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2013年8月10日 (土)

☆再掲載☆首都圏直下型地震を生き残れ!【3/54】 

■■当記事は、過去記事の再掲載です■■

【2】から続きます。

ところで、人はなぜ地震が来ると屋外に出たくなるのでしょうか。

これはもう理屈ではなく、本能的な行動と言えるでしょう。倒壊する建物の中で押しつぶされる恐怖、火に囲まれて逃げ場を失う恐怖。倒れるビルと一緒に地面に叩きつけられる恐怖。米国の911テロの記憶も、それに拍車をかけます。逃げ遅れて手遅れになる前に、とにかく「地に足を付けたい」と。

もちろんそれは間違いでは無いのですが、こと災害時における問題は「脱出した先が安全か?」、「すぐに次の避難行動に移れるか?」ということです。

先日、NHKの震災関連特集で、3/11に都内で起きたエピソードを集めた番組を視たのですが、その中で、エステサロンで施術中に震災に遭った女性の証言がありました。

それは、ほとんど全裸の状態だったものの、大きな揺れが収まったらすぐにガウンだけを羽織り、店員の誘導でそのまま屋外に避難したというものでした。そのサロンでは店員にそのような教育をしていたと思われ、それがきちんと機能したことはすばらしいことです。しかし恥ずかしいとかみっともないとかはさておき、あの場合、果たしてそれは正しかったのでしょうか。

震災の日、都内では震度5弱から5強の揺れになりました。しかし建物の大きな損傷はほとんど発生せず、停電もしていません。少なくとも、耐震性の高いビルの中は「安全」だったのです。そこで想定される危険は、下層階での火災により、脱出経路を失うということです。

でも、ある程度服装を整え、荷物を持つ時間が無かった訳ではありません。そのエステは新宿の繁華街だったと思いますが、あのケースでは明らかに屋外の危険の方が大きかったのです。建物の構造が大きく損傷しなくても、繁華街では周辺の建物からガラスや看板、外壁の落下、群衆のパニックなどに巻き込まれる可能性がありました。

もし揺れがさらに大きければ、それが現実のものになっていたかもしれません。仮に、もしそこが海岸や河口近くの低地だったら、大きな揺れが収まったと同時に、津波を想定した避難行動を始めなければなりませんから、裸のままという訳には行かないでしょう。

管理人はたまたま視たテレビ番組を例に取っているだけで、そのエステサロンの対応を批判しているわけではありません。言わんとすることは、大きな地震が来たらとりあえず屋外へという考えだけでは、被害をより大きくしたり、その後の行動の障害になってしまう可能性があるということです。

大切なことは、「その時最も安全なのはどこか?」ということを正しく判断することです。それは様々な条件に左右されるわけですが、事前に自分の周囲の情報を集めておくことで、かなり正確に判断することができます。

具体的には、自分のいる場所の耐震性はどの程度か、周囲の状況はどうか、火災の危険がある場所か、津波が到達する場所か、がけ崩れや土石流が発生する場所か、避難経路はいくつあるかなど、そこにある危険要素は何かということを、少なくとも自宅と職場や学校、良く行く場所の周辺については把握しておかなければなりません。

さらに、初めて行く先でも常にそのような視点で周辺を確認し、どう動くかを考えることを習慣にしておくことで、その瞬間の行動が変わります。でも、実際に大地震に遭遇したら足がすくみ、頭が真っ白になってしまうかもしれません。それでも、何かひとつを思い出せるだけでも、生き残れる確率は確実に上がるのです。しかし「その時」にひとつの情報を思い出すためには、普段から十分な量の的確な情報を取得しておくことが必要なのです。

そのような意識と行動が、管理人がここ数年提唱している考え方である「災害対策はオーダーメイドでなければならない」ということです。通り一遍の、ましてや机上の空論じみた対策だけでは生き残れないという現実を、私たちはたった一年前(管理人註:初掲載当時。東日本大震災のこと)に目の当たりにしたばかりなのです。

もちろん「オーダーメイド」と言っても、服に基本の形があるように、災害対策にも必ず押さえるべき共通のポイントがあります。まずそれを知り、さらに自分の置かれた状況に合わせたアレンジを加えることで、より確実な災害対策へと進化させることができます。しかし残念なことに、どんな対策も巨大災害の前には力を為せないこともあるのも現実です。でもいかなる状況になっても絶対に生き残りたい、生き残って大切な人やものを守りたいという強い意志に、正しい行動が伴えば必ず道は開ける、そう信じます。

このシリーズでは、そのような考え方を基本に、これから都市生活における現実的な対策を、様々なシチュエーション別に考えていきます。

次回は、オフィスの防災について考えます。


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