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2013年10月15日 (火)

☆再掲載☆高層ビル編01【首都圏直下型地震を生き残れ!27/54】

■当記事は過去記事の再掲載です■

今回からは、自宅アパート、マンションやオフィスが入っている高層ビルでの防災を考えます。本文における高層ビルとは、10階建てくらいから数十階建ての超高層ビルまでをイメージしています。そのような建物は、地震によって一戸建てや中低層ビルとは異なる、特異な影響を受けるのです。

とはいえ、高層ビルは必然的にその構造強度が高く、地震によって完全崩壊する可能性は非常に低いですから、かなり安全性が高い場所だと言えます。しかしその特性上、地震の揺れを増幅しますので、特に中高層部の室内では、揺れに対する対策を特に強化する必要があります。

高層ビルでの地震対策を考える場合、まず「長周期地震動」について、多少は知っておく必要があります。東日本大震災以降、良く聞くようになった言葉ですね。ただし管理人は、地震のメカニズムに関する知識など対策をする上ではほとんど必要無いと考えています。野球理論をいくら勉強しても、野球は上手にならないのと一緒です。知らなければならないのは、野球が上手くなるためには「何をしなければならないか」、それを「どうやるか」ということだけです。

もちろん、関連する知識は多いに越したことはありません。しかし、最近の「防災本」の類を見るにつけ、地震のメカニズムや想定データの解説などに内容の大半が割かれ、個人で行うべき対策など、通り一遍の内容が一割以下のようなものが、あまりにも目に付きます。そんなものを見ていると、メカニズムやデータの知識を増やしただけで、「生き残る」力がアップするような錯覚に陥りそうです。

震災以降、防災に関する情報は激増していますが、よく見てください。「こうすべきだ」という情報は山ほどありますが、それをどうするかというものはごく僅かではないですか?べき論だけで生き残れるなら、苦労はしません。

必要なのは、大地震が来たら自分の身の周りで何が起きて、それに対して「実際には」どうするか、それだけです。ちょっとマニアックな例えで恐縮ですが、管理人はバイクに乗ります。初心者ライダーへの指導で「肩の力を抜け」と、誰もが必ず言うのですが、肩を意識しても力は抜けません。そこで管理人は、「グリップを握る握力を半分にする気持ちで」と教えます。そうすると、自然と上半身の力が抜けるのです。

このように、「実際にはどうやったら所期の目的が達成できるか?」、「問題を起こしている根本の原因は何か?」という視点が無ければ、そんな情報は絵に描いたモチに過ぎません。これは決して防災に限った話ではありませんが。ですから、当ブログでは上記のような視点と、「その時何が起きるか」という知識を補強する視点から、地震のメカニズムを解説して行きます。加えて、多少はマニアックな部分(笑)にも踏み込んで行きたいと思います。


ではまず「長周期地震動」とは何か、という問題から。イメージ的には、超高層ビルをゆらゆらと揺らす地震、という感じでしょうか。実際には、かなり誤解されている部分があるのではないかと思います。例えば、高層ビルのゆっくりとした揺れ自体が「長周期地震動」だと思われていたり、「長周期地震動」が震源で発生することがあるとか。

「長周期地震動」の定義としては、揺れの周期が2秒から20秒程度の、ゆっくりとした地震動のことです。その中で、周期2秒から5秒程度の揺れは、「稍(やや)長周期地震動」と分類されることもあります。なお、揺れの周期による分類はあまり厳密では無く、資料によって差が見られます。

ところで、「長周期地震動」を震源で発生させる地震というものは、実は存在しません。「長周期地震動」とは、地震の揺れが地下を伝わって来る過程で発生し、さらにその場所の地盤の状態によって増幅される現象のことなのです。基本的に、地震は震源からの距離が遠くなるほど、揺れの周期が長くなる傾向があります。これは地震波が伝わる課程で、地表近くを伝わる「表面波」や、地殻内で屈折、反射をした地震波が合成されて「ゆるやかな」地震波になるからです。水の波紋が、発生した場所から離れるほどゆるやかな波になるのと似ています。

そのように、震源からの距離があるほど、揺れの周期が長くなって行きます。そしてある条件の地盤に到達した時、さらに周期が長く、持続時間の長い揺れを発生させます。その揺れこそが、特に震災以降、都市部で何かと問題にされる「長周期地震動」の正体であり、高層ビルに大きな脅威をもたらすものなのです。

東日本大震災では、本震震源から500km以上離れた関東どころか、1000km以上離れた関西でさえ「長周期地震動」が発生し、高層ビルを大きく揺らしました。大阪の震度は3程度だったのに、多くの人が高層ビルから脱出したのをご記憶の方も多いでしょう。普通の地震ならあり得ない光景ですが、あれは遠距離の超巨大地震と地盤の状態の相乗効果によって起きた現象なのです。

では、高層ビルにとって危険な「長周期地震動」を発生させる地盤の条件とはどんなもので、どこで発生するのでしょうか。次回に続きます。


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