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2013年7月

2013年7月30日 (火)

【福島県浜通りの地震について】地震関連情報【7/30】

福島県浜通りで多発している地震について、念のため触れておこうと思います。

7月23日から、福島県浜通りを震源とする地震が連続して発生しています。最大の地震は、7月23日午前0時02分のマグニチュード5.2、最大震度4でしたが、その後も7月30日午後2時までの間に、有感地震が合計15回発生しています。基本的には余震と考えられ、発震回数も次第に減って来てはいますが、この震源域は震災後に非常に特徴的な動きをしている場所ですので、引き続き警戒が必要と思われます。

下図をご覧ください。
111208d
この図は東京大学地震研究所発表のものをお借りしたもので、震災から約9ヵ月後の2011年12月8日の午前2時30分から過去24時間に発生した地震の震央がプロットされています。

福島県浜通り南部から茨城県北部にかけて、ピンク色の小さな点が密集しているのがわかります。ピンク色は震源の深さが10km以下を表し、丸の大きさはマグニチュード値を表します。このように、震災後ずっと小規模地震が集中している震源域で、時々震度4~5強程度の発震を繰り返して来ました。

ピンク色の集中具合を良く見るとわかりますが、福島県と茨城県の県境付近を境に二つの震源域に分かれており、地震が集中するタイミングも異なっています。今回の多発はすべて福島県内の部分で、震源域北部にほぼ局限されています。


この福島県浜通り~茨城県北部の震源域は、震災本震直後から非常に多くの誘発地震が発生しており、誘発地震の震源域単位では、発生回数が最も多い場所だと思われます。しかし、なぜここで地震が集中するのか、その発生メカニズムは未だに良くわかっていません。

震災からの時間の経過と共に発生回数は漸減する傾向でしたが、7月23日に「久し振りに」震度4クラスが発生しました。その後も普通の余震以上に目立って集中発生していますが、とりあえずその動きも収まりつつあるようです。


震災から今までのパターンで言うと、ここでは小規模地震が多発する中で時々大きめの発震をしており、震災直後を除き、大きめの地震が連続することはほぼありませんでした。さらに時間の経過と共に、大きめの地震が発生する間隔もしだいに伸びて来てはいます。

しかし、今後も同じパターンだとは断言できませんし、この場所に地震が多発する要因があることだけは間違いありませんので、しばらくは推移に注目すべきだと考えます。

今後何か動きがありましたら、記事をアップします。

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2013年7月29日 (月)

「過去に経験の無い」豪雨

山陰地方や東北地方を中心に、豪雨災害が発生しています。

特に山口県、島根県境付近では「過去に経験の無い」レベルと公式に形容されるほどの雨量になり、行方不明者が出てしまいました。その中には、豪雨の中を避難所に移動している途中に行方不明になった、24歳の男性も含まれています。

当ブログでは、豪雨災害に対しては、以前からとにかく早めの避難しかないと提唱して来ました。実際に危険が迫っているような段階になってしまうと、屋外は豪雨だけでなく道路の冠水などが起こっている可能性が高く、その中を移動するだけでも大きな危険を伴います。今回のように、若い男性でさえ行方不明になるような状況の中を、お年寄りや子供が安全に移動できるか考えてみてください。

今晩のNHKニュースでも、豪雨による山崩れや地すべりの兆候として、例の「斜面に亀裂が入る、水が湧き出す、山鳴りがする」などの例を挙げていましたが、当ブログでも過去から何度も指摘している通り、豪雨の最中、ましてや夜間にそのような兆候を把握することは、事実上不可能です。知識があっても、役に立てられないのです。

ですから、まず自分の居場所に洪水、土砂災害、土石流災害などの危険があるかどうかを把握し、豪雨になった際には「予防的に」早めの避難をすることしか、確実に安全を確保することはできないのです。

荒天の中を避難行動をする際には必ず複数で、冠水している場合には杖やゴルフクラブなど棒状のもので足元を確かめながら移動しなければなりません。見えない水中にどんな危険物があるかわかりませんし、下水が逆流する内水氾濫によって、マンホールのふたが外れている可能性も高いのです。開いたマンホールに落ちたらすぐに這い上がるのは困難で、致命的な結果となるでしょう。

ちなみに、NHKニュースでは、豪雨災害の危険地帯に留まる場合には「二階以上に上がれ」とも言っていましたが、これも当ブログで以前から指摘してきたことです。管理人が知る限り、テレビでこのような文言が流れるのは初めてではないかと思います。土砂くずれや土石流災害では、土砂が流れ込む一階部分で犠牲者が出ることが繰り返されて来ましたから、それを避けるための実に単純な対策なのですが、何故今までほとんど採り上げられなかったのか理解に苦しみます。

メディアでは「土砂災害に警戒してください」と毎回言いますが、どのように警戒するかは個人任せということなのでしょうか。ちょっとした知識と行動の有無だけで生死が分かれるというのに、具体的なアドバイスも無しに「警戒せよ」と投げっぱなしにされてきたことが、結果的に危機感を薄れさせているような気もします。

いずれにしろ、今回山陰地方で「過去に経験の無い」と形容される豪雨となったように、我が国の気象は確実に過激な方向へ推移しています。当ブログで何度も指摘している通り、「過去に無かったからこれからも無い」という発想は全く通用せず、ましてや過去に災害が起きている場所、即ち災害に対する脆弱性が存在する場所では、災害が繰り返される確率がより高くなっているということなのです。

災害対策というと地震や噴火にばかりに目が向きがちですが、気象災害の方が遭遇する可能性がはるかに高く、しかも短期間のうちに何度も繰り返されるという可能性が高いという当たり前のことに、改めて目を向けるときです。

地震対策で備えたものは、気象災害から避難する場合にも、ほとんどがそのまま転用できますし、危険地帯ではその確率の方がはるかに高いのです。タイミングを逃さず避難行動を始められるように、普段から非常持ち出しを準備し、避難経路などの確認をしておくことを、強くお勧めします。また、冠水する可能性のある場所では、自動車の避難場所も考えておくべきです。

これからしばらくの間は、各地で豪雨となる可能性が高い状態が続くようです。降り続く雨によって、土砂災害の危険性は漸増していますので、危険地帯の皆様は、手遅れにならないうちに備えを進めてください。都市部にお住いの方でも、例えば実家や親戚宅などに危険はありませんか?お年寄りだけではなかなか大変ですので、この機会に一度連絡して、具体的な対策のお話をされてはいかがでしょうか。

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2013年7月27日 (土)

スーパーセル発生中

27日午後7時現在、埼玉県ほぼ全域上空に巨大積乱雲スーパーセル発生中。豪雨、落雷、突風、竜巻に特に警戒してください。以後、茨城県南部、千葉県北部方面へ移動して行きます。

2013年7月26日 (金)

過去記事リターンズ!

いよいよ学校は夏休みに入りましたね。お子さんが家にいる時間が長くなり、旅行などに出かける機会も多いかと思います。

そんな中、身近な危険としては熱中症や雷、豪雨が筆頭に上げられますが、地震発生時の行動や対策も普段とは違って来ます。この機会に改めて、ご家族で大地震発生時の行動などについて話し合われておくことをお勧めします。

ところで、当ブログは2012年1月のスタートから半年ほどの間に、地震対策の装備や行動などについてまとめた、当ブログの核とも言える記事を集中連載しています。現在も【普段持ち歩く防災グッズ】シリーズを中心に非常に多くのアクセスをいただいていますが、ブログサイトの構造的な問題もあり、過去の長い連載になると、なかなか続けてお読みいただく事が難しい部分もあるかと思います。

そこで過去記事の一部を、現在連載中の【EDCグッズ】シリーズなどと並行して、再掲載させていただくことにしました。内容については一部加筆修正も行いますので、過去にお読みいただいた皆様も、ぜひ改めてご覧ください


再掲載の第一弾は、当ブログ最長の54回に渡って連載しした【首都圏直下型地震を生き残れ!】シリーズです。

当ブログでは、災害対策装備はもとより「その時」のどのような行動が「生き残る」確率を高めるかという部分に重点を置いています。このシリーズは、日常生活の様々なシチュエーション別に、大地震に遭遇した際に取るべき行動を科学的見地と過去の災害の教訓から導き出すもので、管理人渾身のシリーズでもあります。

記事タイトルは「首都圏直下型地震」を謳っていますが、首都圏に限らず、どこの都市部にも共通する内容ですので、この機会に改めて「その時の行動」についておさらいをしていただければと思っております。


東日本大震災から二年半近くが経過し、余震や誘発地震の発生はしだいに少なくなって来ていますが、一方的に終息に向かっている訳では決してなく、新たな動きも常に観測されています。我々は未だに危機のまっただ中にあるということを、改めて肝に銘じなければなりません。

大地震発生時に最も「生き残る」確率を高める行動は「最初の一分」、さらに言えば「最初の数秒」に集約されます。その時に迷わず最適な行動をするために、普段からどんな意識と備えをしておかなければならないかを、改めてお考えになっていただければと思います。

なお、再掲載記事には、記事タイトルの前に

☆再掲載☆

と表示します。


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2013年7月23日 (火)

【EDCグッズ12】こんなはさみもあります

■EDCとはEvery Day Carryの頭文字。毎日持ち歩く装備を意味します。

今回はちょっと特殊な、でもかなり役に立つはさみについてです。かなりマニアックな世界なのですが。
Scisores_017
これは「トラウマシザース」と呼ばれるもので、米軍の特殊作戦部隊の個人装備品、つまり兵士のEDC装備です。

用途は、その名の通りトラウマ(=外傷)を治療する際に、厚手の戦闘服や装備品を切り裂くのが主目的で、手袋をしていても使えるように、サイズはかなり大型です。でもステンレス鋼のプレス成形で重量は約60g(たまご一個分)と非常に軽量ですから、EDCしてもあまり負担になりません。

分厚いナイロンや皮革の装備品も切れるように上刃が非常に鋭く研がれており、ちょっとしたナイフ代わりにも使えます。下刃の先端は負傷者の身体を傷つけないような形状になっており、途中で曲がった形状も、地面に倒れた負傷者を手当する際に使いやすい角度になっているという、プロ仕様の救護はさみです。

屋外での救護用として理想的なものですが、もちろん他の用途でも普通のはさみとして使えます。管理人はリュックを背負って外出する場合に、他の救護用品と一緒に携帯することがあります。EDCではなく、パートタイムキャリーという感じですね。

ではこれを持っていて職務質問されたらどうなるかという問題ですが、救護用とはいえ、刃渡りはかなりありますので、銃刀法でなくても、軽犯罪法の規制にかかるかもしれません。はさみとしてはかなり鋭い刃がついていますので、危険物と見なされる可能性が高いのです。当然、航空機内への持ち込みはできませんし、イベントなどの荷物検査でも、持ち込み禁止となるでしょう。

ですから、管理人もそれなりの覚悟と気遣いをしつつ装備に加えていますし、どなたにもお勧めできるものでもありません。しかしその高機能とEDCしやすさから、ここで紹介させていただきます。「NARPトラウマシザース」で検索すると、少ないながら販売サイトがヒットします。価格は2500円前後です。なおNARPとは、米国の製造元「ノースアメリカンレスキュープロダクツ」のことです。


ところで、トラウマシザースのそっくりさんを見つけました。
Scisores_015
ちょっと小型のピンク色の方ですが、これはトラウマシザースの小型版というわけではありません。

形状も構造もそっくりなのですが、なんとこれは「手芸用」で、日本の手芸用品会社「クローバー」が発売しているものです。違いといえば上刃が普通のはさみ程度の鋭さで、下刃の先端に引っかかり防止用のプラスチックキャップがついているくらいで、救護や日常用としても、通常の使用ならばこれで十分という感じです。

なんで手芸用はさみがトラウマシザースとそっくりなのか、手芸のどんな用途であの形状が生きて来るのかはわかりませんが、これの方が危険物と見なされる可能性は小さいので、EDC用としてはむしろお勧めとも言えます。価格も1000円程度で、やはりステンレスのプレス成型で軽量なのが魅力です。


防災グッズというとついナイフに目が行ってしまいがちではありますが、実ははさみが一丁あるだけで、何かと役立つのは間違いありません。文房具レベルでも十分ですので、EDCや非常持ち出しの中に加えてみてはいかがでしょうか。ここでピックアップしたはさみ類はそれなりの価格のものですが、非常持ち出しに放り込んでおくのは100円ショップものでも十分ですし、管理人も「ハイ・ロー・ミックス」で装備しています。

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2013年7月22日 (月)

【EDCグッズ11】ナイフがダメなら、はさみは?

■EDCとはEvery Day Carryの頭文字。毎日持ち歩く装備を意味します。

今回と次回は、防災グッズとしては意外に重視されていない印象の、はさみについて考えます。ナイフをEDCとするのは難しくても、やはり何か「切るもの」を持っていると便利ではあります。

かく言う管理人ではありますが、当シリーズ最初に紹介した通り、管理人のEDCグッズにははさみが入っていません。これは法律の問題もあるのですが、常時携帯していたいはさみがあまり見あたらない、という理由でもあります。

しかし全く不要と考えているわけではなく、場合によっては携帯することもありますし、自宅と車の非常持ち出しセット中には装備しています。まず、管理人がEDCも含めた、防災グッズとして考えているはさみをご覧ください。
Scisores_001
別にはさみマニアでは無いのですが(笑)、いろいろなタイプがあります。

まず、EDC用とするにも最低限の機能と汎用性、そして法律的にも「まあ、大丈夫かな」というタイプです。
Scisores_012
小さい方はファーストエイドキットに入っていたはさみで、主にガーゼや包帯などを切る用途であり、負傷者の服、特にデニムなど厚手の生地を切ったりするのはきつい感じです。

それでも使い方次第でなんとかなりますし、他の用途もいろいろ考えられます。刃先も丸めてあるので、これを「危険物」と見なされることは、普通は無いと思います。もちろん、ファーストエイドキットと一緒に携帯していれば、誤解を受けることは無いでしょう。このくらいが、はさみ単独でEDCとする場合にも、最低限のレベルとなるものかと思います。

大きい方は、ごく普通の文房具です。こんなタイプならば厚手の生地もザクザク切れますし、汎用性も高いものです。日常的に使う文房具として、基本的には堂々と携帯できます。こういうものが疑われるケースは、例えばズボンのポケットの中にはさみだけ入っていたとか、日常生活ではあまり考えられない場合でしょう。バッグなどの中に入れて携帯をお勧めします。とりあえず、このクラスまでがEDC可能という感じでしょうか。

ここで銃刀法におけるはさみの扱いを確認しておきますが、はさみの場合、刃渡りが80mmを超えるものを「正等な理由無く」持ち歩いた場合は、銃刀法の規制を受けることになります。

それより小さなものでも、危険物と見なされれば軽犯罪法が適用され、任意提出(所有権を放棄して提出。事実上の没収)させられます。


次は、管理人が「防災グッズ」としてお勧めするはさみなのですが、これをEDCとするのは、サイズ的にも法律的にも、ちょっと難しいかなというものです。とはいえ特殊なものではなく、普通のキッチンはさみなんですが。
Scisores_013
もちろん、一般的なはさみとしても汎用性が高いものですが、管理人がお勧めするポイントはここ。
Scisores_008
画像のように分解できるタイプが、より汎用性が高くてお勧めです。これならばはさみとしてだけでなく、簡易ナイフや汎用スパイクとしても使えますから、避難行動中や避難生活中には何かと役に立つはずです。

問題は、刃渡りが80mmを超えるだけでなく、こういう使い方もできてしまうということ。
Photo
こうなると、完全に「凶器」なんですよね。例えば通勤用バッグの中にキッチンはさみが入っていて、しかもこんな形状になるとなれば、所持している「正当な理由」を説明するのは困難です。

ですから、こんなタイプは家や仕事場に装備する、「非常持ち出しセット」に装備されることをお勧めします。現実的には、小型ナイフよりもはるかに役に立つものだと思いますよ。

次回は、ちょっと特殊だけれど、実はいちばんEDCしたいはさみについてです。最初の画像にある、妙な形のはさみが気になっている方も多いのでは?

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2013年7月18日 (木)

【事後報告など】宏観現象による地震警戒情報【7/18】

久しぶりに、「千葉県北部の井戸」の情報です。今回は事後報告となってしまいましたが、記録する意味も含め、こちらで報告させていただきます。

最近、茨城県南部及び千葉県北東・北西部の、あの井戸に影響が出ると思われる震源域は、一時の完全沈黙の状態が終わり、2~3週間に一度程度と、散発的に小規模地震が発生しています。そんな中、数日前から井戸水に臭いが出始め、7月15日には、かなりきつい臭いが出ていたそうです。

そして7月17日の午後10時56分、千葉県北西部の深さ90kmを震源とするマグニチュード4.1の地震が発生し、関東南部で最大震度1を記録しました。

幸いに小規模でしたが、過去の状況とも考え合わせれば、タイミング的に井戸の変化と関連があると考えられます。なお、井戸に変化が出た後に起きる関連がありそうな地震は、震災直後の超多発期を除けば一回のみで終わることが大半でしたが、地下の状況は継続的に変化していますので、今回もこれで終わりだとは必ずしも言い切れません。17日の地震の後も、水の臭いは若干続いているとのことですので、念のためしばらく警戒してください。


一年ほど前までは、千葉県北部の井戸に変化が出ると、周辺で震度4以上の地震が起きることが比較的多かったのですが、その後時間の経過と共に、地震の頻度も規模もかなり下がっています。震災から二年半近く経ち、このような傾向は当然と言えば当然なのですが、その一方で、震災による地殻変動の影響で、周辺地域で誘発される大規模地震の確率は、むしろ上がっていると考えるべきです。

過去、世界で起きたマグニチュード9クラスの地震の後には、本震震源域周辺でマグニチュード7以上の誘発地震が例外なく発生しています。しかし今震災の後には、3月12日の長野県栄村地震、3月15日の静岡県富士宮地震の他は、大規模誘発地震が発生していないのです。

しかも上記のふたつは内陸の断層が動いた直下型であり、過去の例からすれば、本来「起こるはず」のプレート境界型の大規模誘発地震は、いまだ起きていません。さらに、過去マグニチュード9クラスの超巨大地震の後にこれも例外無く発生している、震源域近隣の火山噴火も起きていませんし、現時点ではその兆候もほとんどありません。

これが人類が知る巨大地震史における初の例外となるのか、時間は経ってもやはり起こるのかは誰にもわかりませんが、メカニズム的にも起こる理由が存在することが明らかな以上、当然のように起こると考えなければなりません。

震災から二年半近くが過ぎ、ふと気がつけば、最近は緊急地震速報が出るような地震も滅多に起きなくなっていますし、あれほど騒がれた富士山にしても、世界遺産登録騒ぎの陰で、噴火の話は話題の表舞台からすっかり消えた感がありますね。無闇に恐れる必要はありませんが、しかし忘れてはならない現実もあるのです。


ところで、携帯電話や対応スマホに届く緊急地震速報の警報音が変わります。あの、心臓に悪い「ギュイギュイ・・・」という音の後に、女声の合成音声で「地震です」が加わるそうです。これは、警報音だけではわかりづらいという声が多かったことによる変更ですが、現行の携帯電話はほとんど対応せず、これから発売の新型機からだそうです。スマホやタブレット端末は、対応アプリの導入や更新で対応できるものもあるとのことですが、キャリアによって対応に差があるようです。詳細については、今後の発表を待たなければなりません。

余談ながら、このニュースの記事を見ると、緊急地震速報の警報音を「ブオー」と文字表記しているものがありますが、あの音のどこか「ブオー」なんでしょうかね(笑)なお、どうでも良いことなのですが、あのような音は、正しくは「注意喚起音」と呼ばれます。でも、面倒だから(笑)一般的な「警報音」と表記しています。

さておき、その音を聞いた時、あなたはただ立ち尽くしてしまうのか、すぐに周囲の状況を確認して次の行動に移れるのか、どちらでしょうか。大地震から「生き残る」ために最も大切なのは「最初の1分」の行動なのです。さらに言えば、生命の危険があるような状況では、「最初の数秒」の行動によって、結果は大きく変わって来ます。そして、その瞬間の最も効果的な行動は、普段からの意識と備えによってのみ、可能となるのです。

当ブログでは、過去記事【首都圏直下型地震を生き残れ!】シリーズ(「地震・津波対策」カテゴリ)を中心に、シチュエーション別の「その時」取るべき行動についても考察しています。併せてご覧ください。


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2013年7月16日 (火)

【EDCグッズ10】アーミーナイフは使えるか?

■EDCとはEvery Day Carryの頭文字。毎日持ち歩く装備を意味します。

今回はEDCグッズとして、いわゆるアーミーナイフを装備すべきかについて考えます。EDCでなくても、非常持ち出しに装備を勧めている「防災マニュアル」も見かけます。

しかし、当ブログでも何度も触れていますが、刃渡り5.5cm以上のナイフを「正当な理由無く」持ち歩くことは、銃刀法で禁止されています。銃刀法が適用されないものでも、軽犯罪法による危険物の所持とみなされる可能性も高いのです。そして、業務等での使用以外の、防災や救護目的での所持は「正当な理由」とは見なされず、街頭はもちろん、震災被災地でボランティアが所持していた刃物類も、ことごとく任意提出(事実上の没収)させられているのが現状です。

ですから、当ブログとしてもEDCグッズとしてはお勧めしないものの、「あればなんとなく役に立ちそうな」多機能アーミーナイフが、災害下で本当に役に立つのか、あくまで機能面から考えてみたいと思います。

下画像は、管理人の私物です。
Knive_008
小さい方は15年以上前から持っていて、アウトドアでかなり使い込んでいます。かつて刃物の規制があまり厳しく無かった頃はEDCとしていましたが、現在は外しています。

管理人がかつてアーミーナイフをEDCとしていた最大の目的は、救護用でした。動かせない重傷者を救護する際に、衣服を切って患部を露出させたり、一緒に装備しているガーゼや包帯、止血パッドを切ったりする用途を第一に考えての装備です。

しかし、それならばアーミーナイフでなくてもいいわけですが、より多用途に対応できる方がいいという「気分」の部分も大きかったわけです。そのようにかなり長い間使ってはいますが、アウトドアレジャーも含めて、ナイフ以外の機能を実際に使ったことは、ほとんどありませんでした。

アーミーナイフには様々なバリエーションがありますが、基本機能は缶切り、栓抜き、マイナスドライバー、汎用スパイク、ヤスリなどで、大型のものならば、ノコギリ、ワインオープナーなどが追加されます。上画像の大型のものは、ワインオープナーとパン切りナイフがついている、ちょっと“優雅”なモデルです

かつては、栓抜きと缶切りは災害下でもかなり役に立つものでした。1995年の阪神・淡路大震災では、缶詰があっても缶切りが無くて往生したという話も多かったのです。しかしその後、缶詰はプルトップ缶が、飲料はペットボトルが主流になりましたから、事実上ほとんど必要なくなりました。

その他の機能は、アウトドアで枝を切ったり、機械類をいじったりする際のものが多いので、災害下でなくてはならないものでもありません。そのような機能にしても、あくまで応急的に使えるというレベルであり、決して使いやすいものでもありません。

ではナイフとしてはどうでしょうか。下画像をご覧ください。
Knive_011
Knive_012
ナイフの刃を出して握った状態です。普通は素手で持つことが多いでしょうが、どう思われますか?刃物を使いなれた方ほど、「危ない」と思われるのではないかと思います。特に小型の方。

アーミーナイフなど小型の折りたたみナイフには「つば」がありませんから、この状態で手が前に滑ったら、指をざっくりと切ってしまいますし、実際に、そのような事故は少なく無いのです。

アウトドアレジャーでの一般的な使い方ならともかく、EDC装備の場合は、災害直後の混乱の中で、大きな力のかかる使い方をすることが想定されます。その場合、ナイフを使い慣れていない方は、大きなケガをする可能性があります。災害直後には満足な治療を受けることもできませんから、そんな中で手を痛めるリスクはなるべく避けるべきです。

さらに、アーミーナイフの刃程度では、ブレードの背を石などで叩いて固いものを叩き切ったり、固いものをこじ開けたりできるような強度もありません。無理をすれば刃こぼれし、作業中にブレードが折れたりすれば危険極まりないのです。そもそも、都市部の災害直後で小型ナイフが役に立ったという話も聞きません。もちろん、身体ひとつの避難生活中にはいろいろ用途はあるかもしれませんが、多用途のアーミーナイフである必然性はほとんど無いと考えます。

なお、画像のものはオリジナルのヴィクトリノックス社製ですが、形だけ真似た安価で強度不足のものも多く、ハードな用途ではさらに大きな危険が伴います。

このような多機能ナイフは、スイス軍が装備していることから、「アーミーナイフ」と呼ばれるようになりました。軍用品ならばハードな用途にも耐えるのでは無いかと思われがちですが、軍隊の場合は頑丈な銃剣や大型ナイフを別に装備しており、アーミーナイフを実戦の場で使うようなことは想定されていません。軍用であっても、あくまで主に平時に使うための「便利ツール」なのです。


以上、当ブログの結論としては、EDCとしてのアーミーナイフは「積極的に装備すべきものではない」とします。言うまでもなく、法律の規制で持ち歩くことができないということが前提ではあります。

最後に、大型の方のアーミーナイフの画像をもう一度ご覧ください。
Knive_006
この中の機能でひとつだけ、実際の被災者の声でも「あると助かる」と言われるものがあります。おわかりでしょうか。

グリップの中に挿入されている、小さなピンセットです(画像では、グリップの下に置いています)被災後の後片づけなどの作業中に指にとげが刺さることがよくあり、とげぬきが欲しかったという声が多いのですが、このピンセットはとげぬきとして使えます。刺さったとげを放置すると化膿する可能性が高いので、すぐに抜き取らなければなりません。

いろいろ考えたのですが、現代において、アーミーナイフが持つ機能のうち、実際の災害現場からの声とぴったりの機能は、これくらいなのかなという感じです。本文とは関係無く、EDCまたは非常持ち出しに、とげぬきを加えておくことお勧めします。


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2013年7月12日 (金)

【本棚の地震対策08】最終回・まとめステージ

今回は【本棚の地震対策】シリーズ最終回として、まとめステージをお送りします。ここまで紹介して来た対策、いかがだったでしょうか。専用器具を一切使わず、かなり安価で効果的に本の落下を防げる方法です。

そこで皆様が実際に気になる部分は、「本当はどれくらい効果があるのか?」という部分だと思います。あのブログ、大袈裟に書いてないか?と思われるかもしれません。書いている管理人も、その効果をなかなか文章で表現しきれない部分にジレンマを感じておりました。

一応、震度○クラス程度まで大丈夫というような書き方をしておりますが、地震の揺れには様々なタイプがあり、さらに建物の場所、状態、本棚の高さ、固定状態、本の形状や重さなど、変動要素があまりにも多いのです。そのため、かなり曖昧な表現にならざるを得ないのですが、実際に実験を繰り返した感覚から言うと、「想像以上の効果がある」方法です。実験では、各ステージで「落ちるまで揺らす」方法を採りましたが、感覚的には「これでも落ちないのか」と感じることも多々ありました。

突っ張り棒を使わないサードステージ、またはスペシャルステージ前編までの対策でも、揺れの周期がある程度長ければ、震度6強程度までは大丈夫だろうと感じたことが多いのも事実です。比較的震動周期が長かった東日本大震災の震度6強地域における、耐震性が高い住宅内の映像を見ても、「あのくらいなら大丈夫だ」と感じます。

そのクラスになれば、建物自体が損傷を受ける可能性も高いのですが、それでも本の落下をしばらくくい止める効果は確実にあります。あくまで保証はできないので、なんとも歯切れの悪い表現しかできませんが、「やって損は無い対策」だということは言い切れます。


ところで、このシリーズ記事をご覧になって、すぐに対策を進められる方、実際にはあまり多くないのではないかと思います。なにしろファーストステージの段階で、本棚から本を全部出さなければ対策できません。それはかなりハードルが高い作業ですよね。

そこで、まずはセカンドステージから始められることをお勧めします。それなら本を出さずに作業できますし、底板のスポンジテープこそが、この対策の肝なのです。それだけで、想像以上の効果があります。セカンドステージでもウレタン製の隙間テープを貼った方が良いのではないかというご意見もあるかと思いますが、スポンジテープの方が変形しながら本を受け止め、摩擦力で動きを止める効果が大きいと思います

なお、スポンジテープは横方向の強い衝撃を何度も受けるとテープ部分とスポンジがはがれ始めますので、実際に本が暴れるような強い地震があった後はすぐ点検し、はがれていたら貼り替えることをお勧めします。


もし美観をあまり気にされず、出し入れも少ない本棚の場合は、本の下に食器棚シートかノンスリップシートを敷き、さらに本の前面に突っ張り棒を渡してしまえば、最も効果的に落下を防ぐことができます。その場合、なるべく本が動かないように突っ張り棒を渡すと、より高い効果が期待できます。

一旦本を出して作業される際は、重量のある本はなるべく下段に入れ、同じ棚の本の高さがなるべく揃うように入れ替えることで、対策の効果がよりアップします。


以上で【本棚の地震対策】シリーズを終了します。安価で簡単しかも効果的な方法ですので、ぜひご活用ください。最後に、スポンジテープを使う方法のヒントをご教示くださった当ブログ読者の方に、この場を借りて改めて御礼させていただきます。


・・・ついでに。当シリーズの実験画像に登場している本は、どれも災害対策に非常に役立つ、管理人お勧めのものです(もちろん村上龍作品は除く)特に、「大震災名言録」は、阪神・淡路大震災の現場を綿密に取材した、震災被災地の「現場では何が起きていたのか」が良くわかる名著だと思います。著者自身が被災者であるが故の、被災者目線の内容です。

この本を読むと、決して報道されない裏話、「美談」の裏に隠された現実、避難生活の本当の困難さ、被災者の本音などがわかりますし、現場から得られる災害対策のヒントも満載です。報道を見ているだけでは、いかに被災地の現実がわからないのかを思い知らされますよ。1996年初版の古い本ですが、もし入手できましたらご一読をお勧めします。読み物としても非常に興味深い、「笑えない笑い話」も満載です。

いずれ、内容の一部を当ブログでも紹介させていただこうかと考えています。その他のマニュアル本は、軍事をベースにしたかなりハードなものですが、「実戦」で培われたこその、一切の曖昧さが排された「本当に役に立つ」サバイバルマニュアルです。興味がおありになりましたら、是非どうぞ。


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2013年7月11日 (木)

【管理人ひとりごと7/11】EDCで検索!

通算550号記事は、管理人ひとりごとです。

最近、「EDC」というキーワード検索で当ブログを訪れていただく方が増えております。そこで、管理人も「EDC」で検索してみました。

そうしたら、everyday-carry.comというサイトを筆頭に、化学物質、会社名、医療器具、プログラミング用語から欧州防衛共同体(架空)まで、まあいろいろ出て来ること(笑)

当ブログで言うEDCとは、言うまでもなくEvery Day Carryの頭文字で、「毎日持ち歩かなければならない」防災グッズを指しています。その発想の元は、米国の私服警官が常時携帯する装備品でした。できるだけ小型・軽量が望ましいと同時に、「実戦」に対応できる性能を持っていることが求められます。あちらでは格闘や銃撃戦が起きる可能性が常に高いですから、見掛け倒しの装備では生命に関わります。その点で、我が国とは緊張感が違いますね。

そして、私服警官装備ならではの条件として、「隠匿性」があります。警察官であることを悟られないように、目立たずにさりげなく携帯できなければなりません。もちろん防災グッズを隠す必要は無いのですが、目立たないということは、即ち小型・軽量はもちろん、どこにでも収まりやすい形状ということでもあります。

それはまさに、日常的に持ち歩く防災グッズに求められる条件とぴったりであり、その発想を防災グッズのセレクションとキャリイングに活かそうと考えたのが始まりです。ですから、防災関係でEDCという言葉を使っているのは当ブログだけ・・・だと思っていたら、「EDC 防災」で検索したら、結構いらっしゃるんですね。正直、びっくりしました。我が国ではそんなに一般的な言葉じゃないと思っていましたが、こと防災グッズに関してはEDCが重要ですから、いろいろな情報が発信されていますね。


ところで、現時点では市販品の中から適当なものをピックアップして、場合によっては少しアレンジしてEDCグッズとしていますが、実は、かなり不満があるのも事実です。「ここをこうすれば、もっと便利なのになぁ!」と感じることが多いのです。

そこで、管理人は始動することにしました。これから、メーカーさんや商社さんへ製品の改良提案や新製品企画提案をやって行こうと思います。門前払いされることも多いでしょうし、コストなどのハードルも高いでしょう。それでも、より良い製品にすることには自信があります。夢は、SMC防災研究所オリジナルの「生き残れ。」モデル(←ネーミングは一考の余地ありw)EDCグッズを作ることです。

ちなみに、管理人はかつて営業職経験が長かったので、自分の提案を売り込むということに、ちょっと興奮しております。押し付けられたモノと数字ばかりこなして来ましたから(笑)当然ながら、提案活動の過程を公開することはできませんが、いずれ当ブログで成果を発表できることを信じて、間もなく始動します。

でも、暑いから秋からにしようかな・・・(笑)


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【本棚の地震対策07】スペシャルステージ【後編】

スペシャルステージ後編です。今回で、具体的な対策については最後となります。

前回記事で、本の下にノンスリップシートを敷くことで、本の動きや跳ね上がりをほぼ完全に抑えることはできましたが、本に全く動く余地が無いことで慣性エネルギーの逃げ場がなくなり、スポンジテープを使った対策より早い段階で、本の回転運動が発生してしまいました。

それでも、感覚的に直下型の震度5クラスまでは十分に対応できるように思えますが、やはりそれだけでは不十分です。そこで、ここでも「突っ張り棒」の登場です。
Photo
フォースステージと同様に、本の上に突っ張り棒を渡すことで、本の回転を押さえるわけです。これで、突っ張り棒が外れない限りは、当実験において直下型の震度7を想定した揺れを加えても、本は落ちませんでした。

ところで、せっかくノンスリップシートを入手したのなら、それを使ってさらに効果をアップさせましょう。ノンスリップシートを2~3cm角くらいに小さく切って、突っ張り棒の両端に挟むのです。そうすることで、突っ張り棒と本棚の間の摩擦力が飛躍的に大きくなり、より強い力を加わっても外れにくくなります。

ここまでの実験の通り、突っ張り棒は非常に大きな揺れになった際の「ゴールキーパー」的な働きをしますから、これが外れにくくなることで、より大きな耐震効果が期待できるわけです。ノンスリップシートとの組み合わせは、もちろんカーテンを釣るなどの、突っ張り棒本来の使い方でも大きな効果を発揮します。

なお、ノンスリップシートは10cm角くらいの小さなものが100円程度で販売されていることもありますので、突っ張り棒補強だけならば、それを利用すると良いでしょう。


ノンスリップシートを本の下に敷く場合の問題は、摩擦力が非常強いために、本を取り出す時に、手前に滑らせることができないことでしょうか。突っ張り棒を上に渡していると、上に抜き取ることも、手前に回転させることもできませんから、ちょっと不便になるのも確かです。ですから、普段あまり出し入れしない、重量がある事典や学術書などの棚に使うのもひとつの方法かと思います。

なお、ノンスリップシートは長期間動かさないと、表面が溶けて本や本棚に貼り付いたり、跡が残ることがあります。それを避けるには、ノンスリップシートの上にファーストステージで使った食器棚シートを重ねるという方法もあります。

摩擦力はノンスリップシート単独の場合より落ちますが、食器棚シート単独の場合よりはずっと強力になり、本の出し入れがしやすくなる「合わせ技」です。


ここまでで、【本棚の地震対策】シリーズの本編は終了です。何かとやりづらい本の落下対策が、手に入りやすい安価な資材で、効果的にできることがお解かりいただけたかと思います。いかがだったでしょうか。でも、「じゃあ、明日にでもすぐに対策しよう」と思われた方、あまりいらっしゃらないのではないかとも思います。

そんなことも含めて、次回はシリーズ最終回として「まとめステージ」をお送りします。

■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

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2013年7月 9日 (火)

側撃雷でまた犠牲者

7月8日、激しい雷雨に見舞われた東京都北区の荒川河川敷で、大木の下で雨宿りをしていた男性3人が落雷に遭い、ひとりが死亡する事故が起きてしまいました。昨年夏にも、埼玉県内で、木の下で雨宿り中の小学生が命を落としています。

両者に共通するのは、木に落ちた雷の電流が幹の表面を伝って来る際に、近くにいた人体に「飛び移る」、側撃雷(そくげきらい)という現象です。過去記事でも触れていますが、我が国での落雷による死者のうち、この側撃雷によるものが最多となっています。つまり、木の下で雨宿りをしている時に、その木に落ちた雷でやられるのです。

実は、極めて個人的なことなのですが、管理人はかつて8日の落雷現場の近くに住んでおり、現場に何度も行ったことがあります。落雷したのは周囲から突出して大きな木で、皮肉なことに、管理人はその木に落雷することを想定して、例の「木のてっぺんを45度で見上げる場所」を実地でシミュレーションしていた木そのものなのです。そこに本当に落雷して、犠牲者が出てしまったことにショックを受けています。

その木の周囲はかなり開けていて、雨宿りできる場所はほとんど無いので、落雷シミュレーションをしながらも、「豪雨が来たら、この木の下に入りたくなるよな」とも考えていました。しかし、自然の猛威はやはり見逃してくれませんでした。開けた場所に立つ大木と、非常に激しい雷雨という組み合わせで、起こるべくして起きてしまった事態なのです。

現実問題として、仮に十分な雨具を持っていたとしても、激しい雷雨の中で、大木などの近くで動かずにしゃがんでいるというのは、相当の勇気が必要なことです。雨具が無ければなおさらです。言うまでもなく、そこで傘をさすのは危険極まりないことです。そうなると、できることはやはり「早めの避難」しかありません。8日の事故現場で言えば、すぐ目の前の堤防の反対側には、避難場所として理想的な河川広報センターがありました。おそらく、そこへ避難した人も多かったのでしょう。


現在は、携帯電話やスマートホンで気象レーダー情報を見ることができますので、空模様が怪しくなってきたらすぐに確認し、激しい降雨域、つまり強い積乱雲が接近してきたら、迷わず行事を切り上げて避難するしかありません。屋外で活動する際には、最初から避難場所を決めておく必要があります。近くに車があれば、その中に入れば雷雨からは安全です。

河川敷にはグラウンドもあり、子供のスポーツイベントも多いわけですが、引率する大人は常に空模様や気象情報に気を配り、タイミングを逃さずに避難指示を出さなければなりません。屋外イベント責任者は、雷雨の危険が迫ったら早い段階で中止して避難するということを事前に参加者に説明し、同意を得ておくことも必要です。

感覚的には、早すぎるくらいで良いのです。積乱雲が強力な場合、はるか遠くでゴロゴロいっている状態や、雷鳴や稲光を全く感じず、上空がまだ明るい状態で落雷したということも、少なからず起きています。雷雨の場合、雨が降り始めてからでは、確実に遅すぎます。

さらに、強い雷雨を起こす強力な積乱雲が発生しているということは、雹や竜巻の危険もあるということです。豪雨による小河川の氾濫や、低地の冠水が起こることもあります。一部に、落雷は雨の前が危険で、降り始めたら大丈夫というような説もありますが、雨宿り中に側撃雷にやられるのが最多ということからも、それが全く根拠の無い迷信であることがわかります。

屋外、特に開けた場所や雷の多い山間部などで活動する際には、まず周囲の状況を良く確認し、そのような事態に対する対応手順と、避難方法を十分に検討しておかなければなりません。「そんなはずはない」、「なんとかなる」、「今まで起きたことはない」という発想は、全く通用しないと考えなければならないのです。

当ブログでも、過去記事で雷や雹に関する避難方法などの記事をアップしています。カテゴリ【気象災害】にまとめてありますので、参考になさってください。


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2013年7月 8日 (月)

【本棚の地震対策06】スペシャルステージ【前編】

今回と次回は、題して「スペシャルステージ」です。ここまでの対策は、当ブログ読者のドクターから教えていただいた、スポンジテープを使う方法を管理人がアレンジしたものでした。ここからは、実験をしている最中に「あれも使えるんじゃないか?」と、ふと思いつき、テストを繰り返した方法です。

フォースステージまでは、4つの資材を使って本の滑りと跳ね返り、さらに回転を抑えることで、落下を防ぎました。ならば、最初から本を「動かなく」してしまっても良いのではないか、という発想です。

そこで用意したのが、これです。
Antiskid02
特殊スポンジ製のノンスリップシートです。表面に非常に摩擦係数が高い加工が施された網の目状のスポンジシートで、クッション効果もかなりあるので、例えば車のダッシュボードに敷いて物を乗せておいても、普通の走行程度の震動やG(重力加速度)では全くずれない、跳ねない、落ちないという優れ物です。画像の製品は20cm×125cmで450円でしたが、大抵のホームセンターで同様の商品が入手できますし、もう少し安いものもあるようです。

余談ながら、ホームセンターには、防災用品売場以外にも災害対策に使える資材がたくさんあります。出来合いの製品はむしろ用途が限られ、コストがかさむことも多いのですが、このような「創意工夫」でより安く、簡単に対策できることも多いのです。

もちろん、専用の防災用品を否定するわけではありません。専用品ならではの性能が必要なことも多いのですが、そこは「ハイ・ロー・ミックス」という発想で。危険度が高い部分には十分コストをかけ、小さい部分はできるだけ安く上げるということです。本棚の例で言えば、本棚を壁に固定する器具は頑丈な専用品で、本の落下防止は、汎用品の流用で安く上げるということになります。すべて専用品だったら、本棚ひとつで対策に数万円かかりますから。

もうひとつ大切なことは、すべての災害対策に共通することなのですが、災害対策のために、日常生活のクオリティを落としてはいけない、ということです。これも本棚を例に取れば、本を落としたく無いのならば、まず「突っ張り棒」を本棚の前面に渡してしまえば、それだけでかなりの地震に耐えられるわけですが、それでは本の出し入れに大きな支障があります。そんな面倒なことをやっているうちに、「邪魔だからしばらく外しておけ」となって、対策が有名無実になっては意味がありません。

未だにありますよね、非常ベルの誤作動を嫌ってスイッチを切ってしまい、本当に火事が起きても気づかないというようなこと。ああなっては元も子も無いということです。

すっかり本題からそれてしまいましたが、災害対策を進める上でとても大切なことなので、敢えて記しました。


では、ノンスリップシートを本の下に敷いてみましょう。フォースステージまでの資材はすべて取り除きました。こんな感じです。
Nonsliip_002
この状態で揺らしてみると、震動周期約1秒、最大振幅約30cm、さらに縦揺れも加えた、当シリーズで想定している直下型の震度7クラスの揺れでも、本は全く滑らなければ跳ねもしないのです。その摩擦力とクッション効果は絶大です。震度5クラス程度までは、これだけでかなり落下防止効果がありそうです。

しかし、この動きは防げませんでした。「回転運動」です。本はその場を全く動きませんが、揺れが強くなると、本は手前下側の角を支点にして回転し、転がり落ちます。このままでは、震度6クラス以上だと対応できないことも多いでしょう。スポンジテープ使用の対策の場合、本はある程度動くことができましたが、ノンスリップシートの場合、本は全く動きませんので、より早い段階で回転運動が発生してしまうのです。

その動きを押さえる方法は、また次回「スペシャルステージ【後編】」で。皆様もう大体おわかりですよね。でも、さらにおまけもあります。

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【航空機事故】アシアナ機落着事故について【7/8】

サンフランシスコ国際空港で、アシアナ航空のボーイング777型機が着陸に失敗し、大破炎上しました。今回は、この事故について、現時点での管理人の見解と対策などを記しておきたいと思います。

原因はまだ調査中ですが、ひとつ確かなことは、何らかの理由で滑走路端部のランオフエリアに機体尾部が接地して破壊され、そのまま地面に叩きつけられるように着地する落着(クラッシュランディング)という状態になったということです。着地の際の激しい衝撃で主脚、前脚とも折れ、胴体着陸のような状態で滑走路上を回転しながら500mほど滑り、滑走路横に逸脱して停止しました。

なお、一定以上の衝撃で着陸装置が折れるのは正常で、もし折れないと胴体や翼に食い込んで中にある燃料タンクを破壊し、爆発炎上する可能性が大きくなります。それを防ぐための「フェイルセイフ」(予防安全)設計が機能したということです。

落着時に二基のエンジンも設計通りに脱落しましたが、脱落した右翼の第二エンジンが機体に食い込み、その中に残った燃料が出火したため、火が機体に延焼しました。機体に延焼するまでにはかなり時間がかかったようで、自力で動ける乗客が脱出する時間は十分にあったはずです。幸いなことに胴体や翼内の燃料タンクは大きく破損せず、大量の燃料が漏れることも防がれました。これも、エンジン脱落時などには自動的に燃料系統を閉鎖する安全設計が機能した効果と思われます。

滑走路手前に着地する、いわゆる「アンダーシュート」の状態(逆に、着地が遅れるのは「オーバーシュート」)になった原因はまだわかりませんが、当時は晴天で視界良好、横風4mという着陸には全く支障のない気象条件で、急激に風向風速が変わる「ウインドシア」が発生した可能性はほぼありません。

これは強い積乱雲の近くや寒冷前線通過時に起きやすいもので、特に積乱雲から発生する強い下降気流(ダウンバースト。ごく局地的なものはマイクロバーストと呼ばれます)によって、着地寸前の航空機が急激に下降することによる事故は過去何度も起きていますが、今回のケースにはあてはまらないでしょう。

報道からはまだわかりませんが、先に同滑走路に着陸した機体が残した航跡乱気流(ウェイクタービュランス)に巻き込まれた可能性も、若干ながら考えられます。

機体故障などの要因が無いと仮定すれば、パイロットミスの可能性も出て来ます。以下は管理人の個人的印象ですが、落着した機体の映像からは、右翼に残ったフラップ(低速時用の高揚力装置)が、通常の着陸時ほど展開されていなかったように見えます。通常、着陸時には翼の後部から垂れ下がるように大きく展開されるもので、落着の衝撃ですべて中間位置に戻るということは、構造的に考えられません。

管理人の印象が正しいとすれば、フラップが半展開状態、つまり通常より高速度での着陸が必要な状態で、速度が落ちすぎたことによって急激に揚力を失った可能性があります。現時点では機体異常は見つかっていませんし、もし故障ならば各種の警報装置が作動しますので、パイロットが気づかないことはまずありません。

現時点での管理人の個人的印象では、以下のような状況が想像されます。
■気象条件が良いので、副操縦士の訓練として、フラップ半展開状態の高速度着陸訓練を行っていた(通常運行中に訓練をすることはありますが、このようなケースが正当だったかはわかりません)
■フラップには着陸後の空気抵抗板としての働きもあり、半展開状態で抵抗が少ないため、オーバーランしないように滑走路なるべく手前に、許容最低速度ぎりぎりで下ろそうとした。
■フラップ展開警報や失速予告警報が作動した可能性があるが、訓練のため無視した。
■なんらかの事情で許容最低速度を下回り、揚力を急激に失って失速、降下率警報が作動したが、低高度のためにリカバリできず、そのまま落着した。

と、ここまで書いた時点で、やはり777型機の飛行時間が43時間という副操縦士の訓練を行っていたことが報道により明らかになりましたが、訓練の内容についてはまだ明らかにされていません。また、機体から回収されたDFDR(デジタルフライトデータレコーダー)の解析により、着地1.5秒前にパイロットが着陸復航(ゴーアラウンド)の操作をしたものの、高度が低すぎて間に合わなかったということもわかりました。

ゴーアラウンドの操作とは、エンジンを離昇出力、つまりほぼ全開にセットし、フラップを数段格納して抵抗を減らし、加速上昇状態に移行することですが、ジェットエンジンはスロットルレバー操作から出力が上昇しはじめるまでに数秒のタイムラグがあり、フラップも1.5秒程度ではほとんど動きませんから、機体は操作に反応しないまま落着したはずです。

ここまで、7月8日時点での管理人の個人的印象を記させていただきました。当局の調査結果を待ちたいと思います。


では、このような状況で乗客が身を守る手段はあるのでしょうか。今回のような事態では、客室乗務員が乗客に警告する時間も無かったはずです。

これは以前にも述べたのですが、特に離着陸時、何らかの異常を感じたら、自分の判断ですぐに「対衝撃姿勢」を取ることです。例えば離陸滑走時に加速が急に鈍ったら離陸中止の可能性が高く、その後、滑走路逸脱やオーバーランの危険があります。着陸時に異常な振動や急激に高度を失う動きを感じたら、今回のようなケースや、最悪の場合は滑走路手前に墜落・落着することもあります。

そのような場合、次に襲って来る可能性が高い。凄まじい衝撃に備えなければなりません。自分の判断で、すぐに対衝撃姿勢を取るのです。対衝撃姿勢がどんなものか知らなければ問題外ですので、航空機に乗る際は、必ず「安全のしおり」(セーフティ・インストラクション)や機内放送を良く見て、緊急時の対応を良く知っていなければなりません。


航空機が墜落・落着した際の死因のトップは、重い頭が激しく振り回されることによる頸椎損傷です。まず、頭をできるだけ固定して首を守らなければなりません。そこまで衝撃が大きくなくても、通常姿勢では顔面が前席、多くの場合固いテーブル板に激突することになります。

また、膝下が跳ね上がって前席にぶつかり、骨折する可能性も高いのです。そうなっては脱出もままなりませんから、脚もしっかり踏ん張って、全身の筋肉を緊張させて、できるだけ固定するのです。なお、膝下を椅子の下に深く折り入れてしまうと、投げ出された自分の体重で骨折することもありますので、膝下が床面に対して垂直になるくらいの感じで、しっかり踏ん張ります。それが、衝撃で身体が前方に投げ出される速度を下げる効果も生むのです。その際、シートベルトをしっかり締めておくのは言うまでもありません。もし余裕があれば、シートベルトと身体の間に毛布、雑誌、新聞、上着などを挟み込むことで、シートベルトが身体に食い込む圧力を弱め、内臓損傷などの可能性を減らします。

そのような対応がケガを防ぎ、ケガをしても軽く済む可能性が高まります。航空機はとても安全な乗り物ではありますが、今回のようなケースもあるということを常に頭の隅に置いておき、対応を考えておくこと。それが「生き残る」可能性を高めるのです。


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2013年7月 4日 (木)

【福島県沖に新傾向】地震関連情報【7/4】

ここ2ヶ月くらいの間に、福島県沖で新しいタイプの地震が増えてきました。

福島県の比較的陸地に近い沖合い海底では、震災後半年くらいから、深さ40〜60kmくらいの「スラブ内地震」が多発しはじめ、現在に至っています。この傾向は、北側の宮城県沖と、南側の茨城県沖とほぼ共通するものです。

その中で、ごく散発的に深さ20〜30kmの地震が起きていましたが、最近その頻度が明らかに上がって来ています。その深さは、東日本大震災本震の震源深さが24kmであったように、太平洋プレートの「スラブ内」ではなく、プレート境界域の深さですから、震災本震の直接的な余震という見方もできます。

例によって、なぜ今増えてきたのかという理由はわかりませんが、特に福島県沖に集中して、その程度の深さでの地震が増えていることは事実です。

もっとも、ほとんどが陸地での最大震度は3以下の小規模地震ではありますが、この震源域で毎日のように起きている深さ40〜60kmの地震が数ヶ月に一回程度は大きめに発震し、陸地の震度が4〜5弱程度、稀には5強になることを繰り返していますから、20〜30kmの地震も警戒しなければなりません。

震源が浅いということは、マグニチュード値が同じでも、地表の揺れはより大きくなるということなのです。福島県沖で増加傾向の地震は、福島県浜通りの沿岸部に最も強い揺れをもたらしますので、改めて地震以外への警戒も見直しておくべきかと思います。


このところ、日本列島は千島周辺から台湾付近まで、本当にまんべんなく揺れています。すっかりその状態に慣れてしまっていますが、大震災前を考えれば、これはあまりにも異常な状態です。ほとんどが小規模地震だからと言って、安心はできません。

日本列島は、その東北端から南西端までを動かす、想像もできないくらい巨大な地殻変動の力に未だ晒され続けているということであり、その力によって、日本列島は軋んでいるのです。

そしてそのひずみは、一番弱い場所の大破壊という形で現れるでしょう。それがどこかはわかりませんが、その可能性のある場所は、今までにも散々報道されて来ています。ただ、過去の例を見るに付け、ほとんど警戒もしなかった場所での大地震が、何度も起きているのも事実です。

残念ながら、「ここは絶対安全」という場所は皆無のようです。我々ができることは、「その時」にどうすべきで、何が必要かを良く知り、愚直に備えを進めるしかありません。

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【本棚の地震対策05】対策4th.ステージ

今回のフォースステージで、対策はほぼ「完成」します。

サードステージまででは、食器棚シート、底板のスポンジテープ、背板のウレタンテープと、3つの対策を施しました。それらの対策で、感覚的には震度5クラス、揺れ方によってはそれ以上の揺れまで、本の落下を防ぐ効果が期待できます。

しかし、さらに強い揺れになった場合には、また違う動きが出て来ます。底板手前のスポンジテープにぶつかった本が、その角を支点にして、回転しながら落ちる動きです。フォースステージは、その動きを抑える対策です。

ものの動きを止めるには、別の動かないものを接触させて抑えるのが最も効果があるわけですが、本の場合は、そうすると出し入れができなくなってしまいます。ならば、本の動きがなるべく小さいうちに、できるだけ小さな力で抑え込むのが次善の策となります。

そこで、これを使います。
のれんやカフェカーテンなどを吊すための、突っ張り棒です。画像のものは幅60cm~100cm幅に対応する、耐吊し荷重5kgのもので、価格は490円でした。ホームセンターやカーテン売場で入手できます。
Spring_bar
これを、本の「上」に渡すのです。装着位置は、下図の赤丸の位置です。
Photo_2
装着時は、実際に本をスポンジテープに当てた状態で回転させ、突っ張り棒が本の動きを押さえる場所に装着してください。本の1cmくらい上となります。この突っ張り棒が効果を発揮するためには、全ての本の高さが一定になっていなければなりません。

突っ張り棒は、その突っ張り力を調整することができますが、本棚の強度と相談してなるべく大きな突っ張り力をかけ、本がぶつかった時にずれたり外れたりしにくいようにしてください。

実験器具の幅では突っ張り棒を装着できませんので、木の棒で装着位置を示します。本はスポンジテープに当たる位置まで前進させてあります。
Shelf_bar_001
これにより、本の手前下の角が隙間テープに当たり、そこを支点にして回転する際に、奥上側の角が「跳ね上がる」動きを止めるわけです。言うまでもなく、本棚の天板と本の隙間が僅かならば、天板が回転運動を止めてくれますので、この対策は必要ありません。


さて、その効果ですが、実験器具に木の棒をガムテープで固定して実験しました。その結果、震動周期約1秒、最大振幅約30cm、さらに縦方向の動きを加えた、当実験で想定した最大の揺れを加えた場合でも、本の落下を抑え込むことに成功しました。

当実験では、この揺れを直下型地震の震度7程度と想定していますが、必ずしも実際の震度7まで耐えられると保証するものではありません。しかし、そのクラスの揺れでも相当な効果を発揮するということは言えます。実は、こんなのは無いだろうというくらいの、さらに大きな無茶な揺れを加えても、棒が外れるまでは、本は落下しませんでした。各ステージの効果が十分に発揮されれば、「ものすごい揺れ」にも耐えられる可能性が高いのです。

念のため繰り返しますが、これらの対策は、本棚が壁などに固定されていて、「建物と一緒に揺れる」ことが前提です。


この実験にかかった経費は、食器棚シート(5m)199円、スポンジ隙間テープ(2m)168円、ウレタン隙間テープ(2m)450円、突っ張り棒(1mのもの1本)490円で、合計1307円です。サードステージまでならば、例えば幅1mで5段の本棚を対策するのに、2053円で済みます。背板に貼るのはウレタン隙間テープを推奨しますが、スポンジ隙間テープを使えば1039円で済むわけです。ちなみに、税別です。

専用の落下防止器具が数万円もすることを考えれば(そちらは落下を100%防ぐものですが)、お小遣い程度でできる効果的な対策です。

さて、以上ファースト~フォースステージで当シリーズは終わりかというと、実はそうではありません。また違ったアプローチからの方法を、続けて紹介します。

名付けて「スペシャルステージ」です。

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2013年7月 2日 (火)

【本棚の地震対策04】対策3rd.ステージ

サードステージです。今回は、セカンドステージの効果をさらにアップする、補助的な方法です。

セカンドステージでは、底板手前側に隙間テープを貼りました。この効果は絶大で、かなり激しく本が当たっても、背板方向に跳ね返します。でも「跳ね返す」という表現は適当でないかもしれません。実際には、スポンジが変形しながら本を受け止めて、その大きな摩擦力で動きを止めたところで、逆方向の揺れによって本が反対側へ戻るというような感じです。いずれにしろ、本の滑りを止める効果は絶大です。

次に本は背板にぶつかり、跳ね返ります。本が固い背板にぶつかると、ほぼ同程度の「反力」で跳ね返されますが、その力をできるだけ減衰させ、跳ね返る速度を遅くしたいわけです。そこで、背板にクッションをつけます。最も簡単な方法が、下画像です。
Dumper02
底板に貼ったのと同じ隙間テープを、背板に貼ります。この場合、本の高さの半分以上の場所に貼る方が効果的ですから、高さの違う本が混在する場合、複数の隙間テープを貼ると良いでしょう。

これだけでも反力を減衰する効果はありますが、普通の隙間テープのスポンジはかなり柔らかいので、当たりがある一定以上の強さになるとスポンジが完全に潰れてしまい、クッション効果が小さくなってしまいます。そこで、こんなものを用意しました。
Bousai_goods_005
これは同じ隙間テープでも、屋外の物置などにも対応する、固めのウレタンフォームを使用したものです。画像の製品は、2mで450円でした。これもホームセンターで入手できます。

これを背板に貼ることで、柔らかいスポンジの場合よりはるかに強い当たりの場合でも、クッション効果を維持できます。これらふたつの隙間テープによって本の飛び出しをブロックし、かつ背板で跳ね返る力を抑えます。図示すると、下のようになります。
Photo
その効果は明らかで、背板に何も貼らない場合、スポンジテープの場合、ウレタンテープの場合と段階的に本の暴れがより抑えられるのが実験からもわかりますが、効果が飛躍的にアップする程のものでもありません。


とりあえず、直下型地震に比較的多い周期1秒程度の揺れでしたら、感覚的に震度5強程度までは、本の落下を防げる「可能性がさらに大きくなる」と言えるでしょう。震動周期がより長い地震ならば、さらに大きな地震にも耐えられる可能性もあります。しかしもちろん、その効果を保証するものではありません。

ここまでの対策では、さらに揺れが強くなると、本が底板前面の隙間テープに当たった瞬間、そこを支点にして回転し、転がり落ちる動きが出てきてしまいますので、その動きを抑えることができれば、より大きな地震にも対応できるようになるはずです。

次回フォースステージは、その「回転運動」を抑えます。


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