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2013年11月 4日 (月)

☆再掲載☆高層ビル編07【首都圏直下型地震を生き残れ!33/54】

■当記事は過去記事の再掲載です■


今回は、高層ビルでの地震対策における「考え方」ですが、特に後半部は、高層ビルに限らないすべての災害対策に共通するものですので、どたなもお読みいただれればと思います。

前回記事のyoutube動画、ご覧いただけたでしょうか。ご覧いただけない方がありましたら、ごめんなさい。高層ビルの中層階以上で強い地震波を受けると、あのような状態になる可能性が高いのです。

イメージとしては、家具類が動くというより、物体は慣性の法則で静止しつづけようとしているのに、床の方が激しく動くので、仕方なく床の上を滑ったり転がったりしてしまう、という感じです。特にオフィスのキャスターつきコピー機の動きがすさまじいですね。あの動きは、揺れの速度と揺れ幅そのものと言っても良いでしょう。あのような場合の対策として、どなたもまず「家具類の移動・転倒防止」を考えられたと思います。もちろんそれは正解ですが、果たしてそれだけで良いのでしょうか。

家具類の移動・転倒防止方法としては、チェーンやベルトで壁と結着する、脚の下に防滑パッドを入れる、天井との間に突っ張り棒を入れる、床との間にくさび状の器具をはさみ、壁によりかからせる、ジェル状の防震パッドを入れるなどの方法があるのはほとんどの方がご存じでしょうし、当ブログでも過去に「家の中の地震対策」シリーズで紹介しています。

ただし、当ブログではその問題点も指摘して来ました。一戸建てでも集合住宅でも、そして特にオフィスでは、それらの器具の能力を最大限に生かせる環境は、意外に少ないのです。つまりそれらの対策をしても、ある程度の時間は持ちこたえても、最終的には揺れに「負けて」しまう可能性が高いと思われます。さらに問題がもうひとつ。あの実験動画は、高層ビルにおける大地震のシミュレーションとして最もリアルなのは間違い無いのですが、現実と異なる可能性がひとつだけあります。それは揺れの持続時間。

実験では、強い揺れがせいぜい数十秒程度で収束していますが、強く長い「長周期地震動」が発生し、ビルが共振現象を起こした場合など、あのような揺れが数分間にわたって続くこともあり得ます。その間、すべての移動・転倒防止対策が完全に機能しつづけるとは、あまり思えません。どこかに破綻が生じる可能性が高いと思われます。

また、内陸直下型地震のような「短周期地震動」が加わった場合、中層階では「二次モード振動」の発生により、さらに速く、周期の短い強い揺れに襲われることもあります。東日本大震災で、壁の破損などの被害を受けた高層マンション中層階居住者の証言では、「ぐるぐる回るように、振り回されるような揺れだった」というものがあります。「二次モード振動」が発生した場合、ビルが身をくねらせるように揺れますから、ビルの構造など様々な条件により、一定方向の揺れではなくなることもあるのです。

これらのことを考えると、家具類をとりあえず「固定」すれば安心、とは言えないのはおわかりいただけるでしょう。
では、どうするか。まず最初に考えなければいけないのは、人が無防備な状態をできるだけ無くす、ということです。前出動画のような場合でも、家具がある程度「固定」されていれば、動画のようにすぐに倒れかかって来ることは無いでしょう。でも、もしあの人が「動けなかった」としたら。赤ちゃん、幼児、お年寄りや病人はもちろん、酔っていたり、第一撃で怪我をしてしまったり、気を失ってしまったりしていたら。そうでなくても、気が動転して動けなくなることは、十分に考えられます。

人が一番無防備な状態は、寝ている時ですから、まず最初に、寝室や寝床周りの危険を「取り除く」ことが必要です。できれば、危険なものが周囲に無いのが理想ですが、様々な事情でそう簡単なことではないでしょう。しかしまずは「防災の断捨離」をするという考えで、家の中を見直してください。「生き残る」ためには、思い切りも必要です。危険なものをできるだけ取り除いたら、その次に、残ったものの危険を減らすのです。そこで重要なのが「予防安全」(フェイルセイフ)の考え方です。

旅客機の操縦系統は三重、四重になっているのが普通ですが、これはどれかが故障しても、常に代わりの系統で操縦が続けられるようにするという、「予防安全」の典型的な事例です。このように、「あれがダメならこれ、それもダメならその次」というふうに、「安全の多重系」を構築するのです。特に高層ビルにおいては、揺れが長時間続くことが考えられますから、危険の「第二波、第三波」への対策が重要です。

そしてその中に、「ヒューマンエラー」の可能性も織り込まなければなりません。これは、人間が「その場で期待される行動をしない、あるいはできない」ケースを想定するということです。例えば、赤ちゃんが寝室で寝ている時に大地震が来たら、台所にいるお母さんは真っ先に赤ちゃんを助けに行くのが当然だから、その間だけ家具が倒れなければ良い、という前提ではいけないということです。

これはエラー、つまりミスでは無いのですが、何らかの事情で望まれる行動ができないことを想定するのです。この場合には、揺れが収まるまで赤ちゃんに危害が及ばない状態を作っておかなければならないということになります。平常時でも人間はとんでもないミスをするものです。ましてや緊急時に冷静な行動ができる人など、そうはいないのです。あなたも、もちろん管理人とて例外ではありません。その前提で、対策を考えていかなければなりません。

では、その考え方を具体的にどう生かしていくかについては、次回へ続きます。


■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】です。

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