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2014年6月 6日 (金)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル05】フィールドワークに勝るものなし

■当記事は過去記事の再掲載です。内容は加筆修正しています。


今回から「家の周りの危険」について考えます。

大地震が起きて、あなたはなんとか家から脱出しました。または、近所にいる時に、大地震に襲われました。

その時、あなたはどのようなアクションをしなければならないでしょうか。まず最初に何をするか、そして、どちらの方向に、どのように逃げるか。特に揺れている最中に屋外に出たら、あなたの身体に危険を及ぼすものは、なんでしょうか。

過去の例を見てみましょう。1978年の宮城県沖地震では、死者28人の約64%である18人が、揺れている最中に、倒壊したブロック塀や石塀の下敷きになったことによる死亡でした。
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画像はイメージですが、同様の原因による負傷者は数倍以上の数になります。

1995年の阪神・淡路大震災では、道路沿いのビルが数多く倒壊したり、外壁やガラスが大量に落下したりしました。
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早朝のため人通りがごく少なかったために、幸いにしてほとんど人的被害はありませんでしたが、これが日中ならば、恐るべき結果になっていたでしょう。

2005年の福岡西方沖地震では、福岡最大の繁華街である天神地区で、ビルのガラスが大量に落下しました。
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こちらも人的被害はありませんでしたが、これも単なる幸運に過ぎません。

そして東日本大震災でも、津波のために地震直後の被害の多くは把握されていませんが、同様のケースが少なく無かったのは間違いありません。そして津波によって気仙沼市などで発生した大火災は、海岸線の街を広範囲に渡って焼き尽くしました。
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1923年の関東大震災において、死者約11万人のうち約9万人が火災による犠牲だったという事実は、決して昔話ではありません。当時より耐火、耐震性が向上したとえはいえ、街の規模はあの当時の数倍以上に膨れ上がっているのです。それは、危険要素が増えたことと同時に、「安全圏への逃げ道が長くなる」ということも意味しています。

近年は建物や壁などの耐震性を上げる取り組みが進んではいますが、街中にはいまだ多くの危険が存在します。想定される首都圏直下型地震や南海トラフ地震が最大級で発生した場合、さらに大火災や爆発による巨大な危険が加わることが予想されます。このように、大地震発生直後から少なく見積もっても48時間程度、状況によってはそれ以上の間、地震(余震)、火災、場所によっては津波や土砂災害の大きな危険が続くのです。

かつて、こんな地震に関するこんな防災標語がありました。
「1分過ぎたらもう安心」
一つの震源で起きる単発の地震ならば、それはほぼ正しいものです。そして、多くの場合はその通りです。しかし、東日本大震災において、複数震源が短時間で連鎖するという現実をつきつけられた今、その発想は捨てなければなりません。揺れが完全に収まるまでは安心してはなりませんし、特に海沿いや大都市圏では、さらに大きな危険が連鎖的に発生するのです。

そのような現実を踏まえ、大地震の第一撃を「生き残る」ために、さらにその後しばらくの間を乗り切るためのアクションを継続しなければなりません。なんとなく、避難所に入ればもう大丈夫くらいに思っていませんか?しかし状況は流動的です。あなたの居場所でどのような危険が発生するかは、完全に予測しきれるものではありません。

そこで大きな差になってくるのが、周囲の危険要素を事前に知っているかどうか、ということです。自分の居場所で何が起こる可能性があるかを知り、その対処法をシミュレーションしておくことが、「生き残る」可能性を大きく向上させます。

地震の際の大きな危険要素である地盤の揺れやすさ、津波到達範囲、土砂災害危険地帯、大火災発生危険地帯などの情報は、ハザードマップや防災本を見れば把握できます。しかし問題は「今そこにある危機」なのです。いくら揺れにくい場所だったとしても、古い壁がひとつ倒れ、あなたがそこにいたら終わりです。あなたに危害を加えるのは、マクロ情報ではわからない、あなたの「周囲3m」の危険なのです。

そんな危険を知る方法は、あなた自身がフィールドワークを行うしかありません。自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の頭で考えるのです。

ここでは「家の周りの危険」と便宜的に言っていますが、もちろん職場、学校、よく行く場所、そして初めて行く場所でも、常に「防災の目」で周囲を見ることを習慣にしなければなりません。それが、あなたが「命の1秒」を稼ぎ出すための近道であることに疑いはありません。

次回は、その具体的なフィールドワークの方法に入ります。


■当記事は、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

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