『特別警報講演会』に出席してきました【前編】
管理人は、昨日(8/28)に気象庁講堂で開催された『特別警報講演会〜命を守るために知って欲しい〜』に出席して来ました。この「特別警報」制度は、明日8月30日から運用が開始されます。
これから何回かに渡り、講演会の内容についての記事をアップします。記事カテゴリは【気象災害】です。
ところで、当講演会に出席された方はいらっしゃいますか?最初の講演で「特別警報が警報を飛ばして最初から発表されることはあるか?」と質問したのが管理人でございます。なお、答えは「ある」ということでした。
管理人は日頃から、一部の「防災専門家」のコメント等になにかとツッコミを入れているわけですが、この講演会に出席して、ほっとしました。当然ながら、商売絡みではない本物の「専門家」の方々は、避難行動等に関して至極当たり前の合理的な見解をお持ちであり、それは管理人が自ら導き出した見解とも完全に重なるものでしたから、かなり意を強くしたものです。メディアも、本物の「専門家」が出す情報だけを、バイアスをかけずに紹介していただきたいものですね。
そのような情報があまねく広まれば、災害の犠牲を確実に少なくできるなとは思いつつ、現実はそうもいかないという限界も感じるのも事実ではあります。要は、このような制度の問題ではなく、最終的には情報を受け取る個人の問題というわけです。
さておき、特別警報は、
■大雨
■暴風
■暴風雪
■高潮
■波浪
■大雪
の6種類が発表されます。地震、津波、火山噴火に関しても特別警報は設定されますが、従来の制度が危険度によって段階化されているので、今後も発表の形態は変わりません。地震は緊急地震速報、津波は大津波警報、噴火は警戒レベル5が特別警報に相当するわけです。
この特別警報がどんな時に発表されるかというと、概念的には「記憶に残る大災害になるような気象」で、「重大な災害のおそれが著しく大きい時」ということになります。過去の例では、古いところでは昭和34年、死者・行方不明者約5000人の大災害となった伊勢湾台風、平成23年、紀伊半島に年間降雨量の約5割となる2000mmの豪雨で激甚災害をもたらした台風12号、平成24年、九州北部にほぼ7月一ヶ月の平均降雨量が約6時間で降った、九州北部豪雨のような状況になることが予想される場合です。
今年(平成25年)7月末と8月の山口・島根豪雨、東北豪雨も短時間雨量では特別警報のレベルに達していますが、あのような雨がもっと長時間続くような場合とのことです。つまり、特別警報が発表された場合、気象災害に対する脆弱性が存在する場所では、大災害が切迫しているか、場合によっては既に発生しはじめているような状況となります。
ここで注意しなければならないのは、特別警報が発表された時点では、既に豪雨、暴風、豪雪や洪水などで避難行動が困難な状況になっている可能性が高いので、「特別警報が出たら避難せよ」と捉えてはならないということです。特別警報発表時にまだ避難していないのならば、ただちに「命を守る行動をせよ」という最後の一押し、ある意味で「最後通牒」(この表現は講演では使われていませんが)とも言える重大な意味を持つのです
ですから、基本的にはその前段階、「警報」の時点で自分の周囲の状況を判断し、避難行動が必要と判断されれば動き出していなければなりません。特別警報を聞いてからでは、手遅れかもしれないと考えるべきです。警報はあくまでも情報であり、避難の判断するのはあなた自身ということに変わりはありません。
もちろん、特別警報が発表されるような段階では、危険地帯においては市町村から避難勧告・指示が出されているはずです。しかし、それは市町村単位で出されることが多いので、自分の居場所と状況において避難が必要か、または避難が可能かどうかも、すべて自己判断が必要です。
もしそこで安全な避難が不可能と判断したら、そこでできる限りの「命を守る行動」をしなければなりません。それは、豪雨・洪水・土砂災害に関しては、当ブログでも何度も述べている通り、「二階以上に上がる」、「崖から離れた部屋に移動する」、「土石流の予想流域から離れる」などの行動となります。
次回に続きます。
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