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2013年9月10日 (火)

☆再掲載☆大火災編05【首都圏直下型地震を生き残れ!15/54】

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今回から、地震後の大火災を「生き残る」ための具体的な方法を考えます。

まず、大地震の後に起きる大火災の特徴をまとめます。
■発災後短時間のうちに、同時多発的に広い範囲で発生する。
■家屋からの脱出や負傷者救護のため、住民による初期消火が不十分になるケースが多い。倒壊家屋からの出火は、初期消火がほとんど不可能。
■消防の対応能力を超え、さらに交通障害、断水などのために、迅速な消火活動は期待できない。
■大火災は自ら複雑な風を発生させ、どちらへ延焼するか予想しずらい。
■最盛期には火災旋風の発生が予想され、急速に延焼が進む。「一時(いっとき)避難場所」や河川敷などの開けた場所は、火災旋風に襲われる可能性がある。
■延焼速度は、1時間に数百メートル以上に達する可能性がある。
■海岸近くでは、工場地帯の可燃物が津波で内陸に運ばれ、大火災となる可能性がある。

このように、「生き残る」ためには非常に厳しい状況になります。大地震の第一撃を生き残っても、しばらくは全く安心できません。しかし、これらのメカニズムについてはあちこちで語られるものの、「では具体的にどうするか?」という話はあまり見られません。当ブログは、今までほとんど誰も語らなかった部分について考えます。


ここで、東日本大震災において津波から避難した生徒全員が生き残り、「釜石の奇跡」と呼ばれた釜石東中学校の事例を思い出してください。なぜ生徒たちは生き残れたのか。そこに、大きな教訓があります。

釜石東中学校の生徒は、地震後に津波の危険から避難したものの、津波の威力が予想以上だと判断し、自らの判断でさらに高台へ避難しました。その行動面においては、大火災からの避難と共通するものです。むしろ、時間的な制約は火災よりもはるかに厳しかったのです。この事例のポイントが「自らの判断で」ということはすぐにわかりますが、「なぜそれが可能だったか?」という部分にこそ注目しなければなりません。もちろん、そのために必要な教育と訓練を受けていたというのがその理由ですが、問題はその内容です。


正しい避難行動の前提となるのは、地震、津波、火災などに対する正しい知識であることはもちろんです。しかし、それだけではだめなのです。そこにある「意識と行動」が加わって、初めてその知識が生かせたのです。ではそれは何か。管理人流の表現をすれば、意識とは「思考停止しないこと」であり、行動とは「情報収集の継続」です。

「思考停止しないこと」とは、言い換えれば「オプションの確保」とも言えます。なんだか余計にわかりずらくなりますが。つまり、指定避難場所やとりあえず安全と思われる場所にいても、常に「これで本当に大丈夫なのか?」という意識を持ち続け、必要と判断したならば、躊躇せずにオプション(その他の選択)手段へ切り替えるという意識です。

釜石東中学校に対し、大惨事となった石巻の大川小学校の事例では、残念ながらほとんどの指導者が、「ここの危険は小さい」という意識で思考停止したために貴重な時間を失い、オプションの選択を誤ったのです。もし、すぐに学校の裏山に登っていれば、おそらく全員が助かったでしょう。

しかし、そもそも裏山に登るというオプションが、少なくとも指導者の中には事実上存在せず、その提案も安全面や児童以外の避難者の存在を理由に却下されました。つまり、「生き残ってから」の理由のために、生き残る機会が失われたのです。明らかな優先順位の誤まりです。

念のため申し添えますが、管理人は大川小の指導者を批判したいのではありません。実際、あの災害は普段の「想定」を大きく超える状況であり、判断ミスを招く要因があまりに多かったのです。管理人も石巻の津波被災地を実際に見て来ましたが、とにかく想像を絶する状況だったのです。それも勘案した上で、あくまで、「あの時どうすれば生き残れたか」という視点のみから考えています。

次回に続きます。

□参考過去記事□
【大川小からの報告1】宮城・震災から1年8ヶ月【11】はこちらから
【大川小からの報告2】宮城・震災から1年8ヶ月【12】はこちらから
【大川小からの報告3】宮城・震災から1年8ヶ月【13】はこちらから


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