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2014年2月25日 (火)

小説・声無き声 第一部【あとがき】

22回に渡ってお送りしてきました「小説・声無き声 第一部」いかがでしたでしょうか。これは、前作の「生き残れ。」で登場した元陸上自衛隊員、三崎玲奈が、震災から二ヶ月後の福島へ被災動物救援ボランティアに行き、そこで体験したことの物語です。この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、設定は架空のものです。しかし、玲奈が体験する様々な事柄の多くは、周辺の設定に脚色はあるものの、ほぼ事実を描いています。

管理人は震災二ヶ月後2011年5月、つまりこの物語の玲奈と同じ時期に何度も福島へ入り、この作品で描いたような活動をして来ました。あの白い防護服を着るような「最前線」にも入り、報道には決して乗らない、過酷な現実も目の当たりにして来ました。この作品は、様々な問題を抱えながらも、ただ動物たちの命を救うために、小さくないリスクを冒しながら無償で活動を続ける人々の存在と、外からではほとんどわからない、福島の「本当のこと」を少しでも知っていただきたく、書こうと思い立ったものです。

管理人は、震災までは福島とは何の縁も無かったのですが、自分なりの被災地支援の方法として、福島の被災動物支援を選びました。その心情を作中で玲奈に代弁してもらっていますが、人に飼われていた動物を救うことで、ひいては人の心を救う力になれればという思いと、地震、津波に加えて原発事故という未曾有の状況となった「最前線」を、実際にこの目で確かめたいという思いからでした。

フィクションという形態を採ったのは、自分の体験をレポートするという形よりも、物語としてディティールを細かく書いた方が過酷な状況やそこに立った人間の心情をよりリアルに感じていただけると思ったからです。しかし筆力の無さから、事実を描き切れたとはとても言えません。実際の状況はこれよりはるかに過酷であり、それが現在も、そしてこれからもずっと続いて行くのです。

物語では、最後に"おばあちゃん”が登場します。ストーリーはかなり脚色していますが、その存在と言葉は、ほぼ事実の通りです。管理人はその「声」を聞きながら、自分も含めたボランティア達の存在が、少しでも人の心を救う手助けができたんだなと実感でき、深い喜びを感じました。ここへ来て、本当に良かったと。

しかし、そんな行為の見返りを求めるようにも見える心情に、違和感を感じられる方もあるかと思います。でも実際に現場に立って見れば、想像をはるかに超えたあまりに巨大で過酷な悲しみと苦しみの中で、自分の存在や行為が一体何の役に立つのだろうかという、不安のようなものにずっと苛まれていたのも事実なのです。想像を超える現実の前で、心のバランスを保とうとしていたのかもしれません。

それが、"おばあちゃん”の言葉で救われました。被災地に入った人がしばしば口にする「逆に自分が励まされた」とは、こういうことなのだと。被災地を目の当たりにし、被災者と触れあうほど、当事者と部外者の間にある越えられない溝を感じざるを得ず、「役に立ちたい」という思いが空回りしているような、不安と苛立ちもあったのですが、ひとつの言葉で、本当に救われました。

ひとつの行動は、必ずどこかで誰かを救う力になっています。被災地に行かなくても、実感など無くても、小さな寄付や被災地の産物を買うことなどもすべて、苦しんでいる人々や動物たちを救う力になっているのです。


震災から間もなく三年が経ちますが、被災地にはまだまだ多くの支援が必要です。皆様のできる範囲で、できる方法での継続的な支援を続けていただければと願っています。「明日は我が身」かもしれません。管理人としては、今後も福島の被災動物支援を中心に行って行きます。当ブログを通じて、今後もチャリティー企画等を行って行きますので、ご支援、協力いただければ幸いです。

なお、今回の作品は「小説・声無き声 第一部」というタイトルの通り、第二部を予定しております。第二部では、三崎玲奈が今度は宮城県の津波被災地へ行きます。内容としては、初回作の「生き残れ。」と同様、地震・津波対策マニュアル的な内容を盛り込んだものとなります。

ただ、かなり実験的な体裁を考えており、ご批判をいただくことになるかもしれません。それでも、管理人がお伝えしたいことをより良く表現するための方法として、敢えてトライしてみようと思っています。ご期待くださいと言う自信が無いのですが、お楽しみに。


■当記事は、カテゴリ【ディザスター・エンタテインメント】です。

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