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2013年6月 5日 (水)

【なぜ橋は危険なのか】竜巻から生き残れ!【特別編】

米国オクラホマ州でEF4~5クラスの巨大竜巻が連続して発生し、大きな被害が出ています。

その関係もあって、当ブログの過去記事「竜巻から生き残れ」シリーズに、連日たくさんのアクセスをいただいています。お役にたてているでしょうか。シリーズの記事内容については、特に補足をすることはありませんが、ここで改めてひとつのテーマについての記事を追補します。


そのテーマとは、「なぜ橋の下に逃げてはいけないか」

一般的な「防災マニュアル」だと、理由も説明せずに、ただ「橋の下は危険」とだけ書いてあるものが大半です。しかし当ブログでは、他に有効な避難場所が無い場合は、橋の下へ逃げることを提唱しています。今回は、それについて詳しく述べたいと思います。

なお、以下の内容は広くお勧めするものではありません。管理人がもし、橋の下しか逃げ場が無いという状況に遭遇した場合、このような行動を取るという個人的判断とご理解ください。


まず、竜巻の際にはなぜ、橋の下に逃げてはいけないと言われるのでしょうか。その理由は、下記のようなものです。
■河川敷は遮蔽物が無いので、風速が上がる。
■橋の下やアンダーパスなどを風が吹き抜ける時、狭い場所で流速が上がる「ベンチュリー効果」によって、さらに風速が上がることがある。
■橋自体が崩壊して、下敷きになることがある。

このように、確かに橋の下は身体が吹き飛ばされたり、飛来物や崩壊物の直撃を受ける危険が大きいのです。しかし、周囲に鉄筋コンクリート造りなどの頑丈な建物や、潜り込んで身体を保持できるような穴や窪地などが無い場合には、開けた場所でただ伏せているよりは、橋の下の方が安全度が高い場合も多いのです。

しかし、この方法は他に有効な避難場所が無い場合の「最後の手段」とお考えください。

まず大前提として、この話は巨大竜巻が多発する米国発祥です。米国の竜巻多発地帯のように、ただでさえ遮るものが無い広大な場所にかかる長い橋の場合、橋の下の危険度は非常に大きいものです。しかし我が国の場合、まず竜巻の規模が米国ほど巨大化しない、頑丈な鉄橋やコンクリート橋が多い、地形的に身体を守れる場所に入れる可能性が比較的高いなどの違いがあります。

ここでまず、一般的な橋の構造を見てみましょう。
Photo
この中で、管理人が竜巻避難に使える場合があると考えるのは1~3の場所です。まず、最も安全度が高いと思われるのが、「橋桁の構造の中に入ってしまう」ことです。

鉄製の橋桁(はしげた。プレートガーダー)の場合、下画像のような空間があります。
Girder02
Girder
そこまで到達できる場合は、橋桁の中に入り、構造部材の鉄骨にしがみついてしっかり身体を保持すれば、橋桁が暴風や飛来物の直撃をかなり防いでくれます。このように、なるべく頑丈で狭い空間で、身体をしっかり保持できる場所を探します。アーチ橋やトラス橋の場合は、上記のようなガーダー橋よりは空間が小さいのですが、竜巻が近くを通過するまでの短時間ならば、潜り込んで身体を保持できることもあります。


次は、2の「橋台」(きょうだい)の部分。イラストのように地面との距離が近い方が、より安全度が高まります。橋台にぴったり寄り添って、頭を両腕で護りながら伏せます。脚は、竜巻が接近する際の風上側に向けます。地面が土や砂であれば、竜巻が接近するまでに可能な限り地面を掘り、まず頭からできるだけ低くします。

強烈な風が吹き抜ける際は、地面近くを石、土、瓦礫などが高速で飛んできますが、地面や地物沿って風が吹く場合、その接触面に「境界層」という、比較的流速の遅い層ができるのです。地面より低い窪地に入ると安全度が高まるのは、そういう理由です。1cmでも身体を低くして、「境界層」の中にできるだけ入ることで風の抵抗を減らし、飛来物が衝突する可能性を小さくするのです。


最後は3の橋脚(橋脚)の下。ここで、橋台の場合と同じような態勢を取ります。ここは上記の場合に比べて最も風速が上がり、飛来物の危険も大きいのですが、平地よりははるかにマシです。もちろん、鉄骨などの細い橋脚より、コンクリートや石積みの方が安全度が高まります。ここでもできるだけ地面を掘り、可能な限り身体を低くします。まず、頭からです。

余談ながら、管理人が小型バールをEDC装備としているのには、このような場合に地面を掘るケースも想定しています。

竜巻が直撃したり、近くを通過する場合には、短時間のうちに急激に風向、風速が変わります。それに合わせて移動することは事実上不可能ですが、竜巻の進路を見極めて、伏せる場所を選ぶ必要があります。風は竜巻に向かって吹き込みますので、竜巻が最も接近すると思われる場所の「風下側」で、橋脚にぴったりと身つけて、頭を腕で護りながら伏せるのです。


繰り返しますが、ここで述べたような方法は、あくまで「最後の手段」です。無傷でいられる可能性は大きいとは言えません。しかし、他に有効な避難場所が無いのに、ただ「橋の下は危険」という知識だけで除外すべきでは無いということです。モノは使いようです。

最良の方法は、言うまでも無く橋の下に逃げなければならないような危機に陥る前に状況を見極め、早い段階で避難を始めることです。そのためには、事前に「ここで竜巻に遭遇しそうになったらどうするか」という視点で、事前に周囲を確認しておく用心深さが必要で、それがいざという時の行動速度と確実性を大きく高めるのです。

また、ここでは、大人がひとりまたは少人数で避難するようなケースを想定していますが、大人数だったり子供がいたりすれば、全員が身を守ることはより困難になります。特に団体行動を引率するような場合は、無駄足を恐れずに、早すぎるくらいの判断をしなければなりません。それが、東日本大震災における「大川小の悲劇」から得られた、最大の教訓なのです。

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