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2014年2月15日 (土)

大雪警戒情報の功罪

太平洋沿岸各地が、今年二度目の大雪に見舞われました。当ブログでは、大雪に関しては特に触れるつもりはなかったのですが、ひとつ非常に気になることがありますので、記事にします。

今回(2/14~15)の大雪は、結果的に前回より積雪量が多く、交通障害や停電などの被害がより大きくなりました。でも、事前には多くの方が「前回ほどじゃない」と思われていたのではないでしょうか。実際に、会社や学校などが早上がりするような動きも少なかったようです。

例えば、東京都心部は結果的に27cmと前回と同じ記録的積雪量となりましたが、大雪情報では14日の夜まで、「東京都心部で10cm程度」と言われていたのです。北海道在住経験のある管理人でも、あの気温と湿った雪で10cm程度ならば、平坦で交通量の多い道ならば部分的にシャーベット状になるくらいで、車は夏タイヤでも走れる程度だと考えていました。さらに、関東南部では夜半に暖気が入って雨に変わるとも言われていました。それらの情報から、「今回は大したことない」と思われた方、多いのではないでしょうか。

しかし管理人は、日が暮れる頃に考えを改めました。明らかにすぐに雨に変わる雪ではなく、降る密度がどんどん上がって行くのです。しかも、水分量が多いために前回の乾いた雪よりずっと滑りやすい、一部の雪国で言う「あぶら雪」に近いものでした。その時点で、これは10cmどころじゃないぞ、良く滑る重い雪のせいで被害がより大きくなるぞと考えました。実際、夜になって一気に激しくなった雪による交通障害が多発し、滑りやすい雪による車や電車のスリップ事故、重い雪の着雪による停電など、前回よりずっと大きな影響が出たのです。

こういう感覚は雪国生活経験が無いとなかなか得られるものではありませんから、誰にもそれが必要だと言うつもりもありませんし、ましてや自慢したいわけでもありません。何が問題かというと、結果的に正確でなかった情報により、対策が後手に回ったケースが非常に多かったということなのです。


今回の状況を見るにつけ、どうしても思い出さざるを得ないことがあります。東日本大震災では、当初は予想される津波高さが6mと発表されたために、避難行動の遅れを招いたケースが非常に多かったのです。パターンとしては、それと同じことだと考えねばなりません。

大雪に関しては、津波のように致命的な状況が起きるわけではありませんが、都市への影響は甚大です。もっと早い段階で高いレベルの警戒情報が出ていたら、例えば高速道路でのスリップによる交通障害や、交通機関の大混雑による移動困難はかなり緩和されていたでしょう。少なくとも、電車がほとんど止まって高速道路がほとんど通行止めになるレベルだという認識が広まっていれば、結果はまったく別だったはずです。

では、結果的に不正確だった情報を出した気象庁の責任を問うのかというと、そんなのは全く無意味です。我々が留意すべきは、地震、津波はもとより、気象に関しても常に得られた情報が絶対ではない、さらに状況が悪化した場合に備えてより高レベルの対応と行うか、少なくとも次善のオプション手段を常に考えておかねばならないということです。残念ながら現代の科学技術では、自然現象を予測する精度は「この程度」なのです。

もちろん、企業などの組織の判断は公式情報に拠らなければなりません。たとえ個人が「今日は30cm積もる」と予想していたとしても、組織の意思決定に反映されることは無いでしょう。それはある意味で仕方ありません。しかし、そのとばっちりを受けるのが我々個人ならば、個人レベルでできる対策をしておかなければならないということです。ひどい目に遭ってから、誰に文句を言ってもはじまりません。例えば今回の大雪で、個人的に雪の中での帰宅困難を想定して、事前にその対策を考えられていた方、どれだけいらっしゃるでしょうか。


もうひとつ。今回、埼玉南部では、2月14日の早朝から雪が降り始めていました。そして、その後大雪が確実だとされていました。なのに、子供が通っている学校では、ほとんどの生徒が制服指定された平底の革靴だったというのです。管理人は、黒いスニーカーを履かせて行きましたけど。

それは、校則違反です。でも、決まり事だから危険でも変えない、危険の可能性さえ考えないということが果たして尊重されるべきなのかどうか。いろいろな考え方はあるでしょうが、こと家族の安全に関しては、管理人はそんな杓子定規な考えを否定します。さらに、校則では許されていないウインドブレーカーを持たせました。結果的に、下校時に吹雪のような雪の中で遅れたバスを長時間待つ間、ずいぶん助かったと。他のほとんどは、制服のまま雪まみれだったそうです。

学生が制服で大雪の中を移動するなど、関東南部では想定されていない「非常事態」です。それでも「決まりだから」守らなければならないと言うどころか、そもそも決まり事が「非常事態」に対応できず、大きな危険を生むことに気づいてさえいなかったというならば、親も学校も管理者としてのリスクマネジメント能力が無いに等しいと言っても過言ではないでしょう。誰かが傷ついてからでは遅いのです。

まあ、これで何かあったら「学校の指示が無かった」とかねじ込む親がいたりするから恐ろしいwもっとも、そんな難癖を想定するのも、学校側のリスクマネジメントのひとつだと思うのですが。


まとめましょう。大前提として、公式に発表される気象情報などの重要さが揺らぐことはありません。それが無ければ、対策ひとつ立てることもままなりませんし。でも、「公式」だからと言って全面的に盲信するのも危険ということです。仮に正しい情報だったとしても、自然現象に関する情報の場合は地域差も大きくなります。例えば積雪量は風向や地形によって大きく変わりますし、津波は地形によってその高さが数倍にもなるということです。

そして、情報の不正確さや判断の誤りが誰の責任ということに関わらず、ひどい目に遭うのは我々個人だということです。ならば、常に公式情報や組織の判断プラスαのリスクを個人で想定し、できるだけ対策をしておくことが、結果的に一番「楽ができる」ということだと思うのです。生死にかかわる事態は、あまりありません。でも、ちょっとした対策で「楽ができる」ケースは、いくらでもあるのです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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コメント

うちの前は十字路になっておりまして、向かい側の家がお年寄りということもあり、雪が降る度にかなりの面積をせっせと雪掻きしてます。いつも平たい鉄製のスコップで作業してるのですが、スコップ自体の重さが雪一掬い分くらいあるのでかなりくたびれます。いつも大きい除雪用のスコップを買おうと決意するのですが、しばらくすると「年に一二回だし…」と選択肢から外れていきます…

結局のところ一般の人にとっての防災意識はこれと同じ感覚なのかもしれませんね。コストだけでなく、あれこれ考える労力やストレスに煩わしさを感じたり、時間の経過とともに危機感が薄れてしまったり。
かく言う我が家もライトは玄関や寝室などあちこちに設置していたはずなのですが、子供達がイタズラして散逸してしまってたことにしばらく気付かずにおりました(汗。
もうすぐ先の震災から3年目。あの時の危機感が薄れるのと反比例して次の震災の危険が迫っているはずですので、これを機に見直していこうと思います。

こんにちは。

日常的にリスクマネジメントを考慮して動いている人は稀ですね。
校則だろうと交通法規であろうと「原則」ですよね。
それを「強制」する人がいるのも事実ですが。
自分の中の規範がないと校則や法規に重きを置いてしまうことも事実です。
但し、今回の場合は「たいしたことない」と考えて脳みそをスルーしてしまった結果だと思います。

私の場合には子供に折り畳みのスノーブーツを持たせましたが、そんなものを無視して雪遊びをしてました。

ずいぶん校則の厳しい学校なんですね、コートぐらいは着用させても良い様な…
ウィンドブレーカーも禁止とは、自転車通学が無いのですかね。まさか学校が
雨のとき傘差し走行を奨励しているわけではないでしょうに。

学校でこれなので会社とかだとリスクマネージメントはトップに左右されると思います。
現場の判断で最善を尽くしても「規定外のことをしたので処分」という笑えない話もありますし…

>tntさん

災害対策というものは、普段の平穏な生活に全く馴染まないものです。だからどうしても後手に回りやすい。ならばどうしようということも含めて、【防災の心理】シリーズで考えて行こうと思っています。

管理人宅はマンションということもあり、前に歩道もありませんので、本格的な除雪道具は今まで用意したことはありません。プラスチック製の除雪器具は、重い雪だと折れますし、ベランダなどにおいておくと紫外線で劣化して、どんどん強度が落ちてしまいますから、選択肢に入れていません。

でも、今回の雪を見て、アルミ製の除雪用角スコップを用意することを決意しました。この先、こういう事態は普通になって行くでしょうから。車の中には軍用折り畳みスコップが入っていますが、降雪地へ車で出る時は、当然載せて行くことになります。除雪以前に、スタック脱出用として重宝しますから。

どんなことでも、何か「ヤバいな」と感じた時に、自分の周りの対策を見なおして見る事は大切かと思います。何かあった時に、「あー備えてて良かった!」という一言を言いたい。究極はそこですね。

>whokiさん

リスクマネジメントなど、仕事で請け負うとかでなければ一銭のカネにもなりませんしw、「もしかしたら」という発想で、何かと行動に制限や負荷が加わることになりますから、まあ、だれも考えたくないでしょうね。それでも考える源は、自分や大切な人が傷ついたり、財産が失われることをどれだけ真剣に考えられるか、ということに尽きます。

管理者は、皆が画一的に動いてくれれば一番楽ですから、規則重視になるでしょう。でもそれを盲信してリスクに晒されるのは個人個人です。何か起きても、管理者が助けてくれるわけではありませんし。

地震はもとより、この先気象災害もどんどん増えるでしょう。今までの尺度でははかれない、「シャレになっていない」時代が来るというか、もう来ているのです。

今週半ばに再び予報されている雪も、今回より降る時間が今回より短かそうだというだけで、なんとなく「大したことはない」と思われているような気もします。そこには「さすがにもうあんなのは来ないだろう」とか、「災害はすぐに繰り返されないだろう」とかいう、根拠の無い楽観が含まれているはずです。

そんなのも、災害対策の障害となる人間心理のひとつでもありますから、それを乗り越えて行かなればなりません。簡単なことではありませんが。

>三番目のコメント主様

私立なんですけどね、コートは指定のもののみ。まあ、男子はほとんど着ている子はいません。その他も下着以外は指定です。でも、ちょっとの違いをいちいち細かくチェックされる程厳しくもありません。

通学は基本的に電車とバスですが、自転車もいます。雨の日は、もちろん「指定の」カッパ着用です。まあ、ありがちな学校かと思いますけどね。なにしろ、あの雪の中を平然と平底靴で送り出す親ばかりというのが一番信じられんですよ。

おっしゃる通り、組織のリスクマネジメントはトップの考え方が大きいというか、ほぼそこに集約されますね。そして、多くの場合そんな意識は低い。お上が言うから、無いとカッコつかないからやっとけという程度も多いですね。

だからこそ、個人個人が考えないといけない。本文中で、敢えて帰宅困難に話を絞ったのも、そういうことです。業務中の独断はペナルティ受けたりしますからね。実は私、以前イベント業界にいましたので、いつも業務命令と現実的なリスク管理の板挟みでしたよw

商売考えたら、リスク管理は実に邪魔なことが多いのです。

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