【宮城県で震度5強】地震関連情報【8/5】
昨日8月4日午後12時28分頃、宮城県の金華山沖海底、深さ58km(気象庁発表暫定値)を震源とするマグニチュード6.0の地震が発生し、宮城県石巻市で最大震度5強を記録した他、東日本全域で揺れを感じました。
この地震は、東日本大震災の半年後くらいから発生しはじめた、太平洋プレート岩盤内で発生する「スラブ内地震」で、宮城県沿岸部では現在も毎日のように発生しています。そして、数ヶ月に一度くらいの割合で震度4~5強クラスが発生しています。
これは、東日本において震災以降に余震及び誘発地震が多発している地域を示しています。今回の地震は宮城県沿岸の、ピンク色で示した地域で多発しているタイプです。この地域では、現在もほぼ毎日と言える頻度で、同タイプの「スラブ内地震」が発生し続けています。
震災から1年くらいの間は、2~3ヶ月に一度以上の頻度で震度5弱~5強が発生していましたが、時間の経過と共に、大きめの地震の発生間隔が少しずつ長くなる傾向は見られていました。しかし、未だに震度5強クラスが発生する「環境」があるということです。
むしろ、ここ半年くらいの間は、上図のピンク色の地域で発生する小規模地震が若干増える傾向も見えています。メカニズム的に、このタイプの地震がマグニチュード7を超えるような巨大地震に発展することはあまり考えられませんが、マグニチュード6台、震度5強クラスはこの先も発生する可能性が低く無いのは間違いありません。
震災震源域近隣はもとより、日本列島全体が震災による地殻変動の真っ只中にあるのです。震災から約二年半という時間は、当初の激烈な変動がやっと収まりかけているという段階に過ぎず、震災の影響はこの先何十年も続くのです。その影響がどのような形で現れるのかを地域レベルで予想することは困難ですが、確かなことは、唯でさえ大規模地震が何度も発生し続けて来た地域に、歴史的にも滅多にないような大変動が加わっているわけで、影響が無い、または小さいと考えるのは全くのナンセンスです。
ジェンガというゲームがあります。積み上げた木片のタワーから、全体を崩さずに木片を抜いていくゲームです。あのゲームの途中で、タワーが不安定になり始めているときに、下のテーブルが傾いたとしたら。現在の日本列島は、そのような状態にあると考えなければなりません。
大災害の記憶は時間と共に薄れ、さらには誰もが日常の些事に追われ、確実に危機感は薄れて行きます。しかしそれは当然のことで、批判されるべきものではありません。自分が当事者になった災害などが「風化」するのは耐え難いものかもしれませんが、例えば、例えば間もなく28回忌を迎える、1985年に発生した日航機の御巣鷹山墜落事故を事あるごとに、せめて航空機に乗るたびに思い出している人はどれだけいるでしょうか。
それは自然災害ではないというのなら、1995年の阪神・淡路大震災の教訓を、あなたはどれだけ形にしているでしょうか。当ブログで何度も指摘している通り、巷に溢れる「防災情報」には、あまりにもピントがずれていることや机上の空論が目立ちます。つい二年半前の震災の記憶や教訓でさえ、決して十分に伝わっているとは言い難い。実際に苦しんだ人々の声があるのに、それが活かされていない。そして、声を発することができない犠牲者の「声なき声」は、さらに忘れられている。
でも、別に災害の詳細など忘れられてもいいのです。というか、記憶だけしていても意味はありません。そこから導き出される教訓を形にし、それを受け継いで行く。それが「風化させない」ということです。
あなたとあなたの大切な人を守るのは、行政でもメディアでも、ましてやエセ科学やオカルトでもありません。あなた自身の意思と行動だけです。再び大災害に見舞われた時に、どこで差が出るか。それは、悲劇の教訓を活かす具体的な行動と備えを、「個人レベルで」会得し、実行しているかいないか、それだけのことなのです。当ブログの情報が、その一助となることを管理人は願っております。
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