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2013年9月 4日 (水)

☆再掲載☆大火災編02【首都圏直下型地震を生き残れ!12/54】

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今回は、大火災のメカニズムを考えます。知っておくことで「生き残る」確率を大きく高めることができる知識が含まれています。

地震による記録的大火災といえば、1923年(大正12年)9月1日に発生した、いわゆる「関東大震災」によるものが真っ先に思い出されます。この地震では約11万人が犠牲になりましたが、そのうち火災による犠牲者が約9万人と言われています。下図をご覧ください。(下段は主要部分を拡大)
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これは当時製作された、「関東大震災」による東京の焼失区域と主な出火点、そして延焼して行った方向を示した図版です。「関東大震災」による火災は、東京市(当時)市街の半分近くが焼失する、超巨大火災でした。隅田川両岸の、木造家屋の密集地を中心に、発災直後に136件の火災が発生したとされ、そのほとんどは、なす術も無く燃え広がりました。


当時の状況を見てみましょう。発生は9月1日、午前11時58分。昼時で、多くの家で昼食の準備のために火を使っていました。当時の火気はかまどや七輪が中心で、使用中に家が倒壊すると、出火を止めることは非常に困難でした。そして地震によって耐震性が低い木造家屋が多数倒壊し、各地で同時多発的に火の手が上がりました。

家の倒壊によって多数の人が下敷きになり、その救助が優先されたため、初期消火までほとんど手が回らなかったという事情もあります。これは現代の災害でも、同様になると考えられます。当時の消防体制は貧弱なもので、消防車やエンジンポンプは少なく、各地の消防団レベルでは、手押しポンプとバケツリレーくらいしか消火手段が無い場所が多かったのです。

天気は晴れ。しかし日本海の能登半島付近にあった台風に向かって吹き込む強い南寄りの風が吹いており、それが延焼を早めました。しかし、ここで上図で延焼方向を示す、赤い矢印をもう一度見てください。強い南風の中でも、必ずしも北方へ向かって燃え広がっているのでは無いことがわかります。それは何故なのでしょうか。


結論を先に述べますと、「火が風を起こす」のです。大きな火点では、熱せられて軽くなった空気が強い上昇気流となります。するとその付近の気圧が下がり、そこへ向かって周囲から風が吹き込みます。その風によって、周囲の火がさらに燃え広がるのです。

大火災の際には気象による風に加え、火災の状況によって複雑な風が吹き、延焼の程度によって刻々と変化して行きます。ですから、大火災の際には、例えば「今日は南風だから火点の南側は安全だ」というような考えは捨てなければなりません。どのような風が吹き、どちらへ延焼するかの予測は、とても困難です。これは非常に重要なポイントですから、忘れないでください。

さらに、上図を良く見るとわかりますが、風を起こすのは火だけではありません。おわかりになりますでしょうか。それは「川」です。焼失区域の中心を流れているのは隅田川ですが、両岸から隅田川へ向かって、火が迫っているのがわかります。川は遮蔽物が無いために風が良く通り、風速が上がります。すると、流速が上がった気流の中は、周囲より相対的に気圧が下がります。「ベルヌーイの定理」です。

この日の強い南風は、南北に流れる隅田川を吹き抜け、そこの気圧を下げました。そして、川に向かって吹く風を発生させたのです。これを知っていれば、もしあなたが大火災と大きな川の間にいたとしたら、何を警戒すべきかお判りになるでしょう。なお、「関東大震災」の状況下では、延焼速度は最大で1時間に800~900mに及んだとされています。現在の街にそのまま当てはめられない部分もありますが、大火災が1km先に迫ったら、もはや一刻の猶予も無いと考えるべきです。

忘れてはならないのは、大地震による火災は、同時多発であるということです。もしあなたが逃げるべき方向に、先に火が回ったらどうなるか。想像するだけで背筋が寒くなります。巨大災害下では、たった一度の判断ミスでも、最悪の結果を招くことに繋がります。

複雑に吹く強い風は、遠くまで火の粉を吹き飛ばして火点を増やし、加速度的に延焼して行きます。その時無事だった方角も、数分後にはどうなっているかわかりません。つまり一旦大火災が発生したら、延焼が止まるまで、事実上は燃えるものが無くなるまで、一切気を抜く時間は無いということです。

詳しくは後述しますが、現在の東京では、都心部をぐるりと取り囲むように、木造家屋が密集した火災危険地帯が存在します。都心部からどの方角へ行っても、大火災に遭遇する可能性が高いのです。そしてこれは、他の大都市でも似たような状況でもあります。

それがわかっていても、地震の第一撃を生き残ったあなたは、帰宅を急ぎますか?

次回に続きます。


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