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2013年12月22日 (日)

関東の地震多発傾向が鮮明に

昨日12月21日、前日未明に引き続き、またもや関東で中規模地震が発生しました。今度は千葉県北東沖でマグニチュード5.4、最大震度4です。12月に入ったくらいから、関東の各震源域が、明らかに活発化しています。

下図は、12月に震度4クラスの中規模地震が発生した震源域を示したものです。呼称は気象庁の地震情報で使用されるもので、数字は発生している震源深さです。
201312
それぞれの震源域は、東日本大震災以降に誘発地震が多発してきた場所で、発生自体は珍しいことではありません。しかし最近、地震発生回数もかなり減ってきている中で、半月ほどの間に震度4クラスが集中したことは、偶然では無いと考えられます。

上図のうち、「千葉県北東沖」も震災後に誘発地震が多発している場所ですが、その大半は主に、水色で示したくらいの範囲で発生する深さ10~20kmの地震でした。しかし今回、青色で示した部分でマグニチュード5台半ば、深さ50~60kmという、発生メカニズムが異なる地震が連続しました(12/14と12/21)今まで、ほとんど起きていなかったタイプの中規模地震が、ほぼ同規模で2回連続したものです。

このように、ここ半月ほどの間に関東の多発震源域が「一斉に」動いているような状態で、そこには何らかの「理由」が存在するものと考えるべきです。小笠原諸島西之島付近の海底火山活動も、その「理由」と無関係では無いかもしれません。

現在、関東で多発している地震は、茨城県北部を除いて深さ50~90kmと、かなり深めなのが特徴です。茨城県南部では、震災後2年間くらいは深さ40~50kmくらいの地震が大半でしたが、最近は深さ70kmくらいと、少し深めになる傾向があります。

これらの地震は、どのようなメカニズムなのかを考えて見ましょう。下図は、関東南部の地下を模式図で表したものです。
Mini
関東南部では、陸側のユーラシアプレート、その下にフィリピン海プレートが重なり、そのさらに下に海側の太平洋プレートが潜り込むという三層構造となっています。その中で、現在多発している深さ50~90km程度の地震はのタイプは図中の5番が主で、一部は4番と思われます。

5番は、太平洋プレートの岩盤(スラブ)内で発生する「スラブ内地震」で、太平洋プレートが陸側のプレートに潜り込む圧縮力で発生する逆断層型地震です。震災後に宮城~茨城県沿岸部で多発している深さ50~60km程度の地震と同じタイプです。

4番は、太平洋プレートとその上のフィリピン海プレートの境界にかかる圧縮力によって発生する「プレート境界型地震」で、逆断層型が主になります。このタイプがどれだけ含まれているかは、詳しい調査資料が入手できない管理人には判断できかねますが、深さ40~50km程度の地震の一部は、このタイプである可能性が考えられます。なお、「スラブ内地震」に比べて「プレート境界型地震」の方が、大規模化する可能性が高くなっています。


では、今後どのようなことが起こる可能性があるのでしょうか。

まず言えることは、関東南部を中心に中規模地震を連続させている、何らかの理由が存在するということです。そしてそれが、さらに大規模な地震を誘発する可能性は否定できません。千葉県北東沖で、珍しいタイプ地震がほぼ同規模で連続したことからも、ひずみエネルギーが蓄積された場所に、それが解放されるトリガーとなるなんらかの力が加わっていると考えるべきでしょう。もし、さらに大きなひずみエネルギーが蓄積されているとしたら、それが解放されるトリガーとなることもある、ということです。

もうひとつは、誘発の可能性です。関東各地の震源域で比較的大きな地震が多発することで、近隣の、特に浅い断層の動きを誘発する可能性があります。割れかけた岩があれば、それを揺すればさらに割れやすくなるということです。最も危惧されるのは東京23区や東京湾直下の地震ですが、もしそこにひずみエネルギーが蓄積された断層が存在するとしたら、頻繁に揺すられることで動く可能性が高まっていると言うことができます。


上記のような危険を確率で表すようなことは困難ですが、いわゆる平常時よりはるかに危険度が高まっていることだけは確かだと言えましょう。結果的に大したことが起きない可能性も低くありませんが、まずは「普通でない動き」がある時には「普通でないことが起こりやすい」と単純に考え、警戒意識を高めておくべきです。

今年の寒空で帰宅困難になったり、家に入れなくなったりすることを考えただけでも、ぞっとしませんか?家の中でも、インフラ全停止の状況に対応できる備えはありますか?やるべきこと、できることはいろいろあります。


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