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2013年10月21日 (月)

大ウソだらけの災害対策

台風や豪雨による災害が相次いでいるせいで、メディアやブログで気象災害対策に関係する「トリビア」が目立つ今日この頃です。

でもやはり、相変わらず大ウソや机上の空論が大手を振ってまかり通っていますね。全く、災害対策の「専門家」やら「プロ」とか名乗る連中は何を考えているのか、それとも何も考えていないのか。

最近良く目に付くのが「水嚢」。大型のビニール袋に水を入れて土嚢代わりにしたり、建物内の排水口の上に置くことで、内水氾濫による逆流を防げるとか言われている奴です。

まあ、そんなこと誰もやったこと無いんですよ。頭で考えただけで。水だけの重さで、しかも変形しやすいビニール袋を並べて浸水を防げるものなら苦労はしません。例えば玄関前に置くとしたら、ドアを囲むように並べて、両端部をドアの横の壁に密着させなければなりません。でも、考えただけでわかりますよね。水入りビニール袋で、袋と袋の間や、壁との隙間を密閉するのは不可能です。

仮にできても、一方向から水圧が加わったり、ましてや水流があれば簡単に変形するか動いてしまいます。もし本当の効果を期待するならば、枠を作ってその中に何列にも並べなければならないでしょう。こんなもの、単なる思い付きに過ぎません。


内水氾濫対策のために、水嚢を建物内の排水口の上に置くという「トリビア」も、先日テレビで防災の「専門家」を名乗る人物が実演していましたけど、それは台所シンクの排水口でした。重い水嚢が排水口をぴったりと封印し、一見、それは効果的な対策に見えたものです。

でも考えてみてください。家の中の排水口全部を封印できなければ意味が無いんですよ。トイレはとりあえず封印できそうですが、バスタブの下の排水口はどうしますか?洗濯機トレイの排水口はどうしますか?誰が考え出したかは知りませんが、机上の空論の見本みたいな話ですね。

水を入れたポリタンクを並べ、シートでくるんで防水壁にするという話もありますが、要は建物との間で水密を確保できるかが問題であり、それに対する答えは提示されていませんね。つまりこれも、単なる思い付きに過ぎません。水密を確保するために土嚢を使えとは、よもや言いますまい(笑)


車の話でも、なんだか時間雨量20ミリでワイパーが効かなくなるとかいう無根拠の話がひとり歩きを始めています。ちなみに管理人、昨日は時間雨量35ミリを超える(レーダー解析)雨の中を快適に運転してきましたが何か。ワイパーは低速度で十分でしたけどね。

しかしまあ「専門家」だの「プロ」だの名乗る連中が、どこで仕入れたかは知りませんが、自分でやったこともないし、関連する知識も無いことを、よくもまあ上から目線で「指導」できるものです。そんなものでカネもらえるなら、管理人もぜひいただきたいのですが(笑)

こんなのもありますよ。車で冠水した道路を走って、排気管から水が入るとエンジンが止まって立ち往生するそうです。一見正しそうですが、全然違います。車が浮かない程度の水深ならば、エンジンがかかっている限り排気管から水は入りません。水圧より排気圧の方が高いのです。

冠水した道路でエンジン停止が起こるのは、エンジン上部に水が大量にかかると、吸気口から水を吸い込んでしまい、シリンダー内部にまで水が入るからなのです。その他、水によってプラグコードなど電気系からリーク(漏電)してエンジン停止することもありますが、最近の車では起きにくくなっています。

ですから、深い水の中を走るオフロード車は、吸気口を屋根上まで持ち上げる「シュノーケル」(画像参照)を装着しているわけです。
Rannkuru
排気管から水が逆流するなら、こんな対策は意味が無いということになりますね。

ちなみに、冠水道路での実地テストは日本自動車連盟(JAF)が行った有名なものがあり、各所で引用されていますし、ウェブサイトでも資料や動画で見ることができます。言うまでもなく、管理人は車で深い冠水道路を走ったことはありません(バイクはあります)。でも、ちょっと調べればわかるんです。


ただ、管理人はこんな個別の内容が問題だと考えているのではありません。忌むべきは、防災の「専門家」とか「プロ」とか自ら名乗る連中が、自分が出す情報に対して全く不勉強で、裏づけも取らずに安易な思いつきや受け売りを垂れ流している例があまりにも多いということなのです。しかしそれが正しければまだ良いものの、上記のような大ウソや、実際にはできもしない机上の空論だらけなんですよね。

だからこそ「本当はどうなんだ」を追求する当ブログが誕生したわけなのですが、こうやっていつまでも揚げ足取りみたいなことやらなければならないのでしょうか。それ以前に、命に直接関わる情報が、こんな低レベルのままで良いのでしょうか。そのような半端な「専門家」を重用する、メディア方々に特にお考えいただきたいと思います。

面白いことに、防災の「専門家」や「プロ」を名乗る人種は、書籍、放送、ブログなどでいくら間違ったことを言っても、現実には違うことが起こっても、一切責任は問われないし批判もされないですね。批判しているのは当ブログくらいじゃないですか?でも批判されないのは、最初からそれだけ信用されてないということの証左でもあります。まあ、こんな連中ばかりだったら、信用しろと言われても管理人が最初に反対しますが(笑)


今年起きた一連の豪雨災害でも、「山崩れの兆候」というトリビアを知っていたとしても、何か役に立つことがあったでしょうか?以前の「防災情報」はそんなのばかりでしたが、手前味噌ながら、当ブログではずっと前から「夜間や豪雨下では察知不可能だから早期の避難を」と指摘して来ました。

このように、直接命に関わる情報が、影響力のあるメディアを背景とした一部の「専門家」や「プロ」を名乗る連中によってゆがめられ、本当に大切なことが伝わっていないことが、あまりに多い。「専門家」や「プロ」という肩書きは信頼の証でなければならないのに、現実は程遠いということが歯がゆくてなりません。

皆様も、そんな不良情報にだまされませんように、くれぐれもご注意を。命に関わるのです。この情報はどうなの?というのがありましたら、ぜひ管理人に聞いてください。お答えします。


■この記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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