2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

2014年5月

2014年5月29日 (木)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル03】続・家をひっくり返せ!

■当記事は過去記事の再掲載です。なお、内容は加筆修正しています。


今回は家の中の「小さな危険」について、具体的に考えます。但し、ここでは大型の家具や戸棚、窓ガラスなどの地震対策は、既に終えているとします。

さて、前回「家をひっくり返す」という荒技(もちろん想像の世界ですが)をやってみて、いかがだったでしょうか。モデルルームのような生活感の無い部屋でもなければ、いろいろなものがなだれ落ちて来るでしょうが、もちろんそれを全部防ぐわけには行きません。

対策を考える前に、典型的な部屋ごとの危険を、個別に考えてみます。以下はあくまで一例ですが、家の中の危険を探す際の参考にしてください。いわゆる「家具の固定」が済んでいても、身体に危害を及ぼす危険は、ざっと考えてもこれだけあるのです。

■ダイニングキッチン
(冷蔵庫は移動・転倒対策済み、戸棚は転倒防止、開放防止ロック済みという前提です)
□食器洗い機と、その中の食器類
□洗った後の、収納前の食器類
□カウンター上などに置いた瓶詰め類
□電子レンジ
□炊飯器
□作り付けではないガスコンロ、鋳鉄製の五徳
□加熱中の鍋、フライパン類
□床置きの機械式米びつ
□使用中の包丁、ナイフ類
キッチンは危険物が山ほどあります。

□ダイニングテーブル・椅子
□ワゴン
□食器棚上の上の収納物
テーブル類やワゴンは、移動防止器具をつけていないと激しく動き回ります。収納物が多いキッチンは、食器棚の上にもいろいろ乗っていませんか?ホットプレートとか。

■リビング
(大型家具、ピアノ等は移動・転倒対策済みの前提です)
□テレビ、テレビ台
□ソファ、テーブル
□サイドボード・カップボード等のガラス扉
□ガラスのディスプレイケース
□壁掛け時計
□額縁、フォトフレーム
□鉢植えの植物
□床置きの空気清浄機、ストーブ・ファンヒーター
薄型テレビは、ブラウン管タイプに比べて比較的地震には強いのですが、テレビ台ごと動きます。専用の固定器具が欲しいところ。サイドボート等のガラスは、美観を考えると飛散対策しずらいもの。中のものが暴れて、内側から割れることがあります。

■和室
(和タンス等は転倒対策済みの前提です)
□押し入れの中の衣装ケース等
□柱時計
□ちゃぶ台
□和タンスのひきだし
重量のある衣装ケースは、特に上段の場合は押し入れの扉ごと飛び出してくることもあります。タンスは固定しても、引き出しまではなかなか難しいものです。

■寝室
(洋服タンス類は対策済みの前提です)
□ベッド
□ドレッサー、三面鏡等
□姿見(大型の鏡)
ベッドが床の上を滑ると、壁との間に挟まれたりすることもあります。あと、やはりガラス類が危険です。ドレッサーなどは、一般に移動、転倒防止が難しいものです。

■書斎
(デスクと本棚本体は転倒対策済みの前提です)
□本棚の本類
□パソコン、ディスプレイ
□ステレオなどオーディオ機器類
一般にあまり広く無いスペースに多くのものがあることが多い部屋ですから、これ以外にも部屋によって崩落物の危険はいろいろ考えられます。

■子供部屋
(本棚本体は移動・転倒対策済みの前提です)
□ベビーベッド、二段ベッド等
□勉強机
□おもちゃ類
□本棚の中の本
寝ている子供を守ってくれる可能性が高いベッドも、移動対策をしていないと、周りにいる人を傷つけることもあります。ベビーベッドはあまり対策していないのでは?床に落ちたおもちゃ類は、素足で踏むと危険なものも。金属製のミニカー・飛行機や、硬質プラスチック製のおもちゃが割れた破片などが最たるものです。レゴブロックのようなものでも、素足で強く踏むとかなりダメージを受けます。

■浴室・洗面所
□洗濯機・乾燥機
□洗面台周辺の備品類
□鏡
洗濯機の上の乾燥機は、重心が高くて特に転倒しやすいもの。固定式の鏡も、落下したり、他のものが衝突して割れることもあります。

■トイレ
□水タンクのふた
□棚の上の収納物
水タンクのふたは一般に固定されおらず、重量もありますので、激しい揺れで飛ばされる可能性があります。棚の上には普通は重量物は無いでしょうが、一気に頭上からばら撒かれます。

このように一体どうしろというくらい、たくさんの危険がありますね。前述の通り、これらを全部防ぐことなど不可能です。ここで言わんとしていることは、まず「我が家はもう対策済みだから大丈夫」という考えを、一切捨てていただきたいということなのです。危険とは何も致命的なものばかりでなく、身体を傷つけて行動を遅らせる可能性のあるものは、すべて危険と考えなければなりません。未対策のお宅の方は、ここで思い切り戦々恐々としてください。

でも、本当に一体どうしたら良いのでしょうか。それは次回に続きます。


■このシリーズは、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

2014年5月24日 (土)

所十三先生オリジナルデザインをご覧ください

前記事で告知した、福島県の被災動物救援ボランティア団体SORA支援チャリティー関連です。

漫画家の所十三先生オリジナル画Tシャツのデザイン元データをご覧ください。細かい部分まで確認していただけると思います。

まずは『疾風伝説 特攻の拓』の世界観を生かした「爆音小猫」。背景や文字は管理人による追加デザインです。
Photo
下部に、Illustrated by Juzo Tokoro & TEAM SMC の表記入りです。

次に「爆音仔猫」ちゃん。こちらも『疾風伝説 特攻の拓』の世界観が生きています。こちらもロゴや文字等は管理人による追加です。
Photo_2

続いて、恐竜マニアとしても著名な所先生の世界から「恐竜戦士」
Dino_girl

最後は、時空を超えた「恐竜と猫」
Photo_3

ご購入はこちらから
http://clubt.jp/shop/S0000046142.html

福島の被災動物を支援し続ける、SORAについてはこちらから(公式HP)
http://sora.ne.jp/

震災から3年以上が経ちましたが、福島では未だ多くの動物たちが飼い主の元に戻れず、原発事故警戒区域内では多くの動物が過酷な状況を生きています。

福島の動物たちへのご支援を、よろしくお願いいたします。チャリティー販売の詳細については、ひとつ前の記事をご覧ください。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2014年5月22日 (木)

福島動物支援チャリティー第二弾始まりました!

管理人は、震災直後から自分なりの被災地支援の方法として、福島県の被災動物救援ボランティア団体SORA(そら)のお手伝いをさせていただいています。現地へも何度も足を運んでいろいろ見聞してきましたが、その話は別稿に譲るとして、今回はSORA支援チャリティー第二弾のお知らせです。

福島の原発事故被災地支援活動にご賛同いただいた漫画家、所十三(ところ じゅうぞう)先生が無償でオリジナルの画を描き下ろしてくだいました。それを管理人主宰のSMC防災研究所がTシャツなどにプリントして、チャリティー販売させていただきます。超ヒット漫画『疾風伝説 特攻の拓』や『名門!多古西応援団』などでお馴染みの、あの所十三先生の完全限定アイテムですよ!

まずは今回販売する4種類の商品をご覧ください。なお、全アイテムともTシャツの色は多くの中から選んでいただけますが、とりあえず似合っているものをサンプルとしてご覧ください。なお、画像は合成です。
Photo_2
『特攻の拓』の世界と、猫を愛する所先生の世界が融合したデザインに、先生のご承認の下に管理人がSORAロゴやバイクのシルエットを追加させていただき、背面にプリントしました。

Photo_3
所先生の描く女の子はむちゃくちゃかわいいと定評がありますが、今回は「特攻の拓」の世界観で、オリジナルキャラ「爆音仔猫」ちゃんを描いてくださいました。文字やSORAロゴは管理人による追加です。カチューシャの6色の意味、わかる方にはわかりますよねw背面プリントです。

上記2アイテムの前面は共通で、下画像のデザインになります。SORAで保護されている犬たちを図案化したSORAオリジナルのマークが、左胸にグレーでプリントされます
Photo_4

次はこちら。以下は前面プリントで、背面は無地です。
Photo_5
所先生は、実は恐竜マニアとしても著名なのです。そんな先生の世界観を表現した、オリジナルキャラクターを描いてくださいました。これを管理人は「DINO WARRIOR GIRL」と名付けさせていただき、ロゴをつけたものです。下部には先生のサインと、今回の販売趣旨に基づき、「Illustrated by Juzo Tokoro, Spechial thanks for supporting SORA & suffering animal in Fukushima」(SORAと福島で苦しんでいる動物支援に感謝)の表記が入っています。

最後はこちら。所先生が愛する猫と恐竜の世界が、時空を超えて融合しました。
Photo_6
精緻に描かれたトリケラトプスの頭の上に、黒猫がちょこんと。文字は、猫とトリケラトプスの学名をラテン語で表記したもので、アカデミックなムードです。こちらの下部には「Illustrated by Juzo Tokoro for supporting animals in Fukushima」の表記が入っています。

まず、以上4アイテムを販売しています。どれもここでしか手に入らない完全限定デザインです。価格は白無地Tシャツが3600円+消費税、それ以外のカラーが4350円+消費税で、1アイテムご購入につき1500円がSORAに寄附されます

最後にご購入方法です。今回はドロップシッピングサイトClubT(クラブT)で販売します。このシステムは、デザインをアップしたサイトにアクセスしていただき、皆様がご希望のデザインとボディのタイプ、色、サイズを組み合わせて直接ご注文いただく形となります。商品はご指定の先に送付されますが、その際に送料のご負担をいただきます。アイテムによっては長袖Tシャツやトレーナーなどにプリントできるものもありますので、詳細は下記サイトをご覧ください。

Tシャツ等の作成と代金の決済はすべてClubTが行い、管理人側には製作実費を除いたチャリティー分の金額が渡されますので、責任を持ってSORAへ寄附いたします。

各デザインは、管理人が主宰するSMC防災研究所の専用ページ「TEAM SMC」にアップしてあります。(文末にURLを貼ります)上記デザイン以外にも、TEAM SMC(SMC防災研究所オリジナルアイテム)やSORAオリジナルTシャツのデザインもアップしてあり、すべてチャリティーの対象となっておりますので、よろしければご購入ください。

ご購入いただけるサイトへはこちらから
http://clubt.jp/shop/S0000046142.html
トップページのイメージは下画像のようになっています。上記リンクからアクセスしていただき、各デザインをクリックしていただくと、ボディ選択から注文画面へ移行します。
Toppage

今回は2アイテムをSORAロゴ入りとしましたが、ロゴなしの別デザインも近日アップの予定ですので、お楽しみに。ご質問などありましたら、コメントか管理人宛メールにて承ります。今も福島で苦しむ動物たちのために、是非ともご支援をよろしくお願いいたします。

SORAについては、公式HPをご覧ください。
http://sora.ne.jp/

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2014年5月21日 (水)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル02】家をひっくり返せ!

■当記事は過去記事の再掲載です。なお、内容は加筆修正しています。


あなたの周りの危険を、具体的に知る方法に入りましょう。何もよりもまず最初は、「自宅の危険」からです。

1995年の阪神・淡路大震災では6434人が犠牲になりましたが、その約86%もが、自宅内で死亡しています。これほどの高い比率は、早朝の発災だったため在宅率が高かったこと、現在より建物の耐震化率が低かったことなどが大きく影響しています。

しかし仮に昼間に発災したしても、その時自宅にいるのは乳幼児と一緒の女性、お年寄り、病人、身体障がい者など、災害対応能力が高くない層が中心です。それは他を救助する余裕が小さいということでもあり、より高い安全性が確保されている必要があります。

しかも、もし自宅に重大な危険が存在するなら、特に就寝中や入浴中という一番無防備な時間を、危険な場所で過ごさなければならないですから、とにかく地震・津波対策は、まず自宅の安全確保から始めなければなりません。

では、大地震における自宅内の危険とは何か。既に教訓から得られた多くの情報があります。建物の倒壊を別にすれば、タンスが一瞬で倒れた、テレビが飛んだ、ピアノがひっくり返った、窓ガラスが吹っ飛んだ、食器がぶちまけられた等々。すでにそれらの対策をされている方も多いでしょう。

でも、本当にそれで大丈夫ですか?このような話になると、つい「死者」のことばかり取り沙汰されますが、「負傷者」はその数十倍、数百倍というオーダーで存在します。身体がどんな状態になっても、生きてさえいれば「負傷者」です。たとえ意識が無くても、自力で動けなくても。

大地震の第一撃を乗り切っても、震源が海底の場合、海岸近くでは津波が、それ以外の場所でも火災の危険が襲って来ます。山間部では余震による土砂崩れや、土砂ダムの形成による土石流の危険が迫ります。一刻も早く安全圏に脱出しなければなりません。その時、あなたは素早い行動ができる状態でいなければならないのです。

例えばテーブルが足に激突しただけで、その後移動速度は極端に落ちます。足の裏を切ったりしたら、さらに遅くなります。足を骨折でもしようものなら、動けません。自宅の中で、あなたの身体にそのような危害を及ぼす危険まで意識していますか?


そのような「細かい危険」を知るために、管理人はある方法を提案します。それは、「家をひっくり返せ」というもの。もちろん比喩的表現ですが、イメージの中で、あなたの家を横倒しにしてみるのです。その時、何が起きるか。

とりあえず固定済みの家具類は動かず、ロックした戸棚は開かず、飛散対策済みのガラスは割れないとします。その上で、何がどう動くか。部屋ごとに四方に「ひっくり返して」みてください。対策済みの場合でも、危険を及ぼしそうなものは、かなり多いのではないでしょうか。もし無対策なら、無事でいられる可能性は非常に小さくなります。

最大級の地震に襲われた場合、家の中の状態は、家ごと横倒しにされた時の最初の状態、つまりいろいろなものがなだれ落ちて来る状態にかなり近くなります。しかも一方向からではなく、ほぼ全方向から。これは特に阪神・淡路大震災のような、浅い震源の内陸直下型地震の揺れで特に顕著になります。そして、想定される「首都圏直下型地震」は、このタイプとなる可能性がかなり高いのです。

先に国の中央防災会議から発表された、例の「首都圏で震度7の可能性」とは、首都圏直下で想定される最も浅い震源でマグニチュード7以上の地震が発生した場合、地盤の弱い一部地域で最大震度7クラスの揺れとなるという意味です。しかもその場合、揺れ方は震動周期1~2秒程度の中・低層建物に対して最大級の破壊力をもたらす、阪神・淡路大震災と同様のいわゆる「キラーパルス」となる可能性が高いのです。

ですから「震度7」という数字で騒いでいる場合ではありません。それが起きた場合、「キラーパルス」の発生こそが、最大の脅威なのです。そして、想定される最大震度が上がったということは、より広い地域に、大きな被害をもたらすレベルで震度6強~6弱の「キラーパルス」が襲いかかる可能性があるということです。それを知った上で、「防災本」の震度予想図を見直してみてください。

次回は、家の中の具体的な危険について考えます。

※管理人註:文中の「キラーパルス」の定義について補足です。厳密には震動周期だけでなく、断層の破壊が進行する方向に向かって発生する、合成・増幅された地震波のことですが、当ブログでは便宜的に、震動周期のみで考えています。地下で起きることなど、私たちには関係ありませんから。


■このシリーズは、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

2014年5月20日 (火)

【防災の心理17】あなたの道を見つけよう

巷に溢れる防災情報の中から、「本当に役に立つ」情報を選択するための方法として、人間の生存本能と種族保存本能が叫ぶ「怖れ」に従えということを、前回述べました。
今回は、もうひとつの条件について考えます。

それは「知る」ということ。当テーマでは、「生き残る」確率を下げてしまうような場合、人間の本能でもある群衆心理に打ち勝つ方法として、正しい情報を「知る」ことが必須であると述べました。二度目の登場です。

でも「本当に役に立つ」情報を選択する、つまり正しい情報を「知る」ために「知る」ことが必要だとは、卵が先か鶏が先かというような話で、またもやメビウスの輪状態、などと考えるのは言葉遊びの世界で、基本的には単純なことなのです。この場合の「知る」とは、「道を知る」と言うことです。

あなたが知らない場所に行こうとしたら、まずそこまでの道路や交通機関を調べるのは当然ですね。数学の成績を上げようと思ったら、良い参考書や塾を探したり、勉強の時間を増やすでしょう。それは、我々が目的を達成するための「道を知っている」からに他なりません。

しかし災害対策の場合、多くの人にとって、絶対に達成しなければならないという最優先課題ではありませんし、体系的な教育を受けたことも無い。交通や勉強などとは違い、確立された方法論も無いし、そもそも「これで絶対大丈夫」という到達点も見えない。

しかし何も知らず、何も備えていなければ死ぬかもしれないという、本能的な「怖れ」がつきまといます。目的地に着けなかったり、成績が悪くても対処の方法はありますが、「死」とは対処しようのない究極の「怖れ」であり、そのあまりに大きなギャップが問題なのです。そこで目に入って来やすいのは、「生き残ってから」の情報、災害トリビア、エセ科学、オカルトのようなものばかり。そんな情報と「怖れ」は、とても親和性が高いのです。

「生き残ってから」の情報も大切なことには変わりありませんが、その前に生き残らなければならないのです。それは心の奥底では誰もが判っているものの、そこで前出の「正常化バイアス」や「楽観バイアス」が頭をもたげ、具体的に考えることを邪魔します。

自分が被災して、備えた防災グッズを駆使して被災生活を切り抜けていたり、または何も備えておらず、被災後に大変な思いをしている自分の姿はまだ想像しやすいのですが、自分や家族が死んでしまう姿はなかなか想像できません。それは、生きているから。人間は、本能的に「死」のイメージを拒絶するのです。

余談ながら、ラテン語の「メメント・モリ」という言葉をご存じでしょうか。これは「死を想え」ということで、生命の対極としての「死」の姿を受け入れないと、生命の意味や尊厳を本当に知ることはできない、というような意味合いです。

まあそこまで哲学的でなくても、社会的な意味で考えれば良いのです。自分がいなくなったら、家族はどうなるか。家族がいなくなったら、その先の人生はどうなるか。「死」そのものを考えず、「死=存在の消滅」と考えれば、少しは楽に想像できるでしょう。

まずはそれを受け入れる、つまり「知る」ことが大前提であり、そこから、そうならないためにはどうするかという「道」が始まります。その段階で、初めて「死ぬのが怖い」という漠然とした「怖れ」から、一歩を踏み出せるのです。その軸がブレていると、「本当は役に立たない」情報の海に呑み込まれてしまいます。

基本的な軸が定まったら、次に「知る」べきは具体的な方法論であり、交通や勉強の方法を考えることと同じです。その方法は、また次回に。


■当記事は、カテゴリ【防災の心理】です。

2014年5月15日 (木)

【防災の心理16】本能を解き放て!

私たちは、死にたくない。私たちは、家族の命を守りたい。特に、子供の命は。誰もが持っているはずのそんな気持ちは、どこから来るのでしょうか。それは、人間の「本能」です。生物としてDNAに組み込まれた能力の発露なのです。

太古の昔から、弱い生物は群れを成すことで外敵に対抗して来ましたから、仲間と一緒にいること、そして仲間を減らさないことが、すなわち生存の確率を高めたのです。ですから、危機になるほど生存本能が集団への帰属を求め、それが「群集心理」に繋がっています。そしてその最小単位が、家族です。

幼い子供や小さなものをかわいいと感じ、守りたくなるのは、種族保存本能です。まだひとりでは生きられない、庇護が必要な幼子を自然に守り育てられるように、そのように感じる感覚が備わっているわけです。それを「母性」と言っても良いでしょう。子供がかわいいから守りたくなるのではなく、弱い存在を守って命を繋ぐため、ひいては種を保存するために、子供をかわいいと感じているということです。もしこの本能が無く、代わりとなる感覚や機能が無かったら、弱い幼子は放置されて、あっと言う間に種が絶滅してしまいます。

簡単に生命が失われる状況が恒常的であれば、人間は誰に教えられなくとも、常に本能を発露させ、五感を研ぎ澄ませて安全な場所を探し、逃げ、隠れ、時には戦って、自分や仲間の生命を守ろうとします。しかし、生命の危険に滅多に晒されることの無い現代社会では、そんな本能の「上澄み」だけが、強く現れていると言うことができるでしょう。

「生き残る」ための本能の「上澄み」だけで暮らせるのは、平和の証です。平和のおかげで「生き残る」ためのスキルが必要無いに越したことはないものの、しかし我々には、そのための能力が実は備わっているのです。それは、自らの本能で生命に関わる危険を見つけ出し、基本的にはそこから逃げる能力です。さらに、高度な知性を身につけた人間は、情報の蓄積から危険を予測し、事前に回避することもできるのです。

では、私たちが本来持ち合わせている、本能による危険回避能力を最大限に発揮するためには、何を拠り所にしたら良いのでしょうか。

それは、「怖い」という感覚です。

生命に危険を及ぼすかもしれない存在に対しては、私たちの生存本能や種族保存本能が「怖い」と感じさせます。これは特に説明の必要は無いでしょう。しかし「怖い」と感じるものでも、それが実際に生命を奪うことが滅多に無い現代社会では、大抵は「怖い」だけで終わりであり、具体的な対処をする必要があまりありません。ですから、それを考え、学ぶことを忘れかけています。

多くの生命を奪う大災害は誰でも怖いのですが、一体何が怖いのでしょうか。例えば巨大地震に遭っても、広い野原の真ん中にいたら安全です。では、何があったら怖いか。落ちて来るもの倒れて来るもの燃えるもの爆発するもの毒があるもの襲って来るもの。そして、危険の接近を気付かせない暗闇など、あなたや家族を「殺す」、怖いものは何でしょうか。

まず、あなたの本能が叫ぶ「怖さ」を、ひとつひとつ感じ、向き合うのです。死ぬのが怖い、ではだめです。何故死ぬのかを考えるのです。でもその作業は、具体的な死のイメージをしなければなりませんから、大抵は大きな苦痛を伴います。「そうあって欲しくない」という、これも本能の叫びが理性的な考えを妨害し、それが心理的な苦痛となって現れます。そして前記事で述べた「自分は大丈夫」、「そんなことあるわけない」、「なんとかなる」というような「確証バイアス」や「楽観バイアス」が頭をもたげます。場合によっては、肉体的にも影響が出てしまうかもしれません。

そこで考えを止めるか、それを乗り越えるのかは、それぞれの考えや状況によるでしょう。しかし「怖い」ことが絵空事ではなく、現実に起きていることである以上、それがあなたや家族の身に起きないとは、誰にも言えません。そこに、向き合えるかどうかです。

「臆病」になってください。それは恥ずかしいことではありませんし、いつもびくびくしながら生きることではありません。危険を素早く察知し、そこから「すばしこく」離れる能力のことです。管理人は、自信を持って言えます。「私は臆病だ」と。「臆病」は、弱い生物である人間が本能的に身につけた、「生き残る」ための感覚です。その感覚を能動的に研ぎ澄ますことができた時、「本当に役に立つ」情報は、自然にあなたの周りに集まって来ます。いや、あなたが引き寄せると言っても良いでしょう。

それが、結果的に情報を「選択する」ということなのです。まず、本能的に怖いことを直視し、具体的な対処を知りたいという「軸」がしっかりしていれば、「本当に役に立つ」情報は、自然に目に入って来ます。もし入って来なかったら、探さずにはいられないでしょう。そして、気づきます。巷には大した情報が無いじゃないかと。でも、あります。仮に無くても、その時は自分で考えるのです。本能の発露に、他人任せという発想はありません。

自然災害に関しては、いつもどこかで発生していて、余程大規模でもなければ、報道を見てもあまり恐怖を感じないのが現実でしょう。東日本大震災にしても、多くの人はメディアを通じてあくまで断片的な情報を得ただけで、生命に関わる怖さも限定的です。しかし、現実はとてつもなく「怖い」のです。それを「明日は我が身」と、我がこととして感じられなければなりません。

では、情報を「選択する」ためには、「臆病」になれれば良いのでしょうか。実は、外せないもうひとつの条件があります。これがまたメビウスの輪のようなことなのですが、それはまた次回に。


■当記事は、カテゴリ【防災の心理】です。

2014年5月12日 (月)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル01】本当に知るべき危険とは?

■当記事は過去記事の再掲載です。なお、内容は加筆修正し、記事の付番方法も変更しています。


ちょっと学生時代を思い出してみてください。あなたは、期末試験でどうしてもいい点を取りたいとします。ライバルに勝ちたいとか、進級が危ういとか理由はともかくwあなたはどうするかといえば、試験範囲を一所懸命勉強しますよね。教科書だけではわかりにくければ、参考書とかも買い込んで。

この参考書というのがまた千差万別ですから、良く売れているものを選びたくなります。売れているイコール評判が良い。つまり「よくわかる」と思うのが普通です。そこで、あなたはどこの本屋でも良く見かける参考書を買ったところ、これがまた実に面白い。歴史の参考書ならば裏話のコラムが楽しく、数学ならば頭の体操や裏技のようなコラムが充実していて、ついついそちらばかりに目が行ってしまいます。これは売れるのもむべなるかな。本音を言えば、試験のことなど考えたくないものですから、余計にのめりこんでしまいます。

おかげで歴史の裏話や数学の裏技のようなことにはずいぶん詳しくなったけれど、肝心の期末試験は惨憺たる結果に・・・まあ、当然ですよね。「試験に出る」問題の対策をやっていないのですから。勉強のピントが、激しくズレています。

現在の「防災情報」も、実はそんな状態だとお感じにはなりませんか。特に東日本大震災後、本屋やコンビニにはいくつもの「防災本」が並び、テレビやネットにもそんな情報が山ほどあります。でも、そんな情報の大半が、あれが起きるだのこれが起きるだの、なぜ起きるだの、起きたらどうなるだの、そんな話ばかりが目立ちます。

ではそれに対してどうするかという部分は、家を補強せよ、家具を固定せよ、津波からすぐに逃げよ、すぐに帰るな、街中では頭を守れ、水は家族の3日分用意せよとか、通り一遍の情報が少々。でも、例えば家具の固定ひとつにしても、実際にやるとそうは簡単には行きませんが、その具体的な方法や対策などは、ほとんど見かけません。

管理人の考えでは、巷に溢れる「防災情報」の半分以上、場合によっては8割ほどもが、「生き残る」ためには大して必要ない情報です。興味の対象としては結構ですが、例えばプレートがどうこうという地震のメカニズムを知っていても、「生き残る」ためには何の役にも立ちません。

では震度7や、34メートルの津波が来る(かもしれない)とかいう話は?まず、それがあなたの活動範囲のことでなければ、不要な情報です。では、例えば最大震度7が予想される地域の方、あなたが襲われるかもしれないのは、どんな震度7ですか?阪神・淡路大震災と東日本大震災では、同じく最大震度7を記録しています。でも、阪神・淡路大震災では10万棟もの建物が全壊したのに対し、東日本大震災では、建物の倒壊はそれほど多くはありませんでした。あなたを襲うかもしれないのは、どちらの震度7かご存じですか?

揺れ方の違いの理由を知る必要は、特にありません。しかし、違うのです。この場合に必要な情報とは、最大震度よりも揺れ方の違いですが、それはあまり重視されていません。せいぜい「直下型」と「海溝型」という言葉だけで区別されているくらいで。でも、どちらのタイプがどこで起きるかで、対策の優先順位ややり方が変わって来たりもします。また、最大震度が上がるということは、強い揺れの範囲も広がるということでもありますが、両者は強い揺れの範囲にも大きな違いがあります。

「それは防災本に出ている揺れの予想図を見ればかる」と言われそうです。それもいらない情報なのかと。確かに、強い揺れの予想範囲にご自分のいる街が入っているのを見て恐怖を感じ、災害対策を進められた方も多いでしょう。なんだ役に立つ情報じゃないか。もちろんそれは否定しません。でも、大地震の際にあなたの命に危険を及ぼすのは、街全体ですか?敢えて「えげつない」表現をしましょう。あなたの身体を潰し、切り裂き、焼くのは一本の梁、ひとつのタンス、一片のガラス、一枚の瓦、そして最初は小さかった火なのです。それこそが本番で「試験に出る」問題とも言える、本当の危険なのです。

あなたを直接取り巻く身近な危険を知り、危険から遠ざかる方法を考え、危険を摘み取るアクションを実際に起こすこと。そのレベルにまで落とし込んでこそ、すべての情報は「必要な情報」に昇華されるのです。しかし多くの人にとってそれは面倒で、こまごまとしすぎ、余計な負担を強いるものです。どこまでやるかは、それぞれのお考え次第でしょう。

ただひとつ確かなことは、スポーツ選手が良く口にする「練習は裏切らない」という言葉の意味と、なんら違いは無いということです。でもスポーツや試験勉強と違うところは、「本番」の日が決まっていないということですが。ともかくも、災害対策も正しくやったらやっただけの成果が、「生き残る確率が上がる」という形で現れます。そのための第一段階として、「本当の危険を知る」ということが必要なのです。それを最も良く体現したのが、いわゆる「釜石の奇跡」だとも言えます。

こんなことは、既に災害対策を進められてる皆様には、釈迦に説法の類かもしれません。それでも、今一度考え直してみてください。マクロに捉われすぎて、ミクロを見落としていませんか?極論すれば、マクロ情報はこれだけ知っていれば良いのです。「でかい地震が来たら、こんな風に揺れる」

それを、あなたの居場所で何が起きるか、津波、火災、土砂災害などに落とし込み、さらにあなたの周囲3mの危険にまで落とし込んで考えなければなりません。それを実践するために使える情報を、このシリーズでお知らせしたいと思います。

次回から、「危険を知る」具体的な方法に入ります。

■このシリーズは、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

2014年5月11日 (日)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル00】はじめに

■当記事は過去記事の再掲載です。内容は、加筆修正しています。


ある自称“敏腕”編集者と管理人との、実際にあった会話。

編集者「今度、オリンピックの元金メダリスト監修の、泳げない人向けの水泳マニュアル本を出すんだ」
管理人「本読んで泳げるようになるの?」
編集者「いや、泳げるようなるかどうかじゃなくて、『泳げるような気になる』のが重要なんだ。そうじゃなけりゃ売れないし。だから金メダリスト」

この会話は、ある意味でひとつの真実を突いているのではないかと思います。メディアに乗る情報は、大抵の場合「数字」、つまり売り上げや視聴率などに囚われています。ですから、そこに「本当に役に立つ、使える情報」があるかどうかではなく、人の目を惹くキャッチーな情報やブランドを散りばめて、最大公約数的でそこそこの満足感を与えられるものが現実的には「勝ち」であり、そんな、言わば「エンターテインメント性」が不可欠なのです。

どんなに良いものでも、商業ベースならば売れなければ「負け」です。そんなわけで、メディアでは「首都圏震度7」、「津波高34m」や「死者32万人」などという情報を、その内容よりも単なるアイキャッチとして一人歩きさせているわけです。さらに、誰もが言う内容でも、ナントカ「教授」とかが言うと妙に納得させられたりもしますから、変に肩書きを強調したりもします。

一方その対極にあるのが学術書などで、エンターテインメント性はゼロ。内容はとことん深いものの、深すぎて一般生活の場面では応用しずらく、それ以前に専門的すぎて、一般人には理解不能なことも多々あります。何より、興味を持つ人以外には面白くも何ともない。しかもその範囲は細分化されており、広範な情報が必要な一般生活に、あまねく役立つものでもありません。

そこで求められるのが、「本当に必要なことを横断的に、誰にでもわかりやすく」網羅した情報です。例えば災害対策情報ならば、「そこで何が起き、その時どうするか」を解説するためには、ざっと考えても地震学、気象学、地質学、物理学、心理学、生理学、医学、アウトドアサバイバル術などに関連する知識が求められます。しかし、それらを横断した「本当に役に立つ」情報は、滅多にありません。各分野の専門家の意見を断片的に聞いていたのでは、それらを有機的に統合した情報になることも無いでしょう。

しかし、こと人の生命に関わる災害対策情報に関しては、それが必要なのです。「生き残る」ために必要とされる知識を涵養するためには、「防災学」と呼べるような、各分野を横断した情報が不可欠です。本を読んで泳げるようになれなくても、せいぜい本代を損するくらいなものですが、誤っていたり不十分な災害対策で満足していては、生き残れません。

管理人は、中学生の頃から自然災害や自然科学、そしてサバイバルに興味を持ち、長年に渡って様々な情報を見続けて来ました。その結果、時代による変化は多少あるものの、「本当に役に立つ体系的な防災情報」はいつの時代も、そして現在もごく少ないと痛感しています。当ブログは、そんな状況に一矢を報いるつもりで始めた、管理人のチャレンジでもあります。

これから始める「対災害アクションマニュアル」は、管理人が今まで学び、蓄積した情報を横断的にまとめた、「本当に役に立つ」特集としてお送りします。

それでは、次回から始めます。


■当記事は、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

【防災の心理15】続・東大教授とカリスマ店員

本文では「東大教授」を止めておきながら、タイトルにはまだ残すという、このあざとさw

ところで、私たちは何故「肩書き」に依存したくなるのでしょうか。それは前述の通り、その「肩書き」が、引いてはその人の能力が世間に認められているはずで、その裏には自分たちを超える能力と業績が蓄積されているはずだと思うからではないでしょうか。

つまりは「この人の言うことなら間違いない」と思う、そして「思いたい」からでしょう。ここで「思う」のはあなたの理性、「思いたい」のは、あなたの心理の働きです。

似たようなことに、我が国では最近あまり見なくなりましたが、「テレビでお馴染みの」という宣伝文句があります。英語圏だと「as seen on TV」という奴で、あちらではまだ結構現役ですね。これはテレビというメジャーなメディアで堂々と宣伝しているのだから、そこにウソは無いだろう、品質も確かだろう、そして高額のテレビCM料金払って宣伝できるのだから、販売元もしっかりしたところなのだろうというイメージを強調しているわけです。

それがすべてイメージ通りかというとそうでもない事が少なく無いから、そんな宣伝は淘汰されて来たのでしょうし、そもそもテレビ自体が良くウソをつくということを、最近は皆が知ってしまったwテレビに限ったことではないですが。

ともかくも、立派な「肩書き」やメジャーなメディアに登場するという事実は、衆目に晒されることに耐える内容であり、さらにそこに至るまでに多くの人の目や手を経ることで、間違いやウソや不正はスクリーニングされているはず、だから信用しても大丈夫と思いやすいわけです。もしウソでもあれば世間から大バッシングを受けるはずだから、そんなことは無いだろうと。

簡単に言えば「多くの人が認めたはずだから」、信用してもいいだろうと思うわけです。あれ、これは何かと似ていませんか?みんなが行くから、みんなが言うから、みんながやるから・・・赤信号、みんなで渡れば怖くない。

実は「肩書き」やメディア情報への依存は、「群集心理」とほとんど同じことです。我々は「肩書き」やメディアの向こう側に、同じ方向に走る、同じ場所に留まる群集の存在を感じているだけなのです。そこに参加することで、無意識のうちに安心感を得ているわけです。

さて、そうなると困ったことになります。「群集心理」を抜け出すためには「正しいことを知る」ことが必須だというのに、その「知る」ための行動が、実は「群集心理」の影響下にあるという、なんだかメビウスの輪状態です。

そこで必要になって来るのが、「疑う」ということ。肩書きが立派だから、本を出しているから、メディアに良く登場するから信用できるというような発想を捨てることです。ついでに、人気ブログに書いてあったからとかもw

でも実際は、それなりの「肩書き」の方が出す情報には、それほど間違いはありません(中にはとんでもない大ウソもありますが)。頭から否定する必要はそれほど無いのです。しかし、生き残るために「本当に役に立つか」という視点に立つと、巷の防災情報のあまりに多くがピントがずれていたり、単なるトリビアの類だったりします。また、理論的には正しいことでも、実際に使えない情報も多いのです。

例えば、地震が来たら落下物に「気をつけろ」とは誰もが言いますが、気をつけるってなんですか?どういう場所でどんな落下物があり、それがどんなダメージに繋がるので、どのような方法で避けるという部分まで落とし込んでいなければ、「その時」には何の役にも立ちません。当ブログでは、それをやっています。

現実にはそんなレベルの事を言うだけの「専門家」も多いのですが、まず批判はされません。それが「肩書き」の効果なんですね。なにせ本当は役に立たなくても、根本的に間違いで無ければ否定はできませんし。(繰り返しますが、大ウソも少なく無いですよ!)だから、「本当に役に立つ」情報を欲する我々は、疑わなければならないのです。

ちなみに当ブログの内容、良く言われますが、とても細かくなっています。でも管理人は、それが必要だと信じるから、こういうスタイルでやっていますし、おかげ様でそれなりの人気を頂戴しています。これでもし管理人がそれなりの肩書きを持っていたら、メディアからお声がかかるかもしれませんが、防災に関しては何の肩書きも無い(防災士と防火管理者だけじゃあしょうがない)ので、内容がどうであろうと、メディアに登場することは無いでしょう。

何故なら、こんな「素人」をピックアップして、もし何か問題が起きたら、メディア側の責任になりますから。「専門家」ならば、問題があっても主にそちらの責任です。その場合、メディアは「善意の第三者」ですし。もし登場するならば、その時は「文化人枠」ではなく、おもろい素人としてトピック扱いでしょうね。良く、おもろい動画の投稿者がインタビュー受けるような、あのレベル。もちろん、そんな露出をする気は全く無いですけど。それはやっかみではなく、一般的な映像や記事の尺では、管理人が伝えたいことを表現するのは無理だからです。

おっと話が逸れました。ともかくも、巷の防災情報は、まず疑ってください。そして、その中から「本当に役に立つ」情報を選択するのです。では、どうやって選択したら良いのでしょうか。これがまたいろいろな心理が邪魔をする難儀な話なのですが、当ブログの基本的スタンスとして、誰もができる方法は提示しません。元来、そんな方法はありませんし。

そうではなく、本気で「本当に役に立つ」情報を欲されて、あくまで能動的に探されている方へのアドバイスとさせていただきます。詳しくはまた次回に。


■当記事は、カテゴリ【防災の心理】です。


2014年5月 7日 (水)

【防災の心理14】東大教授とカリスマ店員

今回のタイトルは、一見何の関連も無いふたつの「肩書き」を並べてみました。カリスマ店員が「肩書き」なのかはさておきw、両者は見方によっては良く似ているのです。鋭い方は、管理人が何を言いたいのか、もうおわかりかもしれませんね。

前のテーマでは、「集団心理」について考えました。特に非常時には、人は本能的に集団に依存したくなりますが、状況がある「しきい値」を超えると、集団の中にいることが危険を増幅することになります。ですから、状況によっては「生き残る」ために集団を抜け出さなければなりません。そのために必要なことは、「正しいことを知る」という一点に集約されるということです。

では、その他に依存したくなるものはあるでしょうか。と来れば、もうおわかりですね。それが「肩書き」なのです。「集団心理」依存は主に非常時の危険を招きますが、「肩書き」依存は、主に平常時における危険です。その危険とは、生き残るために「正しいことを知る」のを邪魔するということです。もっとも教授や店員が悪いのではなく、「肩書き」のイメージをことさら煽るメディアなどの問題なのですが。

ここで何故、敢えて「東大」という固有名詞を出したかと言うと、それが最大最強のブランドとして確立「させられている」からです。カリスマ店員ならば、イメージ的には渋谷のセシルナントカの誰々という感じでしょうか。もちろん管理人は、ガールズファッションについてなど何も知りはしません。それでも、そういうイメージを「持たされている」ということが重要なのです。

あるテーマにおいて、東大教授と管理人が違うことを言ったら、皆様はどちらを信用されるでしょうか。答えを待つまでもありません。管理人の完敗です。しかも東大教授は、「間違ったこと」は言わないはずです。であれば、相対的に管理人が間違っていることになる。しかし東大教授とて、すべてにおいて「本当に必要なこと」を言うとは断言できません。

研究の成果ならば、概ね正しいでしょう。管理人も、それを利用させていただいています。しかし何を強調し、指導するかは、それぞれの考えやパーソナリティにもよります。でもメディアにおいては、「東大教授のコメント」というだけで、無条件無検証で金科玉条のごとく流されるわけです。

なんだか東大を目の敵にしているように見えますが、そんなことはありません。ただ、「肩書き」の最も象徴的な存在として、東大を引き合いに出させていただいているだけです。実は東大の方々が、そんなイメージを苦々しく思われていることも多いということも知っていますから、以後はただ「教授」ということにしましょう。まあ実際いろんな「教授」がいますが、それでも「教授」は強力なブランドではあります。

先回りして言わせていただければ、記事タイトルが「教授」よりも「東大教授」の方がより注目を集めるはずという、イメージを利用した打算もあるわけです。イヤですね大人はw


一方、カリスマ店員が「お似合いですよぉ」と勧めてくれれるものならば、大抵の方は気持ちよく買えますよね。センスが良くて、それが世間に認められている人だし、何より「有名人」から直接勧められるという快感があります。世間に認められている人の勧めを受ければ、あなたも世間に認められるスタイルができるのです。それがブランドであり、「肩書き」の効果ということですね。

でもその服、あなたに本当に似合っていますか?いえ、きっと似合っているのでしょう。でもそれは、大抵「最大公約数」的な似合い方ではないでしょうか。もちろんそれで良いのです。ファッションならば。でも、例えばあなたが俳優のオーディションを受けるための服だとしたら、より「個」を際立たせなければなりません。流行りのファッション「だけ」でバリバリに固めただけでは、没個性と見なされて、第一印象は減点かもしれません。もちろん、それを吹っ飛ばす実力があれば良いのですが。

「個」を演出するということは、ちょっと強引にこじつければ、「あなたが生き残る」可能性を高めるということです。あなたが「生き残る」ためには、最大公約数的な情報を纏っているだけでは不十分なことも多いのです。必要なのは、「あなたに最も似合った」スタイルであり、それをもたらす情報です。そして、本当にあなたに似合ったスタイルは、自分の頭で考え、自分の足で探さなければ、なかなか手に入らないのです。

あなたが今何も知らなければ、入り口としては、メディア上で「教授」が出す情報や、カリスマ店員が勧めるような「最大公約数」の情報でも良いでしょう。「教授」を出せば(特に東大!)数字が取れる、カリスマ店員が一番多く売り上げるというのは、つまりはそれらが世間の「最大公約数」にマッチしているからということに他なりませんし、それがメディアやショップの目的でもあります。しかし、それだけでは不十分であると気付かなければなりません。「最大公約数」のまま止まっていたら、それはメディアやショップの「顧客満足度」を上げているだけです。

「教授」は学究の徒(のはず)ですから、科学的、理論的に整合性のあること以外は言いません(と、思いたいw)し、カリスマ店員は「あなたにウチの服は似合わない」とは絶対に言いません。あくまで「最大公約数」で終わりなのですが、災害でもオーディションでも、あなたが「生き残る」ためには、それなりの知識も技術も必要ということです。

次回に続きます。


■当記事は、カテゴリ【防災の心理】です。


2014年5月 5日 (月)

岐阜・長野群発地震は収束方向へ

5月3日から続いている、岐阜県飛騨地方から長野県中部にまたがる震源域の群発地震は急速に発生頻度が下がり始めており、本日5月5日の14時台に二回発生した以降は動きがありません。

5月3日の8時台から5日の14時台までに累計39回の有感地震が発生していますが、大勢としてはこのまま収束に向かうと思われます。しかし、しばらく静かになった後に大き目の発震をすることもありますから、今後しばらくは警戒を緩めるべきではありません。

この震源域は、近くに焼岳などの火山があるために、頻発する度に火山活動との関連が取り沙汰されますが、震源の深さが10kmより浅い地震が起きている場所ですので、普通は火山活動との関連は無いでしょう。震災後の頻発時も、火山活動との明らかな関連が見られたことはありません。通常、火山のマグマ溜まりはもっと深い場所にありますから、火山性の地震ならばその周辺が震源となることが考えられます。

この震源域が火山と連動するのならば、さらに深い場所での地震が起きる、地震とは別に火山性微動や山体からの噴気が観測されるなどの兆候があるはずですので、それらが無ければ特に心配することは無いでしょう。

この震源域は、東日本大震災後に目立って活発化した場所のひとつですが、過去にこれほど集中的に発生したことはありませんでした。この動きがどんな理由によるものかは判然としませんので、当面は周辺の震源域も含めて、推移を見守る必要があります。

何か情報がありましたら、またこちらにもアップしたいと思います。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

東京・千代田区で震度5弱

5月5日、午前5時18分頃、伊豆大島近海の深さ160kmを震源とするマグニチュード6.2の地震が発生し、東京都千代田区で最大震度5弱を記録しました。埼玉県南部の管理人宅付近では震度4で、周期の長いゆらゆらとした揺れを、1分間以上に渡って感じました。震源が深い地震は揺れの周期と持続時間が比較的長くなり、揺れの範囲も浅い地震に比べて広くなります。この地震でも、新潟県中越地方で震度3を観測しています。

この地震は、震源深さが100kmより深い、いわゆる「深発地震」です。このタイプの地震は断層のズレやプレート同士の摩擦という一般的な地震とは発生メカニズムが異なり、特定の狭い範囲に集中することもなく、散発的に発生するものです。大局的にはプレートの動きと関連するものですが、震源深さが100kmより浅いような地震とは、直接の関連はありません。

震央の位置は大正12年の関東大震災の震源域に近いのですが、震源深さが全く異なるためメカニズム的な関連は無い、全く別の種類の地震です。伊豆諸島付近で普段発生している地震とも、関連はありません。

ですから、この地震がより大きな地震の前震である可能性はほとんど無いと言って良いでしょう。このような深い震源が連続的に動く可能性はあまりありませんし、余震が発生する可能性も、浅い地震に比べてかなり低いのです。しかし、この地震の揺れが他の浅い断層の動きを誘発する可能性は低いながらありますので、しばらくの間は少し警戒度を高める必要があるでしょう。

参考までに、東京大学ハーベスト震源マップからお借りした図をご覧ください。
Photo
これは関東付近で過去7日間に発生した地震の震源図(無感地震を含む)で、相模湾の伊豆半島の東側にある、濃いめの緑色の少し大きな正方形が今日の地震の震央を表しています。この図では、濃いめの緑色は震源深さ150~300kmを表しますが、ご覧のように緑色の震源は特定の場所に集中することなく平均的に散らばっていて、特定の場所で複数回集中するようなこともほとんど無いのがわかります。

東京23区で震度5弱を観測したのは東日本大震災直後以来ですから、かなり騒がれるとは思いますが、この地震自体は、それほど危険な状態に繋がるものでは無いと言って良いでしょう。不安を煽るような情報にはくれぐれもご注意ください。しかし前述の通り、他の浅い地震を誘発する可能性は捨てきれませんから、しばらくは警戒度を少し高めにするくらいの気持ちが必要かと思います。

続報がありましたら、当記事に追記します。

■5/5 13:00追記
この地震に関する気象庁からの発表がありましたが、内容的には午前6時アップの当記事本文に書いたようなことで、特に注目すべき内容はありませんでした。現時点では、身体に感じる余震も発生していません。

マグニチュード値は、当初の6.2から6.0に修正されています。一見、大した修正では無いようですが、0.2減るということは、放出された地震のエネルギーが半分ということを意味します。ちなみに、マグニチュード値が1減ると、エネルギーは約30分の1となります。

なお、この地震では、深発地震に特有の「異常震域」が見られました。震源が100km程度より深くなると、震源直上より少し離れた場所での震度が大きくなるという現象が良く見られます。この地震でも、震央近くの伊豆大島で震度3でしたが、東京都千代田区で震度5弱を観測しました。

震源直上よりも、地殻内のより長い距離を伝播する方が、岩盤の構造や密度の変化など様々な要因で地震波の屈折、反射が起こり、その結果地震波の合成が起こりやすくなるからです。今回は、最も強い地震波が東京23区付近に到達したわけですが、これはほとんど偶然であって、他の場所であっても全くおかしくありません。

ですから、都内の揺れが一番強かったからと言って、想定される首都圏直下型地震とは、何の関連もありません。但し、比較的大きな地震が他の震源域の動きを誘発する可能性も無いとは言えませんので、警戒は必要です。

言うまでもなく、先日の岐阜・長野県境付近での群発地震とは何の関連もありません。時間的に続いているように見えるのは、完全に偶然です。ですから、5/5の地震を岐阜・長野群発地震と絡めて、次はどこだとか危機だとか言っている(そういうの、必ずあるでしょう)ネタは、すべて何の根拠もありません。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


2014年5月 3日 (土)

岐阜・長野群発地震関連情報

2014年5月3日朝から小規模地震が群発している「岐阜県飛騨地方」及び「長野県中部」の震源域は、東日本大震災後に活発化した震源域のひとつです。岐阜・長野県境にまたがっているために、県境のどちらで起きたかで発生場所の表記が変わりますが、同一の震源域です。

東日本大震災から約半年後の、2011年9月26日から過去7日間の震源図をご覧ください。なお下図は東京大学ハーベスト震源マップからお借りしたものです。
Photo_2

図の左の方、岐阜・長野県境北部の赤丸で囲った部分が今回の震源域で、地震の発生に明らかな集中が見られます。今回の群発では、発生の中心が少し北方にずれていますが、同一と考えて良いでしょう。この震源域で発生した最大の地震は、2011年6月30日のマグニチュード5.5、最大震度5強で、県境の長野県側で発生しましたので、発生場所は「長野県中部」となっています。

この震源域は震災後、基本的には小規模地震の頻発と収束を繰り返して来ており、時間の経過と共に発生頻度は下がって来ていますが、今回の群発は震災後最大の集中度となっています。周辺も含めて何か新しい動きが出てきている可能性がありますから、十分に警戒しつつ、推移を見守る必要があります。

なお、今回の群発に関しては、周辺の焼岳などの火山活動との関連は、現時点では認められていません。東日本大震災後に頻発している時期でも、火山活動との明らかな関連は認められていませんでした。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


岐阜県飛騨地方で群発地震発生中

岐阜県飛騨地方で小規模地震が群発しています。震源は岐阜県飛騨地方と長野県の県境付近です。下図の赤丸で囲んだ付近です。
Photo
※上図は、名古屋大学が計測し、東京大学ハーベスト震源マップで公表されているものをお借りしました。

5月3日午前10時02分から、当記事執筆直前の午後2時42分までの間にマグニチュード2.2~4.3、震度1~3、いずれも震源深さは「ごく浅い」とされる地震が19回連続しており、今後もしばらく続く可能性があります。

この震源域は、東日本大震災後に活発化が顕著な内陸震源域のひとつで、2011年6月30日には最大震度5強が発生しています(震源表示は「長野県中部」)。この震源域では震源深さが10kmより浅い、典型的な内陸直下型地震が発生しています。震源が浅いために揺れの範囲はかなり局限されていますが、震源直上付近では周期が比較的短い強い揺れとなり、建物への破壊力は比較的大きくなります。

今後、この震源で巨大地震に発展することはあまり考えられませんが、最大震度5強程度の地震が発生する可能性はあります。震災後、この震源域でこれほどはっきりとした群発が起きたのは初めてと思われますので、十分な警戒が必要です。

この震源域だけでなく、周辺の震源域でも動きが出る可能性もありますので、より広い範囲での警戒も必要です。

なお、群発地震とは、正式にはさらに長期に渡って連続的に発生する地震の呼称ですが、半日ほどで19回も連続する状況から、当ブログでは「群発」と表現しました。


■5月3日 18:15追記
岐阜県飛騨地方を中心とする群発地震は、本日午後5時06分までに累計31回を記録しました。引き続き強い警戒が必要です。

なお、「長野県中部」と表示される地震も、同一震源域のものです。この震源域は岐阜・長野県境を挟んで広がっているので、岐阜県側で起きれば「岐阜県飛騨地方」、長野県側で起きれば「長野県中部」となります。

■今回の震源域で、震災後に発生した最大の地震を「震度5弱」と書きましたが、2011年6月30日に同一震源の「長野県中部」で震度5強が発生していましたので、本文を訂正させていただきました。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2014年5月 1日 (木)

【管理人からのおしらせ】次回再掲載シリーズについて

当ブログでは、過去記事の再掲載を行っています。

現在は「普段持ち歩く防災グッズ」シリーズを再掲載しておりますが、あと三回で終了します。引き続き「家に備える防災グッズ」シリーズをお送りする予定ですが、それと並行して別のシリーズも再掲載させていただくことにしました。

「対災害アクションマニュアル」シリーズです。実はこのシリーズ、当初は4章構成でお送りする予定でしたが、第1章を終えたところで、以後の記事クオリティの確保が現時点では困難と判断し、一旦打ち切りとさせていただいています。

しかし、第1章の内容は是非多くの方にご覧いただきたいものですので、ここで再掲載させていただきます。このシリーズは、その名の通り災害時等の行動面を中心にまとめたもので、現在連載中の「防災の心理」シリーズとも関連しています。

普通の「防災マニュアル」にはあまり書いていない、「本当に大切な行動」を、管理人流の視点からお送りします。

なお、当面は新規記事に加えて再掲載シリーズを二本同時進行する形となり、多少煩雑になりますが、それぞれの記事はカテゴリが異なりますので、後からまとめてお読みいただくこともできます。

どうぞご期待ください。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »