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2014年3月26日 (水)

超満員のスタジアムでハンディキャップを考える

なんとなくシリーズ化している『超満員のスタジアムで○○を考える』、今回は超満員の国立競技場で考えました。

先日、東京の国立競技場で行われたライブコンサートに行って来ました。実は管理人、大抵のライブ参加時には、車椅子の友人の介助者として入場しています。もちろん観覧席は身障者専用スペースであり、それ自体には問題は感じていません。

ただ、数万人のファンが集まる会場周辺や入場時、そして多くの人が一斉に動く退場時は特に、車椅子の方など身障者にとって非常にシビアな状況になるわけです。介助者がいればまだしも、一人で来場されている車椅子の方も結構多くいらっしゃいます。

そんな方々が、例えば駅から混雑する街を抜けて会場へ行き、さらにそこから階段などを避けて一般とは違うルートで入場するまでの間には、実は非常に多くのバリアが存在するのです。例えば歩道の切り下げにしても、車椅子単独では登れないくらいの急な坂になっている事も少なくありませんし、結構な段差もあります。それ以前に人が密集した歩道などでは、車椅子からの目線では先を見通すこともできません。都市部の狭い歩道で、さらに放置自転車や街路樹などがあったりすれば、人とすれ違うのも難しい場面も多々あります。

また、坂を上らなければならないこともありますが、そこを車椅子が密集した歩行者のゆっくりとしたペースに合わせて進むのは、かなりハードな作業となります。そんな場所ではこまめに発進・停止を繰り返すことになり、介助者が押していても、普通に進むよりもはるかに体力を使うのです。腕力だけで進む車椅子の方の苦労を想像してみてください。

今回の会場だった国立競技場周辺の歩道はかなり狭い場所が多いのに加えて、緩やかながら長いアップダウンもかなりあり、そこで密集した人の流れの中で車椅子を押して進むのは、かなり骨の折れる仕事であることを実感しました。これがもし歩道も無いような狭い繁華街などだったらと思うと、身障者にとっていかにバリアが多いかということも考えさせられます。


それが楽しいライブ会場への道中ならばまだしも、人の密集度で言えば大都市災害における帰宅困難時と何ら変わりはありません。一方向に流れる群集の中では健常者でも逆行することは困難ですが、車椅子の場合は事実上不可能です。しかも低い視線で周囲から得られる情報は極限され、群集の列から抜け出すのも困難です。

もしそこで、何らかの理由で群集が走り出したらどうなるでしょうか。地震の帰宅困難時ならば、強い余震の発生などでそれが起こることも考えられます。語弊を承知で言えば、そうなったら素早く動けない車椅子の方は路上の障害物となってしまい、衝突、転倒に巻き込まれてしまうでしょう。本人にも周囲にも、非常に危険な状態です。

しかもライブ終了後の退場時にはさらに密集度が増し、周囲はまさに人の壁です。それでも秩序を保って移動していれば良いのですが、そこでパニック状態になったらと考えると、車椅子を押す健常者である管理人でさえ、強い恐怖を感じざるを得ませんでした。これが車椅子単独や松葉杖などの使用者、視覚障害者だったらどうなるでしょうか。

そこで現実的な対処法を考えても、身障者単独はもちろん介助者一人という場合でも、十分な安全を確保する方法が思いつかないのです。それでも考えた結果は、やはり周囲の援助しかないかなと。

密集した人の中に身障者がいて、そこでパニック状態が発生したら、周囲の人が身障者を取り囲むように人のバリアを作り、スクラムを組むように移動するのが一番安全な方法ではないかという結論に達しました。ただ、果たして、パニック状態の中でどれだけの人が自主的に身障者の援助に加わってくれるかは未知数ではありますが、必ずそういう人がいるはずだと思いたいものです。

そこで誰かがリーダー的な立場で周囲の人に援助を求めれば、それが実現する可能性はより高くなるでしょう。介助者は、そんな場合には躊躇せずに周囲の援助を求めて良いと思います。

理想的には、そのような危機的状況でも周囲の人が自然に身障者を援助するような社会的コンセンサスができていたらいいなと思いますが、他人に言う前にまず、管理人自身がそういう行動をしたいと思います。皆様も、もし災害の混乱下で身障者を見かけたら、まず一声かけてできるだけの援助をお願いしたいと、帰宅困難時並みの人混みの中で、車椅子を押しながら考えたのでした。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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