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2013年10月21日 (月)

☆再掲載☆高層ビル編02【首都圏直下型地震を生き残れ!28/54】

■当記事は過去記事の再掲載です■


今回は、高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」とは、どこでどのように発生するのかについて考えます。

「長周期地震動」が発生する条件は、「大きなボウルでつくったプリン」をイメージしてください。固いボウルの中の柔らかいプリンは、ボウルを揺らすとゆらゆら、たぷたぷと揺れて、ボウルの動きを止めてもしばらく揺れていますね。それが「長周期地震動」です。

固いボウルにあたるのが、地下の固い岩盤です。ではプリンは何かというと、堆積物なのです。川によって上流から運ばれた土砂が堆積した場所や、火山灰が厚く積もって地盤となった場所で発生します。堆積物は岩盤にくらべてはるかに柔らかいので、ボウルとプリンと似た関係となるのです。そのような場所の模式図が、下図です。
Photo_4
岩盤の揺れによって、柔らかい堆積物がゆらゆら、たぷたぷとゆっくり揺れ、さらにボウル状になった岩盤の中で反射・合成を繰り返してより長い周期の揺れとなり、岩盤の揺れが止まる、つまり地震が収まった後もしばらく揺れ続けます。

我が国でそのような条件が揃った場所はどこかというと、「平野」ということになります。平野は、一般に川によって運ばれた堆積物が、岩盤の上に平らに積もった場所です。また関東平野のように、火山の噴出物が厚く堆積した(関東ローム層)上に、川によって運ばれた堆積物が乗った構造もあります。これなど柔らかさの違うババロアとプリンの二段重ねのようなもので、より持続時間の長い、複雑な揺れを発生させます。

では、日本列島で「長周期地震動」が起きやすい地下構造の場所、つまり盆地状の岩盤の上に堆積物が積もった地形(沖積平野)はどれだけあるのでしょうか。それが下図です。
Photo_3
このように我が国の主要な平野の多くが、「長周期地震動」が起きやすい構造なのです。しかし、必ずしもこの図の場所だけではありません。現に2003年の十勝沖地震(マグニチュード8.0)では、上図には無い北海道の十勝平野、釧路平野で、「長周期地震動」の発生が確認されています。震源との位置関係もありますが、日本列島の平野部ほとんどで、「長周期地震動」が発生する可能性があると言えます。

これらの平野部、すなわち高層建築物が多い場所に、ある程度離れた震源で発生した大規模地震の地震波が到達すると、強い「長周期地震動」の発生が予想されます。一例として、想定される東海地震が発生した場合、関東平野である東京都内では震度5弱~5強の揺れが予想されていますが、その震度以上に、高層ビルだけがより大きく、長く「振り回される」ことが懸念されているわけです。

本文における高層ビルとは、10階建て程度以上を想定していますが、「長周期地震動」の影響は、高層になるほど大きくなります。それは、いわゆる高層ビルの構造が「柔構造」になっているからです。

高層ビルと「長周期地震動」の関係については、次回に続きます。


■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】です。

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