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2013年10月 3日 (木)

電線が行く手を阻む!

今回は、今までほとんど誰も触れなかったけれど、管理人がずっと気になっていたことについてです。

大地震や竜巻が市街地を襲うと、高い確率で起きるのが「電柱の倒壊」です。すると、普段は意識していないものが突然、障害物として行く手を阻みます。電線です。
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上画像は竜巻被害の様子ですが、ご覧のような状態になるわけです。これはまだなんとか通り抜けられる状態ですが、例えば住宅街の細い路地などでは、網の目のように張り巡らされた電線が垂れ下がると、それに触れずに通り抜けるのはほとんど不可能になります。

切れたり垂れ下がったりした電線に「近づいてはいけない、さわってはいけない、またいではいけない」という知識は多くの方がお持ちだと思います。もちろん、感電の危険があるからです。なお、またいではいけないというのは、電線から地面に漏電していた場合、通電している範囲に両足をついた瞬間に感電するからで、落ちた電線をまたぐとその危険が非常に大きいからです。

しかし、緊急避難時はそんな事は言っていられません。例えば、唯一の避難路が電線にふさがれ、そして背後に津波や火災が迫っていたりしたら。電柱が倒れているからと言って、必ずしも停電しているとは言い切れないのです。そこで、管理人がずっと昔から欲しいと思っていたものがありました。「検電器」です。

実は管理人、学生時代にちょっと変わったアルバイトをしました。工場などの変電設備の清掃なのですが、作業時にもすべての電源を落としてあるとは限らないのです。もちろん通電区域は規制表示がされますが、設備や電線に触れる前に、必ず「検電器」で通電の有無を確認します。

業務用「検電器」とは、例えばカラオケマイクくらいの大きさと形で、センサー部を電線に近づけると、通電していれば光と音で警報するというものです。変電設備は生きていれば6000Vの大電圧と大電流が通っていますから、検電器が無いと怖くて触れません。しかし業務用検電器は大きく、価格も普通は一万円以上しますから、家庭用に装備するのは現実的ではありません。

余談ながら、チェックを怠った人のモップの先端が6000Vの電線にわずかに触れた瞬間、バーンという大音響と共に身体ごと2mくらい吹っ飛ばされて、ショックで意識朦朧となるのを目の当たりにしたりもしました。目に見えない電気は、つくづく恐ろしいものです。


翻って市街地ですが、市街地の電線も、実は6600Vという大電圧がかかっています。電流値(アンペア値)はそれほど大きくありませんが、それでも感電したら重大なダメージを受け、生命に関わる可能性も高いのです。さらに、電柱上のトランスで変圧されて、建物内に引き込まれる電線には、100V~200Vがかかっています。こちらは電流値が大きいので、感電したら危険なことには変わりありません。

ですから、網の目のように垂れ下がり、しかも切れているかもしれない電線を何も考えずにかきわけるのは、できればやりたくありません。

そこで管理人、いろいろ探してみましたら、それなりに使えそうなものがありました。あくまで、次善の策という感じではありますが。
Kendenki
これは90Vから1000Vの通電を検知して音と光で知らせる非接触式の小型検電器で、単四電池二本で作動します。家庭内配線の電圧は100Vですから、家庭内から屋外の引き込み線(電柱から建物に引き込まれている電線)まで使えます。画像の製品の価格は1600円で、同様の製品が何種類かありました。

問題は、100V配線の場合、先端のセンサー部を電線の被覆から5mmくらいに近づけないと反応しないということです。さらに高電圧のテストはできていないのですが、かなり近づけないと反応しないようではあります。6600Vとなると検知範囲外ですが、実際にはどんな反応をするのか反応しないのか一度やってみたいものの、さすがにその機会はなかなかありません。

しかし正直なところ、数秒を争う緊急避難時には、悠長に電線一本一本をチェックするなど現実的ではありません。周囲の電気が落ちていたら、すべて停電していると決めてかかって行かなければならないでしょう。でも、多少でも余裕があれば、これでチェックすることによって、安心して通り抜けることができます。

この「検電器」は、防災用として必須の装備とまでは言えませんが、非常時に「あれば多少は安心」のグッズとして紹介させていただきました。なお、ネットで「検電器」で検索すると販売サイトがヒットしますし、ネットオークションにも、業務用も含めてかなり出品されています。


■この記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

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コメント

緊急避難時では通電しているか確認するよりも絶縁ケーブルカッターで切断、道路の端に置いとく方が現実的ではないでしょうか?

>由一さん

その方法は、以下の理由であまり現実的では無いかと思います。
■絶縁ケーブルカッターが入手しずらく、高価である。
■絶縁ケーブルカッターというもの自体を、ほとんどの人が知らない。道路に置いてあっても、それが安全に電線を切断できるものだとはわからない。
■正しい使用法を知らなければ、安全とは言えない(複数の電線に同時に接触するなど)
■道路に置いてあれば、救難器具として持っていかれてしまう可能性が高い。
■電線はどこで落ちるかわからず、大災害時はあちこちで発生する可能性が高い。

仮に私が手にしていても、6600Vなど高電圧の通電有無がわからない状態で、緊急避難時に自信を持って切断することはできないでしょう。一か八かという状態でしょうね。事前に練習することも素人には不可能ですし。

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