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2014年6月16日 (月)

【地震関連情報6/16】関東・東北で連続地震

6月16日未明に、関東と東北で比較的大きな地震が連続して起きました。

まず午前3時19分頃、茨城県沖、深さ10kmを震源とするマグニチュード5.6の地震が発生しました。この地震はマグニチュード値が5.6とかなり大きく、もしこれが陸地直下の深さ10km程度で発生すれば、震源直上付近の震度は5.弱~5強が予想される規模です。しかし震源が陸地から比較的遠かったために、陸上の最大震度は3でした。

特記すべきは、この地震が「アウターライズ地震」だと思われることです。陸地から比較的遠い海底の浅い部分で発生しており、特徴が合致します。東日本大震災後、東北沖では何度もアウターライズ地震が発生していますが、茨城県北部沖での発生はほとんどありませんでした。しかし茨城県北部沖は東日本大震災震源域の南端部であり、震災による地殻変動の影響を強く受けている場所でもありますから、今回の地震も、広い意味において震災の余震ということができるでしょう。

しかし、典型的なアウターライズ地震よりは陸地に近い場所で発生していますので、「アウターライズ性の」地震という感じでしょうか。なお、一見するとアウターライズ地震のようでも、実は全く異なる未知のメカニズムであったという実例もあります(2012年12月7日に三陸沖240km、深さ10kmで発生し、石巻市で1mの津波を観測した地震)ので断定はできませんが、この地震がアウターライズ地震であった可能性は高いと思われます。

なお、アウターライズ地震は海底の浅い部分で発生するために海底の変形を伴いやすく、規模がマグニチュード6台後半になると、津波の発生が予想されます。しかし震源が陸地から比較的遠いために、陸地の揺れは規模の割りには大きくなりません。仮に、震源がさらに陸地から遠ければ、陸地の揺れが震度3~4程度でも津波が発生することもありますから、沿岸部の方は、地震を感じたら深夜でもすぐに地震・津波情報を確認するようにしてください。


二回目の地震は、午前5時14分頃、福島県沖の深さ50kmを震源とするマグニチュード5.8と、これもかなり規模の大きな地震でした。この地震のタイプは、震災後に東北から関東地方沿岸で多発するようになった「スラブ内地震」であり、これも広い意味で震災の余震です。

規模が大きく震源が比較的陸地に近かったために、宮城、福島、茨城県にまたがる広い範囲で最大震度4を観測しています。このタイプの地震は沿岸部の陸地直下でも起こる可能性がありますが、その場合、今回の規模ならば最大震度は5弱以上になると予想されます。今回は海底での発生でしたが、このタイプの地震はこの先まだ頻発が続ぎ、時々大きめの発震がありますので、この先も警戒が必要です。なお、このタイプは震源が40~70km程度と深いために、海底で発生した場合でも、津波の危険はあまり大きくありません。

しかし、揺れの大きさだけでは震源の場所や地震のタイプを判断できませんので、やはり地震を感じたら、すぐに地震・津波情報を確認することをお勧めします。


なお、16日未明に地震が連続したことは偶然であり、ふたつの地震の発生においては直接の関連はありません。しかし「アウターライズ地震」も「スラブ内地震」も、東日本大震災の発生にによって太平洋プレートが西向きに動く速度が上がるという、共通の原因によって発生しやすくなっている地震です。「アウターライズ地震」は、浅い部分が引っ張られることによる正断層型地震、「スラブ内地震」は、深い部分が押し込まれることによる逆断層型地震なのです。

震災から3年以上経ち、震源域周辺での地震回数もかなり落ち着いて来てはいますが、いまだ震災余波の地殻変動は続いており、その影響はこの先数十年も続きます。その間、震源域周辺で大規模地震が誘発される可能性は常にありますので、常時警戒する意識と、「できるうちにできるだけ」の備えを進めることが大切かと思います。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

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