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2014年6月21日 (土)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル09】まずは計画から

■当記事は過去記事の再掲載です。内容は加筆修正しています。


今回は、実際の防災フィールドワークの進め方を考えます。

フィールドワークと言っても、いきなり外に出るわけではありません。まず最初にやらなければならないことは、「計画」です。お住まいの場所や、お勤め先、学校など、良く行く場所周辺の地図とハザードマップを用意してください。お住まいの自治体から入手してください。ハザードマップはネット上での閲覧ができることが多いのですが、災害時はネットが使えないこともあるので、プリントアウトしておくことをお勧めします。フィールドワークでも、プリントアウトしたものを使います。

まず最初に、あなたの居場所周辺の一時(いっとき)避難場所、広域避難場所、学校などの避難所、帰宅困難者支援施設、病院、警察署、消防署など、災害時に行く可能性のある場所と、おおまかな経路、距離を把握してください。そして、改めて街全体や周辺の地形を見てください。

ところで、自宅周辺はともかく、勤め先など出先のハザードマップは意外とご覧になっていないのではないでしょうか。この機会に、是非ご覧になってみてください。


次に、ハザードマップがある場合は、記載された津波到達及び洪水危険地域、液状化危険地域、火災危険区域、土砂災害危険地域など記載された危険要素と、その他地図上で把握できる危険要素をチェックします。その主なポイントは下記。カッコ内は予想される主な危険要素です。

□住宅密集地、木密地域(倒壊・火災・袋小路)
□繁華街、商業地域(落下物・倒壊・火災)
□工場(火災・爆発・有毒ガス)
□川沿い・海沿いの地域(液状化・津波・土石流)
□低地・ゼロメートル地帯(液状化・津波・洪水)
□がけ、急斜面(土砂崩れ、地滑り)
□橋(落橋・津波による冠水)

このように、避難の際に障害となりそうな場所をチェックして行きます。もちろん地図上ではすべて把握できないでしょうから、気になる場所は地図に印をつけておくか、メモしておきます。

最後に、上記ふたつの要素を考え合わせて、避難場所への経路を複数考え、優先順位をつけます。とりあえず3~5ルートを選べば良いでしょう。ポイントは、最短ルート、比較的安全そうなルート、距離を無視して最も安全と思われるルートを取り混ぜることです。条件によっては、最短ルートが最優先とならないことも、もちろんあります。

これで、事前の「計画」は完了です。この段階から、ご家族みんなでワイワイと楽しみながらやってみてください。みんなで意見を出し合うことで情報が共有できます。お子さんが一緒ならば、自ら危険を見いだし、それを避ける力をつけるために効果的なだけでなく、子供の視点は大人が気づかなかった危険を教えてくれることもあります。

例えば、大人にとっては低い壁でも、子供にとっては頭上から倒れかかる危険を感じていたり、さらには「あの家は大きな犬が吠えるから怖い」とか。それも、街の危険要素に他なりません。なにも自然災害対策だけにこだわる必要はないのです。大人も、いわゆる「災害弱者」の視点で危険をチェックすることが大切です。

さて、そんな感じで大まかなチェックができたでしょうか。この段階で、そんなに根を詰めて細かくチェックする必要はありません。地図上の情報など、本当に限られたものでしかないですから。次回は実際に外に出てみましょう。


■当記事は、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

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