2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« ☆再掲載☆大火災編13【首都圏直下型地震を生き残れ!23/54】 | トップページ | ☆再掲載☆大火災編14【首都圏直下型地震を生き残れ!24/54】 »

2013年9月30日 (月)

台風20号接近時の観天望気

去る9月26日、台風20号が関東の東海上を北上し、関東地方にも多少の影響をもたらしました。このとき、管理人はいつも通り埼玉県南部をあちこち移動していたのですが、非常に興味深い現象を見ることができました。当日リアルタイムでアップしたかったのですが、すいません今頃になってしまいました。

当日、東日本の太平洋沿岸は、非常に「大気が不安定」な状態でした。しかし、これは先の9月16日に関東付近に襲来した台風18号の時とは、かなり異なっていたのです。

台風18号の時は高層に大陸からの乾冷気、低層に台風がもたらした暖湿気が流れ込むという状態でした。これに対し、台風20号の時の関東地方は、低層に比較的暖かく湿った空気が入っており、その東側を台風が北上したために、台風に向かって吹き込む北風が乾冷気を低層にまで引っ張り込むという、暖気と冷気が低層でぐちゃぐちゃに混ざり合う状態だったのです。

このため低層から非常に不安定な状態になり、局地的な上昇気流と下降気流がぶつかり合って、乱れた雲が多く見られました。
Cb_003
Cb_008_2
Cb_046
ただ、台風18号の時ほど低層の空気が暖かくなく、北からの乾冷気との温度差がそれほど大きくなかったために、ご覧のように雲底が比較的高く、真っ黒に見えるほどの雲というわけではありません。つまり、強い上昇気流によって、地上からは真っ黒に見えるほどの強力な積乱雲が、たくさん発生するほどの状態ではなかったのです。

しかし、不安定さで言えば台風18号の時をはるかに超えています。なにせ全く温度が違う空気を無理やり混ぜ合わせた状態ですから、あちこちで局地的で強い上昇気流や下降気流が発生しているのがわかります。下の連続写真の、画面中央付近に注目してください。
Cb_023
Cb_024
Cb_026
経過時間はほんの15秒ほどですが、その間に急速に雲が現れました。ここにごく小さい、しかし強い下降気流が発生して渦を巻き、乱れた雲が発生したのです。

でも、そのような現象はそれほど珍しいことではありません。別に、下記ような現象が見られました。

管理人の居場所の北方、風上側の雲が見る間に黒くなり、雲底が下がって行きました。つまり、その上空では急速に入道雲もしくは積乱雲が発達したのです。そして、風が急に冷たく、激しくなりました。その時見られたのがこれ。
Cb_035
Cb_039
ちょっとピントが甘くなってしまいましたが、上写真が北方の遠景、下がほんの500mほど離れたの画像です。下画像で、黒い雲の縁から、カーテン状の雲が垂れ下がっているのがわかりますでしょうか。この時、雨は全く降っていません。あくまで雲です。

これは、積乱雲からの強く冷たい下降気流が地表近くの比較的暖かく湿った空気の中を吹き降り、カーテン状の雲を形成したのです。つまり、積乱雲からの強い下降気流「ダウンバースト」の発生が、視覚的に捉えられたわけです。これだけの狭い範囲ならば、「マイクロバースト」と言って良いかもしれません。ダウンバースト自体は珍しく無いのですが、このようにはっきりと「見える」のは、比較的珍しいかと思います。

この時は、積乱雲がそれほど強力ではなかったために雨も降らず、被害を生むような風となはりませんでしたが、さらに強力だった場合、暴風被害が出るほどにもなりますし、この風が渦を巻けば、竜巻に発展することもあるわけです。ある意味で、竜巻の卵と言って良いかもしれません。

この日は、定常的には台風に向かって吹き込む北寄りの風が吹いており、そしてダウンバーストはたまたま観測点の北方で発生したので北風が強くなるように感じましたが、ダウンバーストは地面にぶつかって四方に拡散しますので、例えば観測点の南側で発生していれば、いきなり強い南風に変わったでしょう。そのように、局地的に風向風速が激変(航空用語では「ウインドシア」と呼ばれます)するので、特に低空、低速で離着陸中の航空機にとっては危険な現象であり、実際に事故に繋がった例も少なくありません。

この先もしばらく、台風や低気圧によってこのような気象状態になることが考えられますので、「大気が不安定」な時には、引き続き竜巻や突風への警戒が必要です。

最後に念のため付け加えますが、上画像の撮影時、管理人は危険なレベルの風ではないと判断していましたし、仮に危険になった場合でも、すぐに頑丈な場所に逃げ込める算段をした上で撮影しています。皆様におかれましても、くれぐれも無理な「スクープ」を狙われたりされませんように。

■■10/1追記■■
上記本文中に、誤解を招く表現がありましたので、補足させていただきます。
積乱雲からの下降気流に関して、《この風が渦を巻けば、竜巻に発展することもあるわけです。ある意味で、竜巻の卵と言って良いかもしれません。》と書きましたが、竜巻とは、上昇気流が渦を渦を巻いたものです。積乱雲からの強い下降気流には、必ず対応する強い上昇気流が発生しているので、そちらが「竜巻の卵」となる可能性があります。下降気流の渦が竜巻となるわけではありません。


■このシリーズは、カテゴリ【気象災害】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

« ☆再掲載☆大火災編13【首都圏直下型地震を生き残れ!23/54】 | トップページ | ☆再掲載☆大火災編14【首都圏直下型地震を生き残れ!24/54】 »

気象災害」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543100/58291474

この記事へのトラックバック一覧です: 台風20号接近時の観天望気:

« ☆再掲載☆大火災編13【首都圏直下型地震を生き残れ!23/54】 | トップページ | ☆再掲載☆大火災編14【首都圏直下型地震を生き残れ!24/54】 »