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2013年5月 9日 (木)

【ニュース解説】富士山の「地割れ」?

ちょっと前の話になりますが。4月10日でしたか、富士山麓を走る滝沢林道で、長さ300mほどの「地割れ」が発見されたということで、例によって噴火が近いだの何だのと騒ぎになりました。

管理人は、面倒だから(笑)敢えてそれには触れなかったのですが、最近でもまだいろいろ言われているようなので、解説したいと思います。

まず、当時のテレビニュース画像をお借りしました。キャプションに注目してください。
Photo
富士山で「地割れ」が見つかったと。

それをアップで見ると、こんな感じです。
Photo_2

これに対し、山梨県の担当部門は、「流水によって舗装の下の土砂が流されたことが原因か」とコメントしています。この「原因か」という言い方がまた問題で、なんで断言しないのだろうと。

ネット上でも、「ある特定の人々」は、すぐにその原因を指摘し、ブログなどに書いているのを見かけます。実は、管理人もかつては「ある特定の人々」のひとりでした。それは、オフロードライダー。バイクで山の中を走り回る人種です。ちなみに、滝沢林道は、舗装前はオフロードライダーの「聖地」のひとつでした。


そんな管理人に言わせれば、まずあれは「地割れ」ではない。陥没です。メディアもわかっていながら、敢えて「地割れ」と煽ったフシがありますね。発生の理由は、山梨県の発表の通り。雪解け水や雨水が林道に集中して土砂をえぐり取り、アスファルトが陥没したのです。この冬は雪が多かったせいで、流水も激しかったのでしょう。

あのような路面状態は、林道を走るライダーにとっては日常的に見るものです。未舗装路の場合、路面に沿ったまさにクレバスのような深い溝が突然現れるわけで、それは水流が強い急斜面ほど狭く、深くなります。バイクでそんなのにハマったらスタックするか転倒するかのどちらかですから、だれもが強く意識しています。

強いて言えば、舗装の下をあれほどえぐるのは比較的珍しいという事は言えますが、わかる人にはひと目で「水でえぐられた」とわかります。溝があまり深くなく、幅もかなり広いということから、しぶきを上げて流れ下るような、強烈な水流ではなかったということも見えてきます。

あれがもし地割れならば、場所を選ばずに山腹が裂けるはずですが、なぜ林道に集中しているか。それは、樹木が伐採されて水が流れやすい場所に、流水が集中するからです。これは富士山に限らず、どこの山でも一緒です。

さらに、もし地割れならば、前述のように林道以外にも発生しますし、アスファルトは平らなまま引き裂かれます。でも画像の通り、アスファルトが断面に巻きつくように落ち込んでいますよね。あれは、下の地面が少しずつ削られ、だんだん陥没して行った証拠です。

さらに言えば、削られた溝の底が平らな部分が多く、良く見ると大きめの石が集まっています。これも水が流れた何よりの証拠。地割れではあんな風にはなりません。などと言うと、火山活動による地割れに水が流れ込んだのかもと言われそうですが、林道だけに集中しているという時点で、その可能性はありません。

林道の通過ルートはあくまで人間の都合であり、自然の条件など関係ないのですが、そこに沿って陥没が発生しているということが、地割れでは無い最大の証明でもあります。あれは、流水による侵食以外の何ものでもありません。


たまたま、陥没現場の近くで低周波地震が集中しているという事実があったため、この話はさらに尾ひれがつきました。低周波地震は地下のマグマの動きを示しているわけですが、少なくとも陥没とは全く無関係ですし、噴火に繋がるような危険な兆候は、現在のところ皆無です。

なんだか「富士山の温度上昇との関連」がどうのとか言っているサイトもありましたが、恐らく「温度上昇」→「雪解け水増加」→「侵食」という理屈なのでしょう。ならば、他の場所でも起こるはずです。今回、滝沢林道の300m区間に集中したのは、そこが地形的に流水が集中しやすかったからということでしょう。山体全部の温度が本当に上がり、雪解け水が異常に増えているのなら、あんなもので済むわけが無い。富士山なめんなという話です(笑)

とにかく、今回は現場が「話題の」富士山であったこと、アスファルトが大きく陥没するという、ビジュアル的にインパクトがあったことなどからニュースになりましたけど、あんなもの、どこの山でも普通に起きていますよ。というわけで、富士山噴火とは全く無関係ということです。

ただし、富士山は「活火山」です。この先、噴火が起きないとはだれにも断言できません。だからこそ、正しい知識を持って、正しく判断しなければなりません。もうそろそろ、根拠の無い理屈や思い込みで大騒ぎするのはヤメにしませんか?とは言っても、不安を上手にアオる手合いも多いんですよね。せっかく世界遺産になるのに(笑)


最後に私事ながら、管理人がどれだけ「オフロードな人」だったかということを少し。若い頃は、北海道の日高2デイズエンデューロ(当時)に参戦してました。と言えば、わかる方にはおわかりいただけるかと。


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コメント

派手に崩れてますね。ここまで凄いのは初めて見ました。でもホントに火山性の地割れなら道路なんか関係なく一刀両断でしょうね。と、てばさんのおかげで多少は免疫が付いたので惑わされなくて済みましたw

私は都会派のレプリカオンローダー(笑)でしたので未舗装の林道は走ったことありませんが、未舗装以上舗装未満の手入れされてない道路ならよく走りました。高崎にいた頃は春夏秋冬問わずR254→権田の交差点→二度上峠→鬼押出し→R18→碓氷バイパス→安中のラピュタ工場と回るのが好きでした。原付時代も含めると30回は行きましたかね。
二度上峠からトドーンと見える浅間山は素晴らしいの一言。特に紅葉の時期は毎年二回は行ってた気がします。今でも思い出すと血が騒ぎます。
あの道も今は分かりませんが15〜20年前はかなり荒れてました。写真の陥没が火山性のものなら、二度上峠も実は立派な活火山だったことになりますねw

>tntさん

確かに、あまり見ない規模の陥没ではあります。でも所詮300mですし、林道に沿っている時点で確実に流水ですよ。オフローダーじゃなくても、山に良く入る人ならば、すぐにわかるんですけどね。ただ、林道に関しては、オフローダーが一番広い範囲というか、いろいろな状況を見ているわけです。しかも、あんな場所をどんな風に走破しようかなんて考えてる(笑)山中のエンデューロでは、もっと凄い亀裂とかを突破しなければならないこともあります。

私も、浅間周辺のルートはとても好きです。圧巻は、鬼推しハイウェイ入り口の峰の茶屋の脇から林道に入り、ザクザクの火山灰地の強烈なアップダウンをクリアしながら、最後は道なき火山灰地を通って、なんと鬼押し出し園の駐車場に出るというルートがあるんですよ。雄大なロケーションながらかなりハードなコースですが、有料道路代はかかりません(笑)

途中の山中から見上げる浅間は圧巻ですし、ほとんどの区間は林道ですらないですから、だれもいない。ひとりで行って転倒や崖から落ちたりしたら危険でもありますが、あの独り占め感は最高ですね。いきなり原野からバイクが上がって来ると、鬼押し出し園に来ている観光客が驚いたのなんの(笑)まあ、20年以上前の、よき時代の話ですが。

これもずいぶん昔ですが、富士の鳴沢林道、滝沢林道も一度走ったことがありますよ。当然、未舗装時代です。当時は陸自の東富士演習場との境界もはっきりしていなくて、まあ、いろんな意味で面白かったです(笑)

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