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2013年10月28日 (月)

いい加減にして欲しい

こういうタイトルにするとアクセスが増えるというのを承知の上で、敢えてあざとくやらせていただきます。管理人、かなり腹が立っております。


先日、台風27・28号が接近している時、ある「防災の専門家」がテレビに出演していました。そこで、キャスターから「台風の接近に伴ってどのような対策が必要ですか?」と問われて述べたことは、基本的には当ブログで提唱しているのとほぼ同じことでした。

要旨は、「行政からの情報に頼るだけでなく、自分で状況を判断して、早いうちに安全な場所へ避難せよ」ということで、それは全くその通りであり、文句のつけようもありません。ただひとこと言わせていただければ、そのお方、以前はそのような事は言っていなかったような気がしないでもありませんが。

まあそれは良いとして、とても気になったというか、訳のわからない発言がありました。それは、すべての災害対策に共通する基本的考え方というニュアンスで(少なくとも管理人にはそう思えました)、下記のようなものでした。

『悲観的に備えて、楽観的に行動せよ』
だそうです。良く考えなければ、一瞬「なるほど」と思わされてしまうような、キャッチーなフレーズですよね。

災害対策に限らず、リスクマネジメントの基本は「最悪を想定する」ということです。まず初めに、これでもかというくらい悪いケースを考え、どの段階まで対応するのか、できるのかを具体的に詰めておかなければなりません。つまり「悲観的に備える」とうことであり、それは間違ありません。

では「楽観的に行動する」とは?全く意味不明です。ただでさえ人は困難な状況に直面した時、「楽観バイアス」や「正常化バイアス」という心理状態、つまり過度に楽観的な「大したことはない」、「きっと大丈夫だろう」という発想に陥りやすいのです。

その結果、現実の状況にそぐわない行動をしたり、または行動しなかった結果がどうなるかは、過去のあらゆる災害で明らかです。つい先日の伊豆大島惨事も、広い意味においては判断が楽観的に過ぎたのが大きな要因の一つと言えることは明らかです。

その例を引くまでもなく、すべからく災害対策、特に避難行動は、最後の最後まで悲観的でなければならないはずです。悲観的とは、言うまでもなく困難な状況を嘆き悲しむことではなく、「もしこうなったらどうしよう」という発想を突き詰めることです。そこに「楽観的」という発想が入り込む部分は微塵も無いはずですが。

これなど、ただの言葉遊びにしか見えませんね。「天使のように繊細に、悪魔のように大胆に」とか「蝶のように舞い、蜂のように刺す」(これはちょっと違うか)というような二律背反的なフレーズは、ある意味で聞く人を思考停止に導きやすい耳あたりの良さを持っているものです。キャッチフレーズとしては秀逸ですが、防災に関しては全く当てはまりません。あくまで『悲観的に備え、悲観的に行動する』ことが必要です。


例によって、問題は個別の内容ではなく、「防災の専門家」を名乗る人物が、メディア受けとか他との差別化ばかりを意識して、実態にそぐわない「指導」行っていることです。メディアに登場するという影響力の大きさを、全く理解されていない。現に、例の「時間雨量20ミリで車のワイパーが効かなくなる」という、明らかに実態にそぐわないこの方の発言が、防災系ブログとかに無検証でそのままコピーされていたりします。

この番組では、キャスターも疑問を感じたらしく、「楽観的に行動するとはどういうことですか?」と質問を返したのですが、なんだか意味不明の返答をしているうちに、はいお時間です、でした。

結局、正しい防災知識を欲している人には無用どころか有害な情報で、正しい防災知識を持っている人は「この御仁何言っているんだ?」という印象を残しただけかと。メディアの皆様、「専門家」という肩書きで語れば、内容はなんでもいいんですか?「専門家」という肩書だけを信じて丸投げすると、局や番組自体のクオリティに関わることもありますよ。

まあ、メディアに良く登場する人というのは、「いろいろ」あるのでしょうけどね。でも「大人の事情」などどうでもいいんです。地震に限らず様々な災害で尊い命が失われ続けている中で、それも大災害の直後に、メディア上では「専門家」の言葉遊びですか。命を守るために「本当に大切なこと」よりメディア受け、商売、「肩書き」(自称含む)が優先される現状に、管理人はあくまで抵抗して行きます。


念のため申し添えますが、管理人が突っ込みを入れる「専門家」とは、ごく一部に過ぎません。別に「専門家」嫌いではないのです。正しい知識や意識を提唱し、具体的な指導をされている「専門家」が大半ですし、いわゆる「専門家」でなくても、市井の現場レベルで防災・減災のために尽力されている方々がたくさんいらっしゃいますし、そんな方々には心からの敬意を表したいと思います。

ただ、そういった努力を無にするような一部の「専門家」(自称含む)は許しがたい。防災関連の組織の長だから、本とか出しているから「専門家」だという発想もおかしな話です。「専門家」とは、肩書きにふさわしい能力を持たなければならず、そして正しいことを世に伝える責務があるはずなのですが。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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コメント

「悲観的に備えて、楽観的に行動せよ」

私はこの表現、共感できる部分
あるんですけどね…

「悲観的に備えて、更に悲観的に行動せよ」
災害は不意に襲う。だから、常に緊張せよ。
だから笑っている場合ではない。
常にしかめっ面し、周囲に緊張を払え。
眠るな、とは言わないが酒は飲んではならない。
常に運転できる状態にすべし。人生をエンジョイ
など戯けた思考をするな。全ては生き延びるため、
人生を防災に捧げよ。

私はたまたま飲酒もタバコも、やりませんが、
防災意識とは無関係で、単なる嗜好の問題です。

過剰に災害を意識したらどうなるか。
酒飲んで寝るなどありえない。
海沿いの地域住民なら当然である。

遊園地で観覧車に乗るなど自殺行為である。
虫歯の治療は避けた方がよい。
身重になったら災害弱者だ。出産中に津波が来たら
大変だから妊娠してはならない。

…誰の為の人生かな。
それでは、失礼しました。

「悲観的に備え、楽観的に生活し、悲観的に行動せよ」だったら良かったんですけどね。

或る傭兵の方の著作に「日常に於いて悲観的で或る必要は無い。問題は、悲観を察知し、切り替えられるかだ」という言葉がありました。

「専門家」さんもおそらく「落ち着いて行動し」をちょっと脚色したつもりで、あ、しまった、とでも思ったんでしょう。

格好良くなくて良いから正確な情報を発信して欲しいものです。

>まったりさん

実は私も、ニュアンスを拡大解釈するのが正解だとは思っています。常に災害を意識して緊張していろなどと言うつもりは全くありません。というか、無理です。私だって、そんな生活してません。つねに防災第一の生活をしろなんていう「専門家」がいたら、そっちにも文句言いますよw

言わんとすることは、あまり深刻に考えずに、とりあえず早いうちに「気楽に」避難しとけということなのでしょう。でも、それは「楽観的」とは違うわけです。気分がどうであれ、早めの避難とは悲観的観測によるものなのですから。

本文にも書いた通り、そういう不正確なことを「専門家」が言うということが問題なんですよ。「専門家」の、それもメディアでの発言はひとり歩きしますからね。さらに、指摘した人物は過去からその類の発言が多い人なものですから。

>りぴ太さん

おっしゃる通りだと思います。生活の中で「明日大地震が来たらどうしよう」などといつも考えていたら、ボロボロですよね。日常生活は楽観的でなければ、多くの楽しみが殺がれてしまいます。

優秀な兵士は、普段は楽観的です。そうでなければ、激戦を何度も乗り越えることはできないでしょう。でもその裏には、敵の可能行動を徹底的に考えて。それらすべてに対応する方法を備え、さらに行動時には「想定外」まで思考の範疇に入れているわけです。そのような行動は、悲観からしか生まれて来ないわけです。

どうやらこの御仁は、悲観とはしかめ面や泣き顔というイメージしかないようですが、単純に「最悪を想定する」ということです。逆に、「楽観」には「気軽に」というイメージしか無いようです。

根本的な日本語能力の問題なんですかねw

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