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2013年11月20日 (水)

福島レポート【2013/11/9】その3

南相馬市原町区を後にして、国道6号線を南下して小高区へ向かいます。ここは原発から20km圏内の警戒区域だった場所で、2012年の4月に警戒区域指定が解除されたものの、現在でも夜間の入域や宿泊は禁止されており、かつての生活は全く戻っていません。

管理人は2011年中からこの地区を見ており、さらに1年後も訪れていますが、今回同じルートを走ってみても、事実上何も変わっていません。地震で崩れた壁なども、あの当時と全く同じ状態でした。しかし、昼間だけでも稼働している工場なども散見され、除染作業も含めて、再生への努力が続いているのも見られました。

小高区内を南下し、現在も立ち入り禁止の浪江町との境界方面へ向かうと、打ち捨てられた牛舎が深い草の中に沈んでいます。2011年当時は、その付近でも牛舎から放たれた牛が群れていましたが、1年後も現在も、もうその姿は見られません。牛たちは、おそらく浪江町内方面へ移動したのでしょうが、閉じこめられたまま全滅となった牛舎も少なくなく、改めてその中を覗く勇気は、管理人にはありませんでした。間もなくあれから二回目の、放浪動物にとって過酷な冬がやってきます。

小高区内で、浪江町との境界付近の道路際、地上1mで測った放射線量が下画像です。
Sany0035
平坦な草地の脇でしたが、2.35マイクロシーベルト毎時と、一年前とほとんど変わっていない高線量のままです。さらに奥に入れば、数十マイクロシーベルト毎時を超える高線量地域も少なくないとのことです。

次に、小高区の海沿いへ向かいました。震災から1年後、管理人は小高区の村上海岸へ行っていますので、まずそこへ行ってみました。旧警戒区域の北限付近に当たるその場所では、津波で破壊された家の撤去作業がやっと始まっており、家の土台だけが残されていました。前回訪問時に比べて、被災車両の数もかなり減っています。しかし、かつての田畑の中には、少なくなったとはいえ、激しくひしゃげ、赤さびた車やトラクターが未だ点々と残っています。

今回、さらに南側の海岸付近へ初めて行ってみました。そこでは、一階部分を津波で破壊された建物が、まだほとんどそのままです。約一年前の警戒区域解除直後には、破壊された家の中に生活の痕跡がそのまま残っていることが多かったのですが、現在はとりあえず片づけられている家が多く見られました。しかし、全く「あの日のまま」という家もあります。誰も、一度も戻って来ていないのです。

海沿いの堤防のかなりの部分は津波で破壊されており、大型土嚢が積まれています。さらに一帯はかなり地盤沈下しているようで、かつての田畑は湿地帯のような状態です。その中に原型を留めない車が放置されています。

その付近は津波後も長い間水が引かなかったと思われ、取り残された車は下画像のような状態です。
Sany0036
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車体に、フジツボなどがびっしりと付着しており、何ヶ月も水没していたことがわかります。管理人はあちこちの被災地を見て来ましたが、こんなのは初めて見ました。この辺りでは、あの日の状態から、今やっと時間が進み始めたばかりのように感じます。


原発に対しては様々な考え方がありますが、大切なことは事実を事実として正しく認識し、その上で今後の在り方を考えなければならないということではないかと、時間が止まった被災地に立って、改めて考えさせられました。できれば、より多くの方がこの状態を実際にご覧になられることをお勧めしたいと思います。

南相馬からの帰路は、かつてはそのまま国道6号線を南下して常磐自動車道に乗れば良かったのですが、国道6号線も常磐自動車道も警戒区域で分断されている現在は、一旦福島市方面に戻って東北自動車道に乗らなければなりません。

日が落ちた後、再び飯舘村を通過したのですが、その市街にほとんどが明かりが無く、真っ暗闇でした。それらの地を追われた被災者が未だ20万人も避難生活を送っており、特に原発事故被災地では、その多くが帰還の目途も立っていないという事実を、我々は決して忘れてはならないのです。

今回の福島レポートは、これで終了します。


■当記事は、カテゴリ【被災地関連情報】です。

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