【福島県沖でアウターライズ地震】地震関連情報【10/26】
10月26日、午前2時11分頃、福島県の約280km沖、深さ10kmを震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮城県、福島県、栃木県で最大震度4を観測しました。この地震により、福島県の沿岸部に津波注意報が発表されています(本稿執筆時点10/26 03:00)
この地震は、海岸から約280kmという距離で発生していること、震源深さが10km程度と浅いことから、東日本大震災の影響によるアウターライズ地震と考えられます。
アウターライズ地震とは、陸側のプレートの下に潜り込む海側のプレート(日本の場合は太平洋プレート)の「沈み込み帯」の沖に当たる、アウターライズと呼ばれる部分で発生する地震で、プレートの沈み込みによってかかる引っ張り力によって、海底の地殻表面付近で発生する地震です。
プレート境界型大規模地震によって陸側と海側のプレート境界が破壊されると、プレート境界の摩擦力低下によって海側プレートが沈み込む速度が上がるために、沈み込み帯の沖側に平時より大きな引っ張り力がかかります。その力によって、アウターライズの浅い部分が「引きちぎられる」ように発生する、正断層型地震です(下図参照)
アウターライズ地震は、震災本震の約15分後に発生したマグニチュード7.5を最大に、宮城県以北の三陸海岸沖では何度か発生してきましたが、今回の地震はそれよりやや南方に当たる、宮城県の牡鹿半島の東南東約290km、福島県北部東方約280kmで発生しました。
この周辺では震災後にほんの数回程度、ごく小規模のアウターライズ地震が発生している程度です。今回のマグニチュード7.1は震災後最大クラスに近く、この震源としては津波注意報の発表もおそらく初めてではないかと思われます。
アウターライズ地震は、地殻の比較的浅い部分で発生するので海底の変形を伴いやすく、今回のようにマグニチュード6台後半以上になると、津波が発生する可能性が高い地震です。震源が陸地から遠いために、地上の揺れはそれほどでも無いのに津波が起きることがあります。過去には、揺れを感じなかったのに津波が来たというケースもあります。
震災による大規模な地殻変動はこれからも長い間続くので、今後も時々発生することが考えられます。
■追記
この地震のマグニチュード値は、当初の速報値6.8から7.1に修正されましたので、本文の数値も修正いたしました。
■この記事は、カテゴリ【地震関連】です。
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