【福島県浜通りの地震について】地震関連情報【7/30】
福島県浜通りで多発している地震について、念のため触れておこうと思います。
7月23日から、福島県浜通りを震源とする地震が連続して発生しています。最大の地震は、7月23日午前0時02分のマグニチュード5.2、最大震度4でしたが、その後も7月30日午後2時までの間に、有感地震が合計15回発生しています。基本的には余震と考えられ、発震回数も次第に減って来てはいますが、この震源域は震災後に非常に特徴的な動きをしている場所ですので、引き続き警戒が必要と思われます。
下図をご覧ください。
この図は東京大学地震研究所発表のものをお借りしたもので、震災から約9ヵ月後の2011年12月8日の午前2時30分から過去24時間に発生した地震の震央がプロットされています。
福島県浜通り南部から茨城県北部にかけて、ピンク色の小さな点が密集しているのがわかります。ピンク色は震源の深さが10km以下を表し、丸の大きさはマグニチュード値を表します。このように、震災後ずっと小規模地震が集中している震源域で、時々震度4~5強程度の発震を繰り返して来ました。
ピンク色の集中具合を良く見るとわかりますが、福島県と茨城県の県境付近を境に二つの震源域に分かれており、地震が集中するタイミングも異なっています。今回の多発はすべて福島県内の部分で、震源域北部にほぼ局限されています。
この福島県浜通り~茨城県北部の震源域は、震災本震直後から非常に多くの誘発地震が発生しており、誘発地震の震源域単位では、発生回数が最も多い場所だと思われます。しかし、なぜここで地震が集中するのか、その発生メカニズムは未だに良くわかっていません。
震災からの時間の経過と共に発生回数は漸減する傾向でしたが、7月23日に「久し振りに」震度4クラスが発生しました。その後も普通の余震以上に目立って集中発生していますが、とりあえずその動きも収まりつつあるようです。
震災から今までのパターンで言うと、ここでは小規模地震が多発する中で時々大きめの発震をしており、震災直後を除き、大きめの地震が連続することはほぼありませんでした。さらに時間の経過と共に、大きめの地震が発生する間隔もしだいに伸びて来てはいます。
しかし、今後も同じパターンだとは断言できませんし、この場所に地震が多発する要因があることだけは間違いありませんので、しばらくは推移に注目すべきだと考えます。
今後何か動きがありましたら、記事をアップします。
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