【EDCグッズ12】こんなはさみもあります
■EDCとはEvery Day Carryの頭文字。毎日持ち歩く装備を意味します。
今回はちょっと特殊な、でもかなり役に立つはさみについてです。かなりマニアックな世界なのですが。
これは「トラウマシザース」と呼ばれるもので、米軍の特殊作戦部隊の個人装備品、つまり兵士のEDC装備です。
用途は、その名の通りトラウマ(=外傷)を治療する際に、厚手の戦闘服や装備品を切り裂くのが主目的で、手袋をしていても使えるように、サイズはかなり大型です。でもステンレス鋼のプレス成形で重量は約60g(たまご一個分)と非常に軽量ですから、EDCしてもあまり負担になりません。
分厚いナイロンや皮革の装備品も切れるように上刃が非常に鋭く研がれており、ちょっとしたナイフ代わりにも使えます。下刃の先端は負傷者の身体を傷つけないような形状になっており、途中で曲がった形状も、地面に倒れた負傷者を手当する際に使いやすい角度になっているという、プロ仕様の救護はさみです。
屋外での救護用として理想的なものですが、もちろん他の用途でも普通のはさみとして使えます。管理人はリュックを背負って外出する場合に、他の救護用品と一緒に携帯することがあります。EDCではなく、パートタイムキャリーという感じですね。
ではこれを持っていて職務質問されたらどうなるかという問題ですが、救護用とはいえ、刃渡りはかなりありますので、銃刀法でなくても、軽犯罪法の規制にかかるかもしれません。はさみとしてはかなり鋭い刃がついていますので、危険物と見なされる可能性が高いのです。当然、航空機内への持ち込みはできませんし、イベントなどの荷物検査でも、持ち込み禁止となるでしょう。
ですから、管理人もそれなりの覚悟と気遣いをしつつ装備に加えていますし、どなたにもお勧めできるものでもありません。しかしその高機能とEDCしやすさから、ここで紹介させていただきます。「NARPトラウマシザース」で検索すると、少ないながら販売サイトがヒットします。価格は2500円前後です。なおNARPとは、米国の製造元「ノースアメリカンレスキュープロダクツ」のことです。
ところで、トラウマシザースのそっくりさんを見つけました。
ちょっと小型のピンク色の方ですが、これはトラウマシザースの小型版というわけではありません。
形状も構造もそっくりなのですが、なんとこれは「手芸用」で、日本の手芸用品会社「クローバー」が発売しているものです。違いといえば上刃が普通のはさみ程度の鋭さで、下刃の先端に引っかかり防止用のプラスチックキャップがついているくらいで、救護や日常用としても、通常の使用ならばこれで十分という感じです。
なんで手芸用はさみがトラウマシザースとそっくりなのか、手芸のどんな用途であの形状が生きて来るのかはわかりませんが、これの方が危険物と見なされる可能性は小さいので、EDC用としてはむしろお勧めとも言えます。価格も1000円程度で、やはりステンレスのプレス成型で軽量なのが魅力です。
防災グッズというとついナイフに目が行ってしまいがちではありますが、実ははさみが一丁あるだけで、何かと役立つのは間違いありません。文房具レベルでも十分ですので、EDCや非常持ち出しの中に加えてみてはいかがでしょうか。ここでピックアップしたはさみ類はそれなりの価格のものですが、非常持ち出しに放り込んでおくのは100円ショップものでも十分ですし、管理人も「ハイ・ロー・ミックス」で装備しています。
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コメント
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現在は機能面でもハサミの勝ちだと思います。
布、紙、ビニール、皮、プラ、針金(~1mm)、糸、ロープ(~1cm)
この辺りナイフ(フォールディング)はセレーションハサミに敵いません。
ハサミにできないのは、木を削る事と生鮮食品を切ることくらいです。
しかも、針金とプラ以外は ハサミよりもベルトカッターの方が勝ってます。
ベルトカッター様々です。
投稿: りぴ太 | 2013年7月24日 (水) 00時41分
>りぴ太さん
そうですね。誰でも使えて安全だし、自然の中でのサバイバルのような使い方はあまりありませんから、やっぱりはさみですね。
ナイフ、特に小型のフォールディングナイフは、使い慣れてないとほんと危ないですよ。濡れていたり、疲れて握力が弱くなっているときなどは特に。
木を削る用途も、現実的にはそれほど無いでしょうし、ナイフがあると役立つのは、結局は食事の時だけなんてことも多いでしょうね。
投稿: てば | 2013年7月24日 (水) 10時07分
くし付き眉ばさみも同じ様な形ですよ。さすがに耐久性とか切れ味は劣るでしょうが。身だしなみ用品と一緒に持ってればお巡りさんもそれ程突っ込まないかもしれませんね。
投稿: 由一 | 2013年8月24日 (土) 22時35分
>由一さん
くし付き眉はさみ、調べてみました。なるほど、使うときの角度に合わせた形状なわけですね。確かに危険物扱いされる可能性は低いと思いますが、災害時やアウトドアでの使用には、ちょっと繊細すぎるかなという気もします。
ところで、滞っている車EDCですが、実は撮影した写真がほとんどピンボケだったので、再撮影してからアップしますね。
投稿: てば | 2013年8月26日 (月) 02時11分