【本棚の地震対策07】スペシャルステージ【後編】
スペシャルステージ後編です。今回で、具体的な対策については最後となります。
前回記事で、本の下にノンスリップシートを敷くことで、本の動きや跳ね上がりをほぼ完全に抑えることはできましたが、本に全く動く余地が無いことで慣性エネルギーの逃げ場がなくなり、スポンジテープを使った対策より早い段階で、本の回転運動が発生してしまいました。
それでも、感覚的に直下型の震度5クラスまでは十分に対応できるように思えますが、やはりそれだけでは不十分です。そこで、ここでも「突っ張り棒」の登場です。
フォースステージと同様に、本の上に突っ張り棒を渡すことで、本の回転を押さえるわけです。これで、突っ張り棒が外れない限りは、当実験において直下型の震度7を想定した揺れを加えても、本は落ちませんでした。
ところで、せっかくノンスリップシートを入手したのなら、それを使ってさらに効果をアップさせましょう。ノンスリップシートを2~3cm角くらいに小さく切って、突っ張り棒の両端に挟むのです。そうすることで、突っ張り棒と本棚の間の摩擦力が飛躍的に大きくなり、より強い力を加わっても外れにくくなります。
ここまでの実験の通り、突っ張り棒は非常に大きな揺れになった際の「ゴールキーパー」的な働きをしますから、これが外れにくくなることで、より大きな耐震効果が期待できるわけです。ノンスリップシートとの組み合わせは、もちろんカーテンを釣るなどの、突っ張り棒本来の使い方でも大きな効果を発揮します。
なお、ノンスリップシートは10cm角くらいの小さなものが100円程度で販売されていることもありますので、突っ張り棒補強だけならば、それを利用すると良いでしょう。
ノンスリップシートを本の下に敷く場合の問題は、摩擦力が非常強いために、本を取り出す時に、手前に滑らせることができないことでしょうか。突っ張り棒を上に渡していると、上に抜き取ることも、手前に回転させることもできませんから、ちょっと不便になるのも確かです。ですから、普段あまり出し入れしない、重量がある事典や学術書などの棚に使うのもひとつの方法かと思います。
なお、ノンスリップシートは長期間動かさないと、表面が溶けて本や本棚に貼り付いたり、跡が残ることがあります。それを避けるには、ノンスリップシートの上にファーストステージで使った食器棚シートを重ねるという方法もあります。
摩擦力はノンスリップシート単独の場合より落ちますが、食器棚シート単独の場合よりはずっと強力になり、本の出し入れがしやすくなる「合わせ技」です。
ここまでで、【本棚の地震対策】シリーズの本編は終了です。何かとやりづらい本の落下対策が、手に入りやすい安価な資材で、効果的にできることがお解かりいただけたかと思います。いかがだったでしょうか。でも、「じゃあ、明日にでもすぐに対策しよう」と思われた方、あまりいらっしゃらないのではないかとも思います。
そんなことも含めて、次回はシリーズ最終回として「まとめステージ」をお送りします。
■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。
■■当ブログがお役にたてましたら、ブログトップまたは下のランキングタグへご支援のクリックをよろしくお願いいたします。
« 側撃雷でまた犠牲者 | トップページ | 【管理人ひとりごと7/11】EDCで検索! »
「地震・津波対策」カテゴリの記事
- 【熊本・大分の皆様へ】『家の中の地震対策』リンク集(#1192)(2016.05.01)
- 最初の、しかし忘れがちな危険とは(#1157)(2016.03.16)
- ☆再掲載☆高層ビル編14【首都圏直下型地震を生き残れ!39/54】(2013.12.12)
- ☆再掲載☆高層ビル編12【首都圏直下型地震を生き残れ!38/54】(2013.12.06)
- ☆再掲載☆高層ビル編11【首都圏直下型地震を生き残れ!37/54】(2013.12.02)
コメント