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2013年11月24日 (日)

対岸の火事ではない【フィリピン台風被害】

去る11月8日、台風30号がフィリピンを直撃し、レイテ島を中心に大規模な被害が出ています。

基本的には暴風と高潮による被害ですが、その後の調査によると、強風によってレイテ湾の潮位が短時間で大きく変動し、波高3~5mに達する「段波」(だんぱ)という現象が起きたようです。

まず最初に陸風、つまり陸から海へ向かって吹く強風によって海水が沖に向かって吹き戻され、潮位が下がりました。ウインドセットバックという現象です。次に、台風の接近によって風向が急激に海風、つまり海から陸に向かって吹く風に変わったために、吹き戻されていた海水が一気に陸に向かって押し寄せました。その際、海水が段状に盛り上がり、津波のように陸地を襲ったとのことで、映像でも津波のような高波が一気に陸地に到達しているのが確認できます。

今回はフィリピンで恐るべき大災害となってしまいましたが、これは決して「対岸の火事」ではありません。あのような超巨大台風が、日本列島を襲っていても全くおかしくなかったのです。

なお、気象による高波と地震による津波の根本的な違いは、高波は水面近くを波のエネルギーが伝播するだけなのに対し、津波は海底から海面まで全層を波のエネルギーが移動し、高波よりはるかに大量の水が実際に動くという点です。


台風30号の発生時には、日本列島上空には大陸からの高気圧が大きく張り出していたために、台風は偏西風に流されて日本列島方面へ曲がらず、高気圧の縁に沿う形で北西方向へ直進して、フィリピンを直撃しました。

これは、日本列島上空が大陸からの高気圧に覆われるという「秋の気圧配置」だったからです。つまり8月~10月初旬くらいの「夏の気圧配置」の季節だったら、台風は南シナ海上で右旋回し、高い確率で日本列島に接近していたはずです。

さらに問題なのは、11月という時期にあのような超巨大台風が発生したということです。

近年、フィリピン近海から日本列島周辺にかけての海水温が高くなる傾向にあり、特に今年(2013年)はそれが顕著でした。台風の勢力は海水温、すなわち海面から蒸発する水蒸気の量によって大きな影響を受けます。

現実に、今年の日本列島はいくつもの強い台風に襲われました。そして11月という「晩秋」になっても、海水温は超巨大台風を発生させるレベルを維持しているということであり、この傾向は今後さらに顕著になって行くものと思われます。単純に言えば、日本列島周辺の「亜熱帯化」が進むのです。

つまり、あのような超巨大台風が、いつ日本列島を襲ってもおかしくないということです。しかも、台風だけの問題ではありません。海水温の上昇は、秋冬にいわゆる「爆弾低気圧」の発生増や強力化も促します。すでに秋冬でも暴風、豪雨、豪雪、さらには落雷や竜巻の被害が以前より発生しやすくなっており、それはこの先さらに顕著になって行くでしょう。「過去に何も無かったから、これからも大丈夫」という考えが、全く通用しない時代になっているという意識を持たなければなりません。

過激な気象現象は、災害に対する脆弱性をピンポイントで突いて来ます。しかしそれは、どこに脆弱性があるかを事前に知り、対策を進め、安全マージンを大きく取った行動をすることで、少なくとも人的被害は最小限にできるということでもあります。

そのためには、行政や他人任せではなく、あなた自身が知り、対策し、あなたの判断で動くという意識と備えが必要です。

「こんなことになるとは思ってもいなかった」などという「後悔先に立たず」の言葉を吐くことになりませんように。言うまでも無く、災害から生き残らなければ、そんな後悔をすることもできませんし、犠牲になった人は決して戻って来ないのです。

当ブログが、あなたとあなたの大切な人が「生き残る」ための一助になれば幸いです。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

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