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2013年5月28日 (火)

【ニュース解説】解説しなくてよし

開き直ったタイトルですが(笑)

先日、下記のような発表がありました。マイナビニュースから一部抜粋の上、引用させていただきます。

(以下引用)---------------------------
【"M8以上"の南海トラフ地震が起こる確率、30年以内に60~70%--切迫性高まる】

政府の地震調査委員会(委員長:本蔵義守東京工業大学大名誉教授)はこのほど、南海トラフにおける巨大地震の発生確率を発表した。それによると、今後30年以内にマグニチュード8以上の巨大地震が起きる確率は、60~70%程度となることがわかった。
(中略)
新たな算出方法では、マグニチュード8以上の巨大地震の発生確率を、今後10年以内では20%程度、20年以内では40~50%程度、30年以内では60~70%程度、50年以内では90%程度と予測。一方、マグニチュード9.1の最大級クラスの地震については、これまでにデータが見つかっていないことから予測は不可能とした。

過去、南海トラフでは、約90~150年ごとにマグニチュード8クラスの巨大地震が発生している。同委員会は、正平地震(1931年)以降に起きた地震のデータを基に、次の地震までの間隔を88.2年と推定。前回、南海トラフで起きた昭和東南海(1944年)・南海地震(1946年)から約70年が経過し、残りは約20年となることから、「次の大地震発生の切迫性が高まっている」と注意を促した。
(中略)
南海トラフは、静岡県の駿河湾沖から四国南岸、九州沖に至る約700kmの海盆。同エリアの地震は、四国や紀伊半島が位置する大陸プレートと、その下に沈み込むフィリピン海プレートの境界面が滑ることで発生する。また、プレート境界面から大陸プレート側に枝分かれした分岐断層が滑ることにより、地殻を大きく変動させたり、局地的に強い揺れを生じたりする場合もあるほか、フィリピン海プレート内で発生する地震や海底活断層で発生する地震などがあるという。
(引用終了)---------------------------

このニュース自体は、解説の要なしと管理人は考えます。過去記事でも何度か書いていますが、地震発生の確率やメカニズムは、極論すれば生活者には何の関係もありません。研究者とマニアだけが知っていれば良いものです。

生活者に必要なことは、自分の居場所で何が起きるか、その時どうするかという二点に尽きます。いくら確率を出されても、現実的には今日起きるのか50年後なのかさっぱりわからない、ということなのですから。この手の発表があると、すぐに煽り記事などが増えますが、それにしても一過性であり、「怖い」という感覚と、大して役に立たない断片的な知識だけを残して消えて行きます。それに、このような数字も、地震のメカニズムすらほとんど関係無い統計的予想です。過去にこんなパターンで起きたから、そろそろかなという話に過ぎません。でも、今日か50年後かの確率は全くわからない。

東日本大震災が予測できなかったから計算方法を変えたということですが、震災を予測できなかったのは、計算方法の問題ではありません。東北地方の場合は、過去100年ほどの地震の記録を詳細に調べたら、陸地に比較的近い部分にプレートの「固着域」(アスペリティ)が動いた事実がたくさん見つかりました。そしてそれらが再び動く確率を算出していたのですが、しかし実際にはそのまた沖に、それこそ1000年も動かなかった、記録には無い巨大な「固着域」が存在し、それが動いたために、陸地側の小固着域が連鎖して動いた、と言うのが今震災です。巨大な「地震の巣」を、把握できていなかったのです。

確率の算出精度も、例えば2008年6月14日の「岩手宮城内陸地震」など、30年間に動く確率が0.2%とか言われていた断層が動いたものですし、忘れてはなりません、1995年の「阪神・淡路大震災」も、確率的には全くあり得ないような地震だったのです。一方でプレート境界型地震の場合は上記のような内陸直下型地震より周期性がはっきりしていますが、ならば30年以上前から発生が切迫していると言われる「東海地震」はなぜ起きないのか。これは批判ではなく、現時点で算出される発生確率とは、現実的にはその程度のものでしかないということです。

南海トラフにしても過去、東北地方よりは昔まで遡った記録があるもののその前のことはわからず、もしかしたら東北のように「想定外」の固着域が存在したりするかも知れません。それに地震自体も、必ずしも過去と同様のメカニズムで起きるとは限らないのです。「最大級」と想定されるマグニチュード9.1クラスでさえ、それが絶対に「最大級」かを断言することもできません。我が国に限らず、人類は地面の下のことを、まだそれほど知っていないのです。ですから、このような数字はあくまで「現在わかっている範囲内で統計的に予想した数字」であり、行政はともかく、個人レベルの防災に役立つものは全くありません。

繰り返しますが、個人で必要なものは、「自分の居場所で何が起きるか、その時どうするか」ということだけです。今まで、確率的に大地震など起きないとされていた場所で、実際に何度も大地震が起きているではないですか。数字を聞いて怖れる必要が無いだけでなく、逆に安心することもできないのです。

地震災害を恐れるのなら、この際一切の確率やメカニズムの話を度外視し、自分の居場所で大地震が起きる確率を「起きるか起きないか」、つまりフィフティフィフティとしておいてはいかがでしょうか。そして、起こりうる最悪の状況だけを詳細に知り、出来る限りの対策をする。実際、管理人はそういう考えです。それでもメカニズムなどを語るのは、マニアだからです(笑)


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コメント

何を根拠に30年以内と国がいっているのか自分はわかりません
自分は東日本大震災で 南海トラフは 5年以内でも70パーセントはあるのではと思います
30年なんて予測 素人でもできますよ  予測している先生方は みんなそのころ死んでますから 責任問題にはならないので 30年というのでしょうね

>だんごさん

コメントありがとうございます。この30年というのも、「とりあえず」の基準なんでしょうね。特に意味があるとは思えません。あまり短いと高い精度を求められ、長すぎると非現実的になるので、ちょうど良いのが「30年」くらいということかも。

結構、こういうのあります。耐震建築の基準となる加速度「400ガル」というのも、きちんと研究されて算出されたものではなく、建設側から基準となる加速度を強く求められた地震学者が、個人的に「400ガルに耐えられれば・・・」と発言したことが、いつのまにか基準値となって標準化されてしまったものだったりします。

まあ、本当に30年後ならば今の「長老」さんたちには関係ない時代でけれど、なかなかそうはいかないのが、この世の不条理さだったりもします。


あなたの考え方に
賛成です!

…なんだか、うれしい!

私も ちょっと地震マニアなので(笑)、このてのネタには、すぐ飛びついてしまうけど、周囲の人にとっては、ただ漠然と不安を煽るものでしかない。

私は、数日前からの
この報道を見る度に 国が予防線をひいているようにしかみえないのです。

『ね?…だから 言ったでしょ?!』みたいな…

あなたのおっしゃるとおり、とどのつまり 各自の防災なのですよね。

私は、防災グッズマニアなので いろいろ用意をしてありますが、多分、これでも足りないかと…

やっぱり 各自の意識が最大のカギなのでしょうね。

>さびしんぼうさん

コメントありがとうございます。そして、ご賛同いただき、私もうれしいです。

こういう報道がたくさん流れると、確率とかメカニズムを知ることで、なんだか「生き残る」力がアップしたように勘違いしそうにもなりますが、その実、何の役にも立ちません。

それに、メディアでは地震学者が防災について語ること多いですよね。地震学者=サバイバルの達人では無いのですが。確かに「何が起こるか」の情報はたくさん持っているでしょうが、「どうするか」については、専門家でもなんでもない。「何が起こるか」の情報にしても、結局は過去の事例と実験などの結果であり、本質的には私らマニアと変わらないレベルでしょうし、そのレベルに達していないことも少なくありません。

本来なら、災害の最前線で活動する訓練を受け、実際に活動している自衛隊員、レスキュー隊員などが中心で語らなければなりません。まあ、それはそれで「枠の中」で語らなければならないので、本当のことはなかなか出てこないのですが。

地震の確率を算出するのは、「出さなければならない」という側面もあると思います。行政が防災計画を立てたり行動するためには、数値的な裏づけが必須だからです。それが確実な数値なのかどうかはともかく。下衆な言い方をすれば、「起こりそうもないのにカネはもらえない」ということかと。

上の方のコメントに書いた「加速度400ガル」にしても、東海道新幹線の建設時に、建設会社側が具体的な耐震設計をするために基準数値が必須だから、地震学者に事実上の圧力をかけた結果です。学者側は、学術的に確実なデータが無かったので、個人的意見として「400ガル」と言ったに過ぎません。しかしそれを基準としてプロジェクトが動き出しました。建設側としては「数値待ち」の状態で、それが出たから一気に。そして「400ガル」が標準となってしまった。数値の正否はともかく、組織が具体的に動くためには、基準数値が必須というわけです。

もっとも、行政などの災害対策で救われるのは「生き残った後」の話であり、災害の瞬間には自分で自分を守るしかありません。そのためには正しい知識、行動、装備が必須なのですが、なかなかそういう風潮は盛り上がりませんね。なんとなく行政や学者任せ(任せられないのですが)の雰囲気です。

私としては、「生き残りたい」という意識を実際の行動に反映させたい皆様のために、本当に役に立つ情報をお伝えして行きたいと考えております。私一人では限界もありますので、もし何か役に立つ情報などありましたら、今後も是非お知らせいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

丁寧な ご回答 ありがとうございました。

…なんだか 大きな地震が差し迫っている気がして、実は最近 少し不安だったのです。
防災グッズは、あるものの…やっぱり不安。
一応、茨城県在住なので多少は被災しているのですが、あの時は、直下ではないので…。
コワイからこそ地震のメカニズムを勉強していち早く情報を得たいと考えていたのですが、
あなたのおっしゃるとおりかもしれません。
ちょっと目から鱗です!
これからは、こちらで勉強させていただこうかと思っています。
(…ごめんなさい!実は、まだ全部のカテゴリーを読みきれていないのです)

こちらに辿りつくことができて、私は ラッキーです♪

コメント ありがとうございました。

>さびしんぼうさん

大きな地震が迫っているかいないかと言えば、おそらくこの100年のうちで最も危険な状態にあると思いますよ。ただ、それがどこか。関東にしても、起こる場所でその結果は全く異なりますし、日本中どこで起きてもおかしくない。もちろん、私も不安です。

防災の究極の目的は「生き残る」ことです。それには理論、確率やメカニズムなど不要です。それを気にするのは、試験に合格したいのに、本来の勉強をせずに倍率や偏差値の分布を研究するようなものです。

当ブログでは、実際にはできない理屈先行の防災や机上の空論を徹底的に排し、「その時何ができるか」を追及しております。今後も、お役立ていただければ幸いです。

驚きました!
今、ちょうど あなたのコメントを読み返し、再度コメントを書いていたのですが、なんかしっくりこなくて…。なので、今、消したところでした。(笑)

実は、先ほど茨城県南部にマグニチュード4でしたが、 嫌な揺れ方の地震がありました。
地震マニアの私は、やっぱり、一瞬良からぬことを妄想してしまいました。…癖です。

まだ ちゃんと読み終えてない上に、前回の自分のコメントがちぐはぐな気がして…気になって読み返していたのです。

400ガルの標準のからくり

>学者側は、学術的に確実なデータが無かったので、個人的意見として「400ガル」と言ったに過ぎません。
>しかしそれを基準としてプロジェクトが動き出しました。

言葉もありません。

>災害の瞬間には自分で自分を守るしかありません。

そのとおり!
単純なこと。誰でもわかる当然なこと。
だけど何故か真剣に考えようとしない。
…変なの!
って思ってしまいます。
実は、まだ全部 読破できていません。
あなたのいう机上の空論にとどまらない実践的な知恵を少しでも多く吸収したいです。

コメント ありがとうございました。
(…本当にさっきのタイミングには、驚きました!)

>さびしんぼうさん

これも何かのご縁かと(笑)

最近、一時は多発していた茨城県南部から千葉県北部にかけての震源がほとんど沈黙していましたが、久々に起きましたね。

震災後、多発と静穏を繰り返して来ましたので、今後の動きには注目したいと思います。ただ、こんなに静かなことは、震災後初めてですよ。

自分の身を真剣に守ろうと思ったら、まず自分や家族が死んだり傷付くというイメージをしなければなりません。でも、平時にそんなことを考えるのはとても苦痛を伴いますから、人は本能的にそれを避けようとするのです。

その心理を「楽観バイアス」や「正常化バイアス」といい、要は「きっと大丈夫だろう」と根拠もなく考えてしますことです。この心理が個人の災害対策において大きな障害であり、それについては過去記事でも触れていますので、ご覧ください。

またコメントお待ちしてますね。

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