【本棚の地震対策08】最終回・まとめステージ
今回は【本棚の地震対策】シリーズ最終回として、まとめステージをお送りします。ここまで紹介して来た対策、いかがだったでしょうか。専用器具を一切使わず、かなり安価で効果的に本の落下を防げる方法です。
そこで皆様が実際に気になる部分は、「本当はどれくらい効果があるのか?」という部分だと思います。あのブログ、大袈裟に書いてないか?と思われるかもしれません。書いている管理人も、その効果をなかなか文章で表現しきれない部分にジレンマを感じておりました。
一応、震度○クラス程度まで大丈夫というような書き方をしておりますが、地震の揺れには様々なタイプがあり、さらに建物の場所、状態、本棚の高さ、固定状態、本の形状や重さなど、変動要素があまりにも多いのです。そのため、かなり曖昧な表現にならざるを得ないのですが、実際に実験を繰り返した感覚から言うと、「想像以上の効果がある」方法です。実験では、各ステージで「落ちるまで揺らす」方法を採りましたが、感覚的には「これでも落ちないのか」と感じることも多々ありました。
突っ張り棒を使わないサードステージ、またはスペシャルステージ前編までの対策でも、揺れの周期がある程度長ければ、震度6強程度までは大丈夫だろうと感じたことが多いのも事実です。比較的震動周期が長かった東日本大震災の震度6強地域における、耐震性が高い住宅内の映像を見ても、「あのくらいなら大丈夫だ」と感じます。
そのクラスになれば、建物自体が損傷を受ける可能性も高いのですが、それでも本の落下をしばらくくい止める効果は確実にあります。あくまで保証はできないので、なんとも歯切れの悪い表現しかできませんが、「やって損は無い対策」だということは言い切れます。
ところで、このシリーズ記事をご覧になって、すぐに対策を進められる方、実際にはあまり多くないのではないかと思います。なにしろファーストステージの段階で、本棚から本を全部出さなければ対策できません。それはかなりハードルが高い作業ですよね。
そこで、まずはセカンドステージから始められることをお勧めします。それなら本を出さずに作業できますし、底板のスポンジテープこそが、この対策の肝なのです。それだけで、想像以上の効果があります。セカンドステージでもウレタン製の隙間テープを貼った方が良いのではないかというご意見もあるかと思いますが、スポンジテープの方が変形しながら本を受け止め、摩擦力で動きを止める効果が大きいと思います
なお、スポンジテープは横方向の強い衝撃を何度も受けるとテープ部分とスポンジがはがれ始めますので、実際に本が暴れるような強い地震があった後はすぐ点検し、はがれていたら貼り替えることをお勧めします。
もし美観をあまり気にされず、出し入れも少ない本棚の場合は、本の下に食器棚シートかノンスリップシートを敷き、さらに本の前面に突っ張り棒を渡してしまえば、最も効果的に落下を防ぐことができます。その場合、なるべく本が動かないように突っ張り棒を渡すと、より高い効果が期待できます。
一旦本を出して作業される際は、重量のある本はなるべく下段に入れ、同じ棚の本の高さがなるべく揃うように入れ替えることで、対策の効果がよりアップします。
以上で【本棚の地震対策】シリーズを終了します。安価で簡単しかも効果的な方法ですので、ぜひご活用ください。最後に、スポンジテープを使う方法のヒントをご教示くださった当ブログ読者の方に、この場を借りて改めて御礼させていただきます。
・・・ついでに。当シリーズの実験画像に登場している本は、どれも災害対策に非常に役立つ、管理人お勧めのものです(もちろん村上龍作品は除く)特に、「大震災名言録」は、阪神・淡路大震災の現場を綿密に取材した、震災被災地の「現場では何が起きていたのか」が良くわかる名著だと思います。著者自身が被災者であるが故の、被災者目線の内容です。
この本を読むと、決して報道されない裏話、「美談」の裏に隠された現実、避難生活の本当の困難さ、被災者の本音などがわかりますし、現場から得られる災害対策のヒントも満載です。報道を見ているだけでは、いかに被災地の現実がわからないのかを思い知らされますよ。1996年初版の古い本ですが、もし入手できましたらご一読をお勧めします。読み物としても非常に興味深い、「笑えない笑い話」も満載です。
いずれ、内容の一部を当ブログでも紹介させていただこうかと考えています。その他のマニュアル本は、軍事をベースにしたかなりハードなものですが、「実戦」で培われたこその、一切の曖昧さが排された「本当に役に立つ」サバイバルマニュアルです。興味がおありになりましたら、是非どうぞ。
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