【ご質問にお答えします】子供の頭を守るために
今回は読者の方からのご質問にお答えする形で、管理人からの提案をお送りします。
小さなお子さんをお持ちのママさんから、お子さんの防災用ヘルメットなどについてのご質問をいただきました。防災ずきんをかぶるにはまだ小さかったり、嫌がったりするお子さんにはどんなものが良いかというご質問で、安全性が高く、簡単に脱げたりしないものがご希望です。
まず、自転車用ヘルメットはどうかということでしたが、管理人としては、自転車用ヘルメットは防災用として非常に優れていると考えます。プラスチックの帽体の中に発泡スチロールの緩衝材が入っており、あご紐もしっかりしていて簡単に脱げません。自転車で転倒した際に頭部を守る機能があるものですから、落下物や衝突に対してもかなりの効果が見込めます。
衝撃に対する防護力は、いわゆる保安帽(工事現場などでかぶるプラスチックヘルメット)より高いはずです。自転車用ヘルメットは子供用はもちろん、大人の防災用としてもかなり有効かと思います。
問題としては、一般的には通気用のスリットが入っているるので、夏場は快適ですが冬場には寒いとうことと、スリットを抜けるような細いものの刺突に対して弱いということです。しかし、寒さはヘルメットの下に帽子をかぶったり、最悪、スリットを養生テープなどで塞いでしまうことで、ある程度解決できます。
刺突に対しては、お子さんの場合は上から防災ずきんをかぶれば事実上ほとんど問題無く、防寒・防火効果も加わります。でも現実的には、地震災害時にスリットを抜けるような細いものが刺突して来る可能性は低いかなとも思いますが。ですから、子供用のスリットが無いタイプならば上記のような問題も無く、お子さん用として理想的ではないかと思います。
ただ、自転車用などのヘルメットはそれなりのスペースを取りますし、自転車に乗る時以外も持ち歩くのは現実的ではありません。もう少し手軽なものが欲しいところです。そこで、管理人からの提案です。
これは日本のケミカルメーカーDICプラスチック(旧・大日本インキ化学工業)の製品で、商品名IZANO CAPというものです。帽子とたれ布(しころ)の部分は、火がつきにくく、すぐに燃え広がらないよう防炎加工を施した綿100%素材です。内部には、プラスチック製の衝撃吸収プロテクターが入っています。
黒い方はスタンダードタイプで防炎加工無し、オレンジ色はあご紐、たれ布(しころ)付きの防炎タイプです。なお、衝撃吸収プロテクターは、ペットボトルのキャップをリサイクルした素材です。
防炎タイプはあご紐つきで、簡単には脱げたりしません。ポイントは、あご紐が帽子部分ではなくプロテクターについていることです。つまりしっかり締めていれば、衝撃が加わってもパッドがずれにくいのです。また、ちょっと工夫すれば、パッドだけを取り出して、他の帽子の下に装着することもできるでしょう。
大きな特徴は、そのコンパクトさ。畳んで専用ポーチに入れると、ほぼ文庫本サイズになります。お子さんのランドセルの横にいつもぶら下げておくような使い方もできます。帽子のサイズは2タイプで、49cmから62cmまで対応していますから、小さなお子さんから大人まで使えます。多少大きくても、他の帽子を下にかぶるなどすれば十分に実用になりますし、その方がさらに防護効果が上がります。
製品の詳細は、下記メーカーサイトをご覧ください。内蔵されたプロテクターの形状や、収納時のサイズがわかるイラストなどもご覧いただけます。PDFファイルです。
■IZANO CAP製品情報
肝心の衝撃防護効果ですが、プロテクターが頭部にほぼ密着しているために、帽体の変形を許容し、衝撃を分散するための距離(スタンドオフ距離)が少ないので、その点ではヘルメット類にはかないません。それはこの製品に限らず、帽子タイプの限界ではあります。それでも、メーカーのテストによれば防災ずきんの3倍程度の衝撃吸収能力があるとのことですから、現実的には十分な性能と言えるでしょう。
価格は、スタンダードタイプが2800円、防炎タイプが3780円と少し高めですが、衝撃吸収性能、防炎性能に加えて持ち運びも容易という機能を考えれば、特にお子さん用として価値のあるものでは無いかと思います。もちろん、大人のEDC装備としてもお勧めできるものです。文末にAmazonの商品リンクを掲載しておきます。
実はこの製品、昨年中にある見本市で見つけました。実物を手に取ってチェックしながらメーカーの担当者さんの説明を受け、ブログでの紹介許可もいただいていたのですが、その時点では発売前で紹介できず、それから延び延びになっていたものです。この度のママさんからのご要望にぴったりだと思いましたので、ここでご紹介とあいなりました。
余談ながら、管理人はメーカー担当者さんと話しながら「帽子をノーメックス(高性能耐火繊維)で作ってくださいよ」と無茶振りをしたところ、担当者さんは苦笑いしておりました。一応、それも検討はされたそうで。ええ、わかっています。さらに素晴らしい製品にはなるでしょうが、価格は恐らく1万円を超えて、とても売り物にならないwでも、そんな高機能製品が安価で入手できる日が来ることを、管理人はいつも夢見ているのです。
ヘルメットの話が出たところで、次回もヘルメットに関する管理人からの提案をお送りします。
↓S/Mサイズへのリンクです。
↓M/L サイズへのリンクです。
↓スタンダードタイプへのリンクです。
■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
てばさん、ありがとうございます!!
そうです!こういうのが知りたかったんです!
ホームセンターではなかなかいいものに出会えず、ネットではどれが有効なのか情報が少なすぎて・・・
ヘルメットは使用するとしても、自宅で被災、そこから避難する時にしか使えないでしょう。でも、私は日中は勤務している身であり、その時に被災する可能性もあるわけです。
これなら迎えに行く際に私もかぶれますし(私はロングヘアーなので、そういう意味でもこれはいいですよね!)、もちろん保育園から子どもを避難させるさいにもバッグから取り出せて使えそうです。
値段はそれは安いに越したことはありませんが、自分の目的に合ったものであり、子どもの命を守れるものであれば、これはありだと思います。
あとは・・・子どもの成長は早いので、自転車ヘルメットのように少し頭囲を調節できればなおいいのですが^^;
次の記事も期待しています!
投稿: はるママ | 2014年2月27日 (木) 11時05分
ちゃんと詳細みてからコメントすべきでした・・・
(うれしさのあまり、とっさにコメント送信してましたTT)
かなり幅に余裕があるようですね。これなら、幼児から小学生まで長く使えそうです。
投稿: はるママ | 2014年2月27日 (木) 11時25分
>はるママさん
はるママさんのご要望にぴったりのものじゃないかと思って紹介しました。お役に立ててうれしいです。メーカーのDICは、作業用ヘルメットなども作っている会社なので、品質や性能は十分信頼できると思います。S/Mサイズならば49~56cm対応なので、小さなお子さんでも大丈夫ですね。
次回は主に大人用の簡易ヘルメットと、もっとハードな、でも便利な奴を紹介します。
ところで、防災グッズ等についてママさん目線でのアンケート的なことをお願いできればと思っているのですが、もしご協力いただけるようでしたら、ブログサイドバーの「メール送信」からか、下記の管理人アドレスまでご連絡いただけますでしょうか。よろしくお願いします。「メール送信」からでも同じアドレスです。
smc-dpl@mbr.nifty.com
投稿: てば | 2014年2月27日 (木) 14時56分