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2013年9月 2日 (月)

☆再掲載☆大火災編01【首都圏直下型地震を生き残れ!11/54】

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新テーマを始めます。

都市部で大地震が発生すると、大火災の発生が懸念されると言うより、確実に発生するでしょう。最初は小さな火事でも、様々な理由で初期消火が不十分なケースが多発するでしょうし、倒壊家屋から火が出た場合は、そもそも初期消火がほとんど不可能です。

そしてそれが同時多発的に発生し、それだけで消防の対応能力を超えてしまうでしょう。さらに交通渋滞や道路障害で消防車も駆けつけられず、出場しても人命救助優先の活動になる可能性が高く、火災はかなりの数が「放置」されることになります。仮に消防車が火災現場に到着しても、断水していたら消火栓の使用もままならず、遠くから水利を確保しなければなりません。その作業の間にも、火はどんどん燃え広がって行きます。

現実的には、大地震後に発生した多くの火災は、「だれも助けに来てくれない」と考えなければなりません。実際、1995年の阪神・淡路大震災では、そのような状態になりました。

地震発生から15分後までに発生した火災が46件。その時点で、当時の神戸市消防局の同時火災対応能力である10件をはるかに超え、その後さらに増加して行きました。出場した消防車は渋滞に阻まれ、さらにその途上の家屋倒壊現場などで、人命救助の要請を数多く受けました。それも、すぐに対応し切れる数ではありません。

そのため神戸市消防局は活動方針を転換し、人命救助を最優先とし、多くの火災は事実上「放置」されざるを得なくなりました。神戸市長田区をはじめとする、燃えるに任せられた大火災の惨状は、当時を知る人にとっては未だ鮮烈な記憶です。そして、あの猛火の中に取り残された、多くの命があったのです。

神戸の場合、唯一幸運だったことがあります。下画像をご覧ください。
Photo
煙がまっすぐ立ち上っています。つまり冬の乾燥した晴天にも関わらず、風がほとんど無かったのです。もしこれが強風下だったら、比較にならないほどの大火災になっていた可能性もあります。

東日本大震災では、津波の襲来によって、地震による火災被害の実態は、ほとんど把握できていません。その一方で、宮城県気仙沼市など、津波によって火と可燃物がまき散らされ、大火災が誘発された場所もあります。下画像は、3月11日夜の気仙沼市です。NHKテレビからのキャプチャー画像を掲載させていただきます。
4

一方、千葉県市原市のガスタンク爆発火災は、コンビナート地帯における火災の恐怖を強烈に印象付けました。もしあの火災がさらに巨大化していたら、津波が発生して可燃物が内陸にまき散らされたらと考えると、背筋が寒くなります。
Photo_2

都市部の大地震では、地震の第一撃を生き残っても、かなり長い時間に渡って大火災の危険にさらされることになるでしょう。当ブログでは、過去に「火災を出さないため」の方法と、「火災の建物から避難する」方法を述べて来ましたが、ここからはその後、延焼する「大火災から生き残る」方法に焦点を絞って、考えて行きたいと思います。

都市部、特に都市規模が巨大な首都圏では、地震後の大火災に対する判断を誤ると、猛火の中で逃げ場を失うという、考えるだけでおぞましい状況に放り込まれる可能性が非常に高くなります。そこで生死を分けるのは、正しい知識とそれに基づいた判断、そしてすばやい行動しかありません。

次回からは、現代の首都圏大地震における火災で、何が起きるかを考えます。


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コメント


是非 知りたいです。

都市部じゃないけど…(笑)

ずっと読んでましたよ。
頑張って下さい。

応援してます。

>さびしんぼうさん

応援ありがとうございます。大火災編は、この後12回に渡ってお送りします。都市部でなくても、応用できる内容はたくさんありますよ。

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