☆再掲載☆本当に必要な防災グッズとは?【6】
■当記事は過去記事の再掲載です(加筆修正あり)
今回は、低コストで効果的な「防水・防寒」グッズの紹介です。
まずは再び登場のこれ。
ニットキャップです。非常時にはとても重要なのです。実は、人間の体表面から放出される熱のうち、毛細血管が集中している頭部からの割合は、なんと全体の40~50%にも及びます。つまり、頭を保温しないと、膨大なカロリーの無駄遣いをしているわけです。普段は、おなかがすいたらすぐに何か食べられる、つまりカロリーの補給ができるので気づきずらいのですが、非常時でろくに食べられない時は、その差は歴然と現れます。
普段あまりキャップをかぶらない方は、試しに寒い日の外出時、ニットキャップの有り無しを比較してみてください。かぶっていると身体が楽なだけでなく、血液を無駄に冷やさないことで、身体全体の暖かさが全く違います。災害時は快適さも重要ですが、少ないカロリーを無駄なく使い、行動できる体力をなるべく温存することが大切なのです。そして、極限状態にまでなってしまった場合、このわずかな残存カロリーの差で生死が分かれることもあるということを、現実の問題として考えてください。
とりあえず頭を保温できればなんでも良いのですが、耐熱性を考えると、ウール100%のものがベターでしょう。画像は私が普段から愛用しているものです。ウール100%の米軍放出品「ワッチキャップ」で、価格は1000円ほどの手頃なものです。
■管理人註:上画像のニットキャップは、ウール100%の米軍規格品ですがロスコ社製ではありません。再掲載時点では、管理人は汎用性の高さからロスコ社製をお薦めしております。文末に再度、ロスコ社製品の商品リンクを貼ります。
次は手。軍手は「防災グッズ」の定番ですが、防寒用としては風通しが良すぎて、寒い時に濡れてしまうと、かえって苦痛どころか、寒冷地では凍傷の怖れもあります。そこでお勧めなのがこれ。
作業用の、厚手のゴム手袋です。できれば、防寒用の内貼りのついたものが理想的。これひとつで絶大な防水・防寒効果がありますし、避難生活中の作業用としても多用途に使えます。アウトドアでは、手を濡らさず、暖かく保つのは非常に重要なのです。東日本大震災の被災地でも、寒さの中で軍手よりゴム手袋が欲しかったとの声が多く聞かれました。軍手は濡れたらあまり使い物になりませんし、衛生維持の効果もありません。
こんなのも、かなり実用的です。
園芸用、台所用などの薄手のゴム手袋です。防水はもちろん、それなりの防寒効果があります。もちろん、ろくに手が洗えない避難生活中にも大活躍です。不自由な避難生活中に体調を崩すと、生命に危険が及ぶこともあり得ます。衛生状態の維持は、平常時以上に大切なのです。
さらにゴム手袋は、負傷者救護時の血液感染防止用、カッパと併せて放射性物質防護用としても、是非とも用意しておきたいものです。余談ながら、私は震災後に福島県の某地域で、緑の奴(上画像)を実際に使って来ました。いずれもホームセンターで、安価で入手できます。
最後は火。身体が凍えてきたら、なんとしても暖めないと命に関わります。たき火をしたいところですが、雨、雪、強風の中では、マッチや100円ライターではなかなか火が起こせません。
山や森の中ならともかく、例えば雨の都市部で、燃やしやすいものがあるでしょうか。火口なるものもあまりなく、あっても湿っていて、木材などもみんな濡れているのです。そんな中で「強引に」火を起こさなければなりません。そこで用意したいのが、これ。
ターボライターと着火剤です。これなら強風の中でも、湿り気のある火口でも、かなり着火しやすくなります。さらに着火剤があればなお簡単。画像のライターはツールつきでツインバーナータイプのアウトドア用品ですが、コンビニで売っている200円程度のものでも、十分に使えます。
それをさらに強力にしたのがこれ。
カセットボンベ用のバーナーです。キャンプ用や工作用のガスバーナーは良く見かけますが、これは低価格のカセットボンベを使うのがポイント。強力な炎で、多少濡れたものでも乾かしながら着火してしまいます。気温が低いとガスの気化熱でボンベが冷え、気化が追いつかずに火力が弱まりやすいので、ボンベ保温用として携帯カイロとセットにしておくと良いでしょう。これなど、普段からキャンプでの火起こし、屋外の害虫退治、工作などだけでなく、魚をあぶったり、グラタンに焦げ目をつけたりなど、いろいろ使いでがありますよ(笑)
災害時に火を手軽に起こせるということは、実用面だけでなく気持ちの面でも大きなプラス効果があります。何より暖かいと元気がでますし、冷えた食品も温められます。これはイワタニ製で、価格は1800円前後です(ボンベ別)
最後の最後は、ちょっとしたアイデアを。
防災グッズの定番、アルミレスキューシートですが、たき火の際に実に効果的な使い方があります。たき火は、身体の片側は暖かいのですが、反対側が寒い。そこでたき火の近くにレスキューシートを広げれば、ストーブの反射板と同じ効果があります。表現はどうかと思いますが、「両面焼き」(笑)になりますし、広い範囲に熱を反射することもできますので、たくさんの人が火に当たれます。表裏で色が違うものは、金色の面を火に向けると、熱の反射率が上がります。
かなり長くなってしまいましたが、是非参考にしてみてください。いわゆる「防災グッズ」でなくても、工夫次第でいろいろなものが利用できるのです。冬、冷たい雨や雪の中、強い風が吹き、身体の熱がどんどん奪われ、ふるえが止まらない。そんな中に放り出されて、このままでは生き残れない。そんな時何が欲しいか、皆様ご自身でも考えて見てください。
あなた命を守るのは、あなた自身です。そしてあなたが生き残らなければ、大切な人を守ることはできないのです。
『本当に必要な防災グッズとは?』シリーズは、次回で一旦最終回となります。
■商品リンク掲載に当たっての追記■
ホームセンターなどで入手できないこともあるウール100%ウォッチキャップ、着火剤、カセットボンベ式バーナーのAmazon商品リンクを掲載します。また、最近管理人は現実的な保温効果の低さからアルミレスキューシートを持ち歩き装備としては優先しておりませんが、寝袋タイプならばかなり高い保温効果や防水効果が見込めますので、そちらもリンクしておきます。管理人も自宅の非常持ち出し用に装備しております。
■このシリーズは、カテゴリ【防災用備品】です。
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