか飛んでいない路線に乗らなければならないとしたら、迷わず乗ります。しかし、他の機体が選べるとしたら、しばらくはそうすることになると思います。

但し、これは他の機体の方が確実に安全ということではありません。他の理由によってトラブル発生率が高い機体もありますし、古い個体だったり、運用する国や会社によっては、トラブルの確率が高くなることもあります。ですから、これは主に心理的な理由が大きいのです。その次に、通常運行の中でトラブルが再発しないかの「様子見」という感じです。

でも、もしこれが、例えばエンジン発火などの可能性だったら、これほど気にしないでしょう。双発以上の機体だったら、エンジン一基の故障では、まず致命的な事態にならないからです。

ただ、過去多くの航空事故例を見るにつけ、貨物も含めた機内火災では、致命的な事態に発展した例が多いのです。もちろん、事故のたびに様々な対策が施され、安全性は大きく向上していることも知っていますが、やはり心理的な部分が大きいですね。ある意味で「知りすぎた故の」不安かもしれません(笑)

繰り返しますが、これはあくまで管理人の個人的な意見です。バッテリー焼損の主原因がわかっていないことを除けは、787型機は最新の安全装備を備えた、すばらしく快適な機体であることは間違いありません。


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2013年5月15日 (水)

【EDCグッズ01】バッテリー進化論

近年では技術の進歩は実に早いもので、あっと言う間に世代変わりしてしまうものも少なくありません。当ブログがスタートした2012年はじめには、スマホの普及率は2~3割といったところでしたが、現在は6割を超えているとか。

管理人はいまだに、いくつかの理由からいわゆるガラケーに固執しておりますが、世の中のトレンドはすっかりスマホですね。そこで、毎日持ち歩く防災EDC(Every Day Carry)グッズも変わりつつあります。

かつて、携帯電話用の非常用予備電源としては、乾電池式や手回し充電器が主流でした。しかし、消費電力の大きなスマホには、それでは役不足です。しばらくの間は実用レベルの予備電源は存在しなかったのですが、最近は実用的な外付け電池が安価に入手できるようになりましたので、ガラケー派の管理人も使っています。

現在、管理人が使っているのが、下写真のふたつ。
Sany0044
Sany0045
上が容量10000mAhのリチウムイオン電池、下が20000mAhのリチウムポリマー(リポ)電池です。これらを、ガラケーとタブレットPC用の予備電源としてEDCグッズに加え、外出時間などの状況によって使い分けています。

mAh(ミリアンペア時)は電池の容量を表す単位で、燃料タンクの容量と同じと考えて良いでしょう。iphone4の内蔵電池容量は1420mAh、アンドロイドスマホは1500mAhとのことですので、10000mAhあれば、数値上はフル充電分6~7回も使用できる容量です。

こんな大容量電池が、主にネット通販では10000mAhで2500~3000円程度、20000mAhでも3500~4000円程度で入手できますから、使わない手はありません。充電出力は5V、1Aあり、ガラケーなど15分以下でフル充電できてしまいますし、大抵はタブレットPCや携帯ゲーム機用のなど変換コネクターも付属していますから、汎用性も高いものです。

これだけの容量があれば、スマホでも節約すれば数日~一週間程度は保たすことができますから、かなりの規模の災害時でも、当面は通信手段を確保することができるでしょう。

但し、特にタブレットPCなど消費電力が大きな機器に使用した場合や、連続使用した場合には、公称通りの容量がフルに使えないこともあります。それでも公称の三分の二程度は大抵使えますから、そこは走行条件によって変動する、車の燃費のようなものだと考えるべきでしょう。


このように性能は十分なのですが、捨ておけない問題は、その重量。管理人保有のものは、10000mAhで237g、20000mAhになると315gと、それなりの重量があり、管理人のEDCグッズの中では、単体で一番重いものでもあります。

もちろん、容量の小さな予備電池ならばずっと軽量のものもありますが、管理人としては、この大容量の安心感と引き替えならば、300g超もアリだなという感覚です。その辺りは、皆様の体力や運搬方法と相談しつつ、ベストのEDCグッズをセレクトしていただきたいと思います。例えば、手持ちのバッグならば100gの差はかなり感じますが、リュックでしたらそれほど気になりません。また、EDCでなくても、例えば勤務先などに備えておいたり、車の中にシガーライター電源のUSB変換コネクタと一緒に備えておくという方法もあります。


注意点ですが、製品によっては5V、2Aの充電出力、つまり二倍の出力電流を選択できるものがあり、そちらを使えば、ほぼ半分の時間で充電が完了します。しかし、急速充電はスマホなどの内蔵バッテリーに負担をかけ、結果的に寿命を縮めてしまいますので、普段は1Aで使うことをお勧めします。

また、ガラケーの場合、通常の充電電圧は3.7Vですので、5Vかけるとやはり負担が大きいと思われ、内蔵電池には決して良くはありません。でも、10000mAhあれば容量800mAh程度の内蔵電池のフル充電12回分も使え、しかも乾電池式充電器の半分以下の時間で充電が完了するのはかなり魅力的ではありますから、管理人としては目をつぶっています。

つまり、このような電圧5Vの電池は、最初から3.7Vのガラケーに完全適合したものではありません。ガラケーは、文字通りさらにガラパゴス化が進んでいるのです(笑)

まあ、ガラケーにもとりあえず使えますよというくらいなものですから(決して推奨はされないのです)、製品によってはガラケー用充電コネクタが付属していないものもあります。その場合は、コンビニなどで売っている乾電池式充電器のうち、本体とコードがUSBコネクタで接続されているものを購入し、コードだけ外して転用するという方法があります。

それから、最後にとても大切な話。このような電池をコンセントから充電する場合、容量の合った専用の充電器を使ってください。パソコンからのUSB充電なら問題無いのですが、指定以上の大電流で充電した場合、特にリチウムポリマー(リポ)電池の場合、発火・爆発の恐れがあります。

また、充電が完了した後、充電状態のまま何日も放置するようなことも危険です。一応、過充電を防ぐ保護回路が入っているはずですが、個体差が無いとは言えませんので、充電が完了したら、すぐに充電器から外すことをお勧めします。

同じ理由で、管理人は留守中に充電状態で放置することは絶対にしません。あくまでこれは「念のため」なのですが、防災の基本である「予防安全」を徹底すべきです。防災グッズで家を焼いてしまったらシャレになりませんから(笑)

■2016年5月15日追記■
この記事の執筆当時、管理人はガラケーユーザーでしたが、今ではスマホユーザーになりました。モバイルバッテリーも、10000mAhクラスが2000円くらいで入手できるようになっており、より手軽になりました。

管理人はスマホ導入時、5000mAhのモバイルバッテリーを購入し、EDC用としています。

それでも、AC電源が無くても使える燃料電池などの登場までは、停電時のスマホ用として根本的な解決策がありません。

とりあえずは、モバイルバッテリーを手回し式充電器で充電するというのが、最も現実的な方法かもしれません。ソーラー式も併用すればなお良いのですが、2000mAhくらいのバッテリーをフル充電するのに、夏の快晴時で10時間以上かかるなど、メイン装備とするには効率に問題があります。

これも、いずれ解決される日が来るのかもしれませんね。


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2013年5月13日 (月)

【ニュース解説】公立校の吊り天井撤去も

当ブログでは、以前から吊り天井構造の危険を指摘してきましたが、こんなニュースが飛び込んで来ました。産経ニュースから引用させていただきます。

(以下引用)------------------------

【公立校のつり天井、耐震強化 文科省、撤去含め対策通知へ】

文部科学省は12日、公立学校の体育館や武道場のつり天井などが地震で落下しないよう耐震性を強化し、安全が確保できない場合は撤去も含めた対応を取るよう、月内にも各自治体へ通知する方針を明らかにした。同省は天井や照明器具など建物本体以外の耐震化を平成27年度までに完了させることを目指しており、取り組みを加速させる。

 東日本大震災で天井落下などの被害が相次いだため、同省の有識者会議が自治体の参考となる「対策の手引」案を3月に取りまとめた。

 文科省によると、全国の公立小中学校約3万校のうち、天井などの耐震化を実施済みなのは昨年4月現在で32・0%。建物本体の耐震化率84・8%と比べ大幅に遅れている。つり天井は、高校も含めた公立学校の体育館など約4万5500棟のうち約8700棟に設置されている。

(引用終了)-----------------------

やっと行政が具体的な対策に動き出したようです。以前から、国交省による吊り天井の耐震化についての指導は行われていましたが、ここへ来て文科省もついに動いたということです。学校には、ニュースのように吊り天井がたくさん設置されています。子供の安全のために、早急な実施が望まれます。子供だけでなく、学校の体育館などは、地域住民の避難場所にもなるわけですから。


今回の通達のように、十分な耐震化ができないのなら撤去せよという内容が、吊り天井の大きな危険性を示しているといえます。東日本大震災の際には、全国で2000以上の施設で吊り天井が落下し、そのために77人が死傷したことが、後の調査で明らかになっていますし、それ以前の地震ではも、震度5強~6弱クラスになると、建物本体に損傷が無くても、吊り天井が落ちる事例が多発しています。

つまり、頑丈な建物の中にも存在する「獅子身中の虫」のようなもので、建物の耐震性が高いから気を抜いていると、頭上から突然一撃を食らう可能性があります。特に、劇場、体育館、ホール、空港や駅のコンコースなど、柱が無いか少なく、天井が高い場所の危険性が大きくなります。その中で、特に危険性が高いと管理人が考えるのが、映画館や劇場など、音響を意識した施設です。

通常、吊り天井の天井板は石膏ボードなど軽量のものが多いのですが、映画館や劇場などでは、吸音材のついた重い天井板や、木材のチップをセメントで固めた吸音性のある天井板が使われていることがあります。これらは石膏ボードよりはるかに重量があって頑丈なので、直撃を受けた場合のダメージが非常に大きくなります。

その場合の、管理人が考える対策については、過去記事をご覧ください。
関連記事を、文末にリンクします。


一般的な石膏ボードの場合、重量があまり無いことと、かなりもろい材質のため、人体に直撃しても、すぐに致命傷になる可能性は比較的小さいのです。ただ、頭部や頚部を直撃すると、致命傷となる可能性が高いので、吊り天井の下で逃げ場を失ったら、とにかく頭と首を守ることが絶対です。バッグなどあればそれを使い、何も無ければ両腕で頭を覆うだけでも、直撃から生き残るためには絶大な効果があります。多くの場合、天井材を吊る金具(ハンガー)も一緒に落ちて来ますので、その頭部などへの直撃を避けるためにも、すぐに防護姿勢を取らなければなりません。

吊り天井は、広い範囲が連鎖的に、数秒の間に一気に落下して来ますし、天井材全部が落ちたような例も少なくありませんから、一旦落ち始めたら、その下から逃げる時間も場所も無いことがあるのです。ですから、とにかく頭と首を守る、それは絶対に意識してください。頭と首がしっかり守れていれば、仮に天井材の下敷きになって負傷しても、生命に関わる事態になることは、かなり少なくなるはずです。

吊り天井が大規模に採用されていて、耐震化工事が未了の場所では事実上、震度5強以上の揺れで、高い確率で天井が落ちると考えなければなりません。あなたが普段良く行く場所に、吊り天井はありませんか?

オフィス、学校、デパート、スーパー、病院、映画館、多目的ホール、大きな駅、空港など、どこにでもあります。普段からその存在を意識していることが、「その時」のあなたの行動を変えるのです。

公立学校のでの対策が通達されたとはいえ、実際の作業が終わるまでには、これから数年かかります。学校の体育館などで地震に遭遇した場合はどうするか。学校からの指導もあるでしょうが、家庭でもお子さんと話し合っておくことも大切かと思います。

《関連記事リンク》
■【十勝中部地震】やはり落ちた吊り天井 はこちらから
■首都圏直下型地震を生き残れ!【8】☆買い物編 はこちらから
■首都圏直下型地震を生き残れ!【10】☆買い物編 はこちらから
■首都圏直下型地震を生き残れ!【11】☆ライブ編 はこちらから
■吊り天井はやっぱり危険! はこちらから

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2013年5月10日 (金)

こんな方法が!本棚の地震対策【予告】

今回は記事の予告です。

管理人は、「家の中の地震対策」について、ずっとひとつの悩みがありました。それは、本棚の対策。本棚が地震で転倒しないようにすることは、一般的な家具と一緒で比較的容易なのですが、中の本が落ちないようにするための、効果的な方法が見つからずにいたのです。

専用の器具は市販されていますが、かなり高価なもので、大きな本棚ひとつに装備するだけで数万円になってしまい、一般的とは言えません。苦肉の策として、本棚の前面にゴムバンドなどを張る方法を提示しましたが、装着のためには本棚に傷がつく、本の出し入れに不便、美観的によろしくないなど問題だらけでした。

そこへ、朗報がもたらされました。当ブログをご愛読いただいている医師の方から、ご自分で実践されている方法を教えていただけたのです。その方法は、ある意味で「コロンブスの卵」的な発想に基づくものでした。

それを伺った管理人は、早速いろいろテストを始めました。その結果、伺った方法に加えて、いくつかの方法を組み合わせることで、より高い効果があることがわかって来ました。

現在、さらに高い効果を上げるためにテスト中なのですが、この方法の最大の魅力は、ホームセンターなどで売っている、とても安価な資材を使うことです。大きな本棚でも、せいぜい数百円で基本的な対策ができ、2000円もかければさらに効果がアップします。しかも、本棚に穴を開けたりする必要もなく、外観もほとんど変わらないのです。

問題点があるとすれば、本を物理的に押さえるのでは無いために、「絶対に落ちない」というものでは無いこと、本の重量や形状によって、効果が変わって来るということでしょうか。でも、ハードカバーの単行本や学術書などには絶大な効果を発揮しますし、それ以上の大型本でも、相当な効果が見込めます。

そんなわけで、近いうちにその方法を、カテゴリ【地震・津波対策】内の過去記事「家の中の地震対策」特別編として公開いたします。その効果を実感していただくために、実験動画も一緒にお送りしたいと考えております。

「なんだこんなもんでいいんだ」と思うほどの、安価で簡単な方法なんですよ。ご期待ください。


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2013年5月 9日 (木)

【ニュース解説】富士山の「地割れ」?

ちょっと前の話になりますが。4月10日でしたか、富士山麓を走る滝沢林道で、長さ300mほどの「地割れ」が発見されたということで、例によって噴火が近いだの何だのと騒ぎになりました。

管理人は、面倒だから(笑)敢えてそれには触れなかったのですが、最近でもまだいろいろ言われているようなので、解説したいと思います。

まず、当時のテレビニュース画像をお借りしました。キャプションに注目してください。
Photo
富士山で「地割れ」が見つかったと。

それをアップで見ると、こんな感じです。
Photo_2

これに対し、山梨県の担当部門は、「流水によって舗装の下の土砂が流されたことが原因か」とコメントしています。この「原因か」という言い方がまた問題で、なんで断言しないのだろうと。

ネット上でも、「ある特定の人々」は、すぐにその原因を指摘し、ブログなどに書いているのを見かけます。実は、管理人もかつては「ある特定の人々」のひとりでした。それは、オフロードライダー。バイクで山の中を走り回る人種です。ちなみに、滝沢林道は、舗装前はオフロードライダーの「聖地」のひとつでした。


そんな管理人に言わせれば、まずあれは「地割れ」ではない。陥没です。メディアもわかっていながら、敢えて「地割れ」と煽ったフシがありますね。発生の理由は、山梨県の発表の通り。雪解け水や雨水が林道に集中して土砂をえぐり取り、アスファルトが陥没したのです。この冬は雪が多かったせいで、流水も激しかったのでしょう。

あのような路面状態は、林道を走るライダーにとっては日常的に見るものです。未舗装路の場合、路面に沿ったまさにクレバスのような深い溝が突然現れるわけで、それは水流が強い急斜面ほど狭く、深くなります。バイクでそんなのにハマったらスタックするか転倒するかのどちらかですから、だれもが強く意識しています。

強いて言えば、舗装の下をあれほどえぐるのは比較的珍しいという事は言えますが、わかる人にはひと目で「水でえぐられた」とわかります。溝があまり深くなく、幅もかなり広いということから、しぶきを上げて流れ下るような、強烈な水流ではなかったということも見えてきます。

あれがもし地割れならば、場所を選ばずに山腹が裂けるはずですが、なぜ林道に集中しているか。それは、樹木が伐採されて水が流れやすい場所に、流水が集中するからです。これは富士山に限らず、どこの山でも一緒です。

さらに、もし地割れならば、前述のように林道以外にも発生しますし、アスファルトは平らなまま引き裂かれます。でも画像の通り、アスファルトが断面に巻きつくように落ち込んでいますよね。あれは、下の地面が少しずつ削られ、だんだん陥没して行った証拠です。

さらに言えば、削られた溝の底が平らな部分が多く、良く見ると大きめの石が集まっています。これも水が流れた何よりの証拠。地割れではあんな風にはなりません。などと言うと、火山活動による地割れに水が流れ込んだのかもと言われそうですが、林道だけに集中しているという時点で、その可能性はありません。

林道の通過ルートはあくまで人間の都合であり、自然の条件など関係ないのですが、そこに沿って陥没が発生しているということが、地割れでは無い最大の証明でもあります。あれは、流水による侵食以外の何ものでもありません。


たまたま、陥没現場の近くで低周波地震が集中しているという事実があったため、この話はさらに尾ひれがつきました。低周波地震は地下のマグマの動きを示しているわけですが、少なくとも陥没とは全く無関係ですし、噴火に繋がるような危険な兆候は、現在のところ皆無です。

なんだか「富士山の温度上昇との関連」がどうのとか言っているサイトもありましたが、恐らく「温度上昇」→「雪解け水増加」→「侵食」という理屈なのでしょう。ならば、他の場所でも起こるはずです。今回、滝沢林道の300m区間に集中したのは、そこが地形的に流水が集中しやすかったからということでしょう。山体全部の温度が本当に上がり、雪解け水が異常に増えているのなら、あんなもので済むわけが無い。富士山なめんなという話です(笑)

とにかく、今回は現場が「話題の」富士山であったこと、アスファルトが大きく陥没するという、ビジュアル的にインパクトがあったことなどからニュースになりましたけど、あんなもの、どこの山でも普通に起きていますよ。というわけで、富士山噴火とは全く無関係ということです。

ただし、富士山は「活火山」です。この先、噴火が起きないとはだれにも断言できません。だからこそ、正しい知識を持って、正しく判断しなければなりません。もうそろそろ、根拠の無い理屈や思い込みで大騒ぎするのはヤメにしませんか?とは言っても、不安を上手にアオる手合いも多いんですよね。せっかく世界遺産になるのに(笑)


最後に私事ながら、管理人がどれだけ「オフロードな人」だったかということを少し。若い頃は、北海道の日高2デイズエンデューロ(当時)に参戦してました。と言えば、わかる方にはおわかりいただけるかと。


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EDCという考え方

当ブログの過去記事で、飛びぬけて多くの閲覧数をいただいているのは、「普段持ち歩く防災グッズ」シリーズです。極論すれば、管理人としてはあのシリーズを書きたかったからこのブログを始めたようなものでもありますから、多くのご支持をいただいて大変嬉しく思っております。

その他の記事は、自分で言うのもなんですが、他にもある情報をさらに掘り下げ、普通とは違う視点から見ているだけのようなものです。でもあのシリーズだけは、完全オリジナルだと思っております。

その中で、管理人は普段持ち歩く防災グッズに要求される6+1要素を提唱しました。それは
■水分
■カロリー
■視界
■防水・防寒
■安全・衛生
■情報
と、それに加えて
■救護
というものです。これらの要素をバランス良くミックスすることで、なるべく多くの状況に対応できる態勢を組むことを提唱しているわけです。

近々、管理人が実際に持ち歩いている装備と方法を公開したいと思いますが、実はどなたにもお勧めできるものではありません。上記すべての要素を網羅したグッズの重量は、1kgを超えるのです。

そこで、これから提唱したい考え方が、EDCというもの。何も難しい話ではなく、Every Day Carryの頭文字です。つまり、毎日持ち歩くという意味です。ただ、この場合は「できれば持ち歩く」ではなく、「持ち歩かなければならない」というニュアンスで考えます。

実は、米国の警察官、特にアンダーカバー(私服警官)の装備をEDCギアと呼んだりします。私服警官の最低限の必須装備は、バッジ(警察手帳)、ハンドガン、手錠という感じですが、それをいかにコンパクトにまとめ、目立たないように持ち歩くかは、大きなテーマなわけです。

私服警官でも、可能であれば制服警官のように警棒や防弾ベストなども着用したいわけですが、私服では多くの場合で難しく、それでいて「実戦」で十分な働きをするだけの装備が無ければならないわけですから、そのセレクションや運搬方法にはいろいろ工夫があります。そこで管理人は、そんなEDCギアの考え方を防災グッズに応用したいと考えているわけです。もちろん、私服警官のように秘匿性は必要無いのですが、軽量・コンパクトにまとめるという部分で共通します。

要は、最低限何が必要か、それをどうやって、いかに「楽に」持ち歩くかということで、その効果と携帯性のバランスが最も重視されます。まずは、ほぼ「フル装備」の管理人の装備を見ていただいてから、大災害時に遭遇する状況を考えながら、できるだけコンパクトな防災EDCギアを考えて行きたいと思います。

このシリーズは、これからカテゴリ【防災用備品】の中で、「EDCギア」シリーズとして展開して行きますので、皆様のEDCギアを選択する際に、参考になさってみてください。


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2013年5月 7日 (火)

更新を再開します

ご無沙汰いたしました。当ブログスタート以来初の長期休暇(笑)をいただきました。本日から更新を再開します。

GWは、皆様どんな風に過ごされたでしょうか。もちろんGWなんか関係無い、むしろ書き入れ時という方も多かったかと思います。お仕事お疲れさまです。

管理人は、東京、神奈川、静岡、愛知、岐阜、富山、新潟、長野、群馬、埼玉と一都十県を繋いで、約1300km程、車で移動していました。その間、どこかで大きめの地震が起きることもなく、ほぼ平穏なGWでしたね。

前記事で書いた、千葉県北西部の地震も幸いにして連続することはありませんでしたが、その後も、5月5日に茨城県南部で震度1が一回起きた他は、関東南部の各震源域はずっと静かです。でも、このままずっと静かとも思えませんので、引き続き状況に注視して行きたいと思います。

一方で、敢えて今まで触れなかったのですが、群馬県南部、桐生市の梅田湖付近を震源とする地震が多発しています。5月2日には、最大震度4が発生し、その後も散発的に小規模地震が続いています。実はこの震源、おそらく震災後初めて発生した場所だと思います。しかも群馬県内の地震としては、非常に珍しいタイプなのです。

過去から群馬県内が震源となる地震自体が非常に少ない上に、発生しても、そのほとんどが震源深さが50〜100km程度の「スラブ内地震」が大半でした。今回の連続地震は、深さ10km程という浅い断層が動いた「内陸直下型地震」なのです。

実は管理人は群馬県出身でして、昔から県内の地震はかなり意識していたのですが、過去数十年をさかのぼってみても、震源深さ10km以下の「内陸直下型地震」が発生したという記憶がありません。絶対に無かったと断言まではできませんが、少なくとも今回の連続地震が、震央と震源深さにおいて、非常にレアケースであることだけは確かです。

今、このタイミングであの場所の断層が動いたということも、東日本大震災後の地殻変動の影響と考えるべきでしょう。最大震度が4だったために、気象庁からの詳細な発表もありませんが、おそらく「未知の断層」だったのではないかとも思います。

この震源域についても、今後状況の変化を注視して行きたいと思います。もちろん、他の場所でいきなり「未知の断層」が動くことも、引き続き高い確率であり得るということです。

西日本でも、相変わらずあちこちで小規模地震が発生しています。過去のパターンから推測すると、特に浅い震源で小規模地震が多発している場所で大規模地震が発生することは比較的少なく、その周辺の、それまで静かだった場所でいきなり大規模地震が発生する可能性の方が高い様です。

その典型的な例が2月25日の栃木県北部地震(日光市で震度5強)や、4月13日の淡路島地震(淡路市で震度6弱)でした。震災後、栃木県北部や南部の震源域や、阪神・淡路大震災を引き起こした野島断層での小規模地震は散発的に発生しており、震災前より若干増える傾向でしたが、そんな中、隣接する「未知の断層」がいきなり大きく動いたのが、上記の地震です。

このように、震災後の日本列島は、まだその影響のまっただ中にあるということを忘れるわけにはいきません。特に大規模な内陸直下型地震は「思いもかけなかった場所でいきなり起きる」、つまりそれまで解放されていなかったひずみエネルギーが一気に解放されやすく、その可能性は、震災前に比べてはるかに高まっているということに疑いは無いのです。

当ブログは、地震予知を目的とするものではありませんが、日々の状況をモニターする中で、何か気になる状況がありましたら、今後もお知らせして行きたいと思います。今後とも「生き残れ。Annex」をよろしくお願いいたします。

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2013年5月 2日 (木)

ちょっと気になる地震

少し気になることがあるので、短い記事をアップします。以下はあくまで管理人の印象に過ぎませんので、地震関連情報としてではなく、コラムとして書きます。

実はここ1ヶ月近く、少し気になる動きがあります。いや、正確には「動きが無い」というべきです。震災後、かなり多発していた茨城県南部・千葉県北東部・千葉県北西部の震源が、このところとても静かなのです。有感地震は、ほとんど発生していません。

これらの震源域は、南関東地震の震源域のひとつとして警戒されているわけですが、一時は2~3日に一度くらいという高頻度で発生していただけに、この静けさはちょっと気になります。

そんな中、5月1日の午後5時17分ごろ、千葉県北西部の深さ80kmを震源とするマグニチュード3.2の地震が発生し、東京都千代田区で震度1を記録しました。下図でピンク色の部分の、東京湾沿いが震央です(文字は今回の地震に無関係なので、無視してください)
Photo

この震源域の、特に東京湾寄りの部分では、震災後に深さ80kmくらいでの地震が比較的高い頻度で起きており、ある意味で「いつもの地震」です。ただ、この震源域で地震が発生する時は、震災後通して、周辺の震源域でも地震が多い時でした。周辺が静かな現在、ここでぽつんと起きたことが、ちょっと引っかかっています。

これには裏づけとなる統計的データもなく、あくまで日々モニターしている管理人の印象に過ぎないので、警戒情報というほどのものではありません。

もうひとつ、この震源域で地震が起きると、上図のピンクの範囲周辺での地震が1~2回続く例が多く見られましたので、今回ももしかしたら、という気もします。もちろん、それが大きな地震とは限りませんし、起きるとも限りません。

本当に曖昧な話で申し訳ないのですが、ちょっと気になったので、敢えてアップしておきます。


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