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2013年5月22日 (水)

【ニュース解説】米国オクラホマ州で巨大竜巻発生

米国南部のオクラホマ州ムーアの街を襲った巨大竜巻の被害は、日本時間で5月22日の朝になっても、いまだその全貌が掴めていないほどの規模になっています。

米国では、竜巻の規模を表すのに「改良藤田スケール」(Enhanced Fujita scale 記号EF)という基準を使います。これは、我がでも最近聞くようになった「藤田スケール」(記号F)の判定基準を、実態に即してさらに詳細に改良したものです。これはEF0(ゼロ)からEF5までの6段階ありますが、当初はEF4とされた今回の竜巻は、被害状況から最大級のEF5に訂正されたようです。

EF5クラスは、竜巻が年間1000個以上も発生する米国においてもその発生率は1%以下という、非常に珍しい規模の超巨大竜巻です。さらに、広大な米国中西部や南部では、それが人間の居住地域を襲う確率は、非常に小さいのです。

報道にある「風速90m」という規模だけで考えればEF3に該当しますが、今回の被害はEF3クラスをはるかに超えています。管理人も、当初は風速からEF3と考えたのですが、被害状況の映像、特に空撮映像を見て「EF4だ」と判断しました。しかし被害調査が進むにつれて、最大級のEF5となりました。竜巻の規模は、その物理的データだけでなく、被害状況も勘案されるのです。しかも、建物の破壊状況から、実際には風速100mを優に超えていたのではないかと、管理人は考えています。

今回の竜巻被害が巨大化した最大の理由は、その持続時間だと思われます。通常、竜巻は数分から十数分間程度で消滅することが多いのですが、今回はなんと45分間に渡って27kmをゆっくり移動したといいます。このため暴風に晒される時間が長くなり、短時間ならばある程度耐えられる建物も、文字通り根こそぎ吹き飛ばされてしまったと考えられます。

米国の竜巻多発地帯では、地下に竜巻シェルターを備えた建物も多いのですが、被災者のインタビューに、地上に設置された、シェルターの頑丈なドアまでが吹き飛ばされたというのもありました。これは管理人も初耳の事態です。

米国の竜巻被害では、2007年5月にカンザス州グリーンズバーグを襲った竜巻が有名です。これはEF5クラスの竜巻により、市街地の95%が壊滅するという未曾有の巨大災害でしたが、今回の竜巻はそれに匹敵するか、場合によっては超える可能性も出てきました。管理人の感覚でも、グリーンズバーグ竜巻の被害映像よりも、今回の被害映像の方が激甚に見えます。


翻って我が国では、過去の最大級の竜巻はEF3クラスでした。これは過去数回観測されていて、2012年5月6日に茨城県つくば市を襲った竜巻も、EF3クラスと考えられます。つくば市の竜巻では、頑丈な新しい家(米国の一般的な木造家屋よりずっと頑丈です)が根こそぎ浮き上がり、裏返しになって落下するという凄まじい被害もありました。それから考えると、EF4や5の竜巻の威力がいかに強大なものかかがわかります。

ところで、一般的な感覚では、我が国では最近竜巻が増えているように感じます。地球高温化による気候変化の問題とも絡めて、「高温化で竜巻が増えている」と決めてかかっている人も多いようですが、我が国でも米国でも、現在のところそのようなことはありません。

以前お話を伺った防災科学技術研究所技官の方も、メディアからの取材は「竜巻が増えている」という前提で専門家としての同意を求められることが多く、いくら否定しても信じてもらえない、否定すると記事自体がボツになる(笑)とぼやいておられました。(ちなみに、富士山噴火に関しても同じだそうで)

今朝のNHKニュースでも、「温暖化(高温化)で竜巻が増えている事実は無い」と強調していましたが、きっとあれは取材を受けた専門家の方が「必ず言ってくれ」と念押しされた結果だと思います。何故なら、このようなニュースがあると上記のような問い合わせや取材が急増するわけで、専門家はいちいち否定するのに辟易しているのです。

地球高温化→気象の極端化→竜巻多発→大被害という図式は、煽りのネタとしては実にわかりやすく、煽りメディア好みではありますが、いまのところ統計的にそのような事実はありませんから、くれぐれも無用な心配はされませんように。しかし発生していることは確かですから、竜巻に遭遇してしまったらどうするか、皆様それぞれが正しい知識を備え、正しい避難行動ができるようになっていただきたいと願っています。当ブログの過去記事「竜巻から生き残れ」シリーズもご参照ください。

なお、過去記事では「地球高温化によって気象の極端化が進み、竜巻のような気象災害が増える段階に入った」というような、竜巻が増えているようなニュアンスに取れる部分もありますが、当時の管理人の認識不足による誤解もありますので、その部分は訂正させていただきます。少なくとも現在は、竜巻は増加していません。

管理人が思うに、最近竜巻が増えたように感じるのは、携帯映像機器の発達によって「決定的映像」が撮られることが増え、それがメディアに乗るケースも増えたことと、昨年のつくば市の竜巻で、事実上初めて首都圏の市街地に大被害が出て、それが詳細に報道されたことなどによる効果ではないかと。

実際、それまでは専門家と管理人も含めた一部マニア(笑)しか知らなかった「スーパーセル」や「漏斗雲」などの用語が、普通にメディア上で見聞されるようになったので、「時代は変わったものだ」という感を強くしています。

そうなると、そんな「知識」を好き勝手に解釈して、やたらと「怖い話」に仕立てる手合いが増えるのも世の常ではありますが、怖がるのが趣味(笑)ならばともかく、「生き残る」ためには、そんな話は百害あって一利なしです。
つい「怖い話」に惹かれてしまう、大災害に対するそんな不安を、正しい知識を得て、正しい行動をするためのエネルギーに転化していただきたい。そして「自分の力で生き残る」ための力を身につけていただきたい。管理人は、そう強く願っています。

■関連過去記事
【緊急特集】竜巻から生き残れ【1】はこちらから
※「竜巻から生き残れ」は、【1】~【5】の五部構成です。途中に他の記事が挟まりますが、【1】から続けてご覧ください。

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