【石巻で震度5強】地震関連情報【5/19】
昨日5月18日、午後2時48分頃、福島県沖の深さ46kmを震源とするマグニチュード6.0の地震が発生し、宮城県石巻市で最大震度5強を記録しました。
気象庁の発表によると、この地震は「西北西-東南東に圧力軸を持つ逆断層型地震」とのことです。つまり、太平洋方向からの西向きの圧縮力によって発生した「スラブ内地震」です。
震央の位置を、下図に赤色の×印で示しました。
上図のピンク色(宮城県沿岸)と黄色(福島県沿岸)の震源域では、震災一年後くらいから、深さ40~60kmを中心とした逆断層型のスラブ内地震が多発しはじめました。
これは、東日本大震災後の地殻変動によって、陸側のプレート(ユーラシアプレート)の下に潜り込む、太平洋プレートの西向きの動きが加速した結果、太平洋プレート内部の岩盤(スラブ)にかかる圧縮力が増大したために起きている地震です。その発生はその後ずっと続いていますが、ここ2~3ヶ月の間、特に宮城沖での発生が増える傾向にありました。
これらの震源域では、小規模地震が多発するうちに、2~3ヶ月に一回の割合で震度4~5弱クラスが発生し、半年に一回程度の割合で、震度5強クラスが発生するような状況が続いています。同タイプの「スラブ内地震」では、今のところ震度6クラスに達するような規模での発生はありませんが、地震回数自体は若干増える傾向にありますので、この先、過去のパターンとは異なる地震の発生があるかもしれません。
気になるのは、マグニチュード6.0というかなり大きな地震が起きたにも関わらず、本稿を書いている19日の午前2時30分現在、余震が一回も発生していないことです。しばらくは、推移に注目したいと思います。
別に、最近は岩手県沿岸から沖にかけての地震も、若干増える傾向にあります。その辺りでは、震源深さ10km程度の浅い地震と、深さ40~60km程度のスラブ内地震という、二種類の地震が発生しています。岩手から青森沖、さらには北海道の太平洋沿岸付近は、東日本大震災震源域の北側に隣接するために、震災の影響を強く受けていると指摘されている震源域ですので、こちらも今後の推移に注意したいと思います。
なお、震災震源域の南側に当たる茨城県南部から千葉県沖にかけては、今の所特に目立った動きはありませんが、千葉県北東沖震源域(上図の青色部分)での小規模地震は続いていますし、そのさらに沖側には、約350年前にマグニチュード8クラスが起き、その後沈黙している震源域がありますので、安易な予断は全く許されない状況です。
その他の場所においても、今の日本列島では「いつどこでなにが起きてもおかしくない」という状況であることを、常に意識していなければならない状況なのです。
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コメント
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こんにちは。
はじめまして。
私は、地震にとても興味があります。
できましたら、いろいろ教えていただけると
有り難いです。
最近、
5/24 2:19にトンガ沖でM7.4
5/24 14:45にサハリン近海を震源とするM8.2
が発生しましたね。
日本への影響が 多大にあると私は 思うのですが…。
特に カムチャッカが気になります。
太平洋プレートに 影響するかと…。
投稿: さびしんぼう | 2013年5月31日 (金) 21時07分