ブラジャーはどうする?
非常にあざといタイトルで恐縮です(笑)しかし、内容は非常に重要な、AEDに関するお話です。
今回は、おひとりの方のために記事を書きます。でもその内容は、多くの方に役立つものですので、ぜひご覧ください。
今日、ワード検索で当ブログを訪れていただいた方の検索ワードを見たら、「AED 女性 ブラジャー」というのがひとつだけありました。男性である管理人は、そのワードにすぐに反応してしまったのです(笑)いえ、もちろん真面目な話であり、管理人も非常に気になっていたことなのです。そして先日、やっとその答えを得ることができたばかりで、当ブログにはまだ反映させていなかったのです。
検索された方は、「AED使用時に、ワイヤーやホックに金属が使われているブラジャーを外すべきかどうか?」という事に関する答えを求められているのだと思いますので、お答えしたいと思います。
答えは「外した方が望ましいが、外さなくてもほぼ大丈夫」という感じでしょうか。
AED使用前には、4つのポイントをチェックします。
■身体が汗や水で濡れていないか
■ネックレスなど金属を身につけていないか
■心臓ペースメーカーを装着していないか
■電極パット貼り付け位置の体毛が濃くないか
という、4点です。このうち、電極と金属が接触すると、電流が身体に流れずに電気ショックの効果が失われることがあるために、金属類は身体からなるべく取り除くことが望ましいのです。
実は、日本赤十字社による救急救命講習では、ブラジャーは外す前提で考えられています。その方が確実なのは確かですが、人目の事を考えると、なかなか難しい場面も考えられます。なお、日本赤十字社の講習では、そのような場合に人目を遮断する方法も教えられました。
別の問題として、胸骨圧迫や人工呼吸(CPR)を行う場合には、胸部を締め付けるものをできるだけ外さなければなりませんので、取りあえずはブラジャーのホックは外さなければなりません。でも、ブラジャーを完全に取り除き、多くの人目の中で女性の胸を露わにしないで済む方法は無いのでしょうか。
・・・という疑問を管理人も持っていたのですが、先日受講した消防署の上級救命救急講習で、その答えが得られました。AEDの電極パッドは、「ブラジャーと身体の間に入れても、ほぼ問題無い」とのことです。電極パッドは、粘着面は当然ながら導電素材ですが、上面は絶縁素材であり、そこに金属が触れても事実上問題ないそうなのです。
ですから、人目がある状況で女性にAEDを使用する場合は、ブラジャーのホックだけを外して胸部の圧迫を解き、電極パッドをブラジャーの下に貼るという方法でも大丈夫ということです。もちろん、事情が許せばできるだけ取り除く方が望ましいのは、言うまでもありません。
「AED 女性 ブラジャー」で検索された方、ご覧になっていただいているでしょうか。これが答えです。
なお、日本赤十字社の講習で教えられた人目を遮断する方法とは、周囲の人から心ある有志を募り、傷病者に「背を向けて」人垣を作るというもので、それで無責任な野次馬ににらみを効かせつつ、視線を遮るわけです。ただ、管理人の救護経験からすると、混乱する現場でそれを実現するには、非常に強い意思とリーダーシップが必要だと感じます。そんな場合でも、救護技術だけでなく、普段からの高い意識と覚悟が無いと、いきなりできるものでは無いな、と思うのです。
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