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2014年6月19日 (木)

【防災の心理23】オ、オラに情報を分けてくれ!

すいませんタイトルで遊んでみましたwあのマンガのファンというわけではありませんが。

今回は、「情報の遮断」による恐怖と、その対処法について考えます。

お化け屋敷の怖さは、暗く、先が見通せず、何が出て来るかわからないという三つの要素によるものと言っても良いでしょう。つまり何があるか、何が起こるかという情報を遮断された不安による恐怖です。

さらに、入る前には「ここではきっと怖いことが起こる」という事前情報がたっぷり与えられてしまい、より恐怖感を煽られるわけです。これなど、メディアが煽る「巨大災害の恐怖」情報と同じようなものですが、お化け屋敷は「怖がるために」入るのですから、こちらでは必須の情報ではあります。


さて、お化け屋敷の中に入ると、前述のように暗いし、先見えないし、どこから何が出てくるかわかりません。ではここでどうやったら怖くないか、考えてみましょう。

まず暗さに対しては照明。十分な明るさ確保は、視覚情報を得る以上に、心理的な不安を取り除きます。もちろん、行動の速度もぐっとあがります。周囲を真昼のように照らし出せる強力なライトがあれば、仕掛けは台無しですね。

次に、進路の先がわからないこと。それには「ガイド」です。もし会場の見取り図を持っていて、そのドアの先はどうなっている、「お化け」が隠れる場所があるとかわかっていれば、仕掛けが予想できます。少なくとも、ドアを開けた途端にびっくりさせられることは無いでしょう。

最後は、何が出てくるかわからないこと。これにも「ガイド」なわけですが、究極は「中の人」がガイドをしてくれること。次のドアの先には何もないよ、この角を曲がったら「出る」よ、さらにはこんなお化けがこんな動きをするよと事前に教えてくれれば、怖くもなんともない。

これですっかりお化け屋敷は台無しです。もちろん、お化け屋敷にはライトは持ち込み禁止ですし、中の情報は秘密ですが。実はお化け屋敷の中でも、管理人のポケットの中にはいつも通りLEDライトが入っていましたけどねwもちろんこれは、中にいるときに地震や停電が起きた時のためですけど。


さておき、これまで述べて来たように、お化け屋敷の恐怖は、我々が災害に直面した時の恐怖の要素ととても近いわけです。巨大災害は、自力で「やっつける」ことができない、得体の知れないお化けみたいなもので、我々はただ逃げるしか無いですし、そのために欲しい情報が、お化け屋敷では効果的に遮断されているのです。

ここではその対処法を考えたわけですが、災害情報は秘密でもなんでもありません。ただ、「生き残る」ためにはどうでも良い情報が多すぎるだけです。


まず、当ブログでとても重視しているライト。非常時は、とにかく周囲が見えなければ話になりません。ですからペンライト程度ではなく、最低でも25ルーメン以上の照度を持つものが必須です。照明の心理的な効果としては、こんなエピソードがあります。

かつて米国でビルの爆弾テロが発生し、エレベーターに十数人の人が閉じこめられました。もちろん電源が落ちて暗闇で、インターホンも通じません。携帯電話が登場する前の話ですから、外部に連絡する手段もありません。ビルは大きく損傷し、火災や崩落の危険も考えられましたが、連絡も脱出の手段も断たれました。

結局、救出までに二日以上かかったのですが、その間、暗闇でパニックを起こさずに冷静に救助を待てたのは、ひとりが持っていたバックライト付き腕時計のおかげだそうです。その弱い緑色の光でお互いの顔が見え、励まし合いながら乗り切ったとのこと。救出された人は、もし完全な暗闇だったらどうなっていたかわからないと、口を揃えたそうです。

これなど、ごく小さなひとつの明かりが、群集心理を良い方向に導いた例と言えるでしょう。もちろんひとりの場合も、明かりのある無しで安心感は全く違います。管理人がライトを肌身離さないのは、ずっと以前にこのエピソードを知ったせいと言っても良いかもしれません。


次に「ガイド」の効果。震度いくつだ津波何メートルだ犠牲者何人だというマクロ情報は、あなたが「生き残る」ためのガイドにはなりません。必要なのは、お化け屋敷の見取り図、つまり「あなたの居場所はどうなっているか」というガイドです。まず基本は地域のハザードマップです。その内容を踏まえて、あなたに直接の危害を及ぼす要素、つまり「周囲3m」の危険を知り、それを避ける行動を考えておかなければなりません。

もちろん、それは他人が与えてくれるものではありません。家、職場、学校の中や安全な場所への避難経路の危険をあなた自身が見て、考えて、作るのです。その方法は、現在再掲載中の【対災害アクションマニュアル】シリーズで解説していますので、参考にしてください。


では、あなたを導いてくれる「中の人」のガイドは?災害時に、そんな人が近くにいてくれたらいいですね。でも、大抵はいないのです。ならば諦めるしか無いのでしょうか。いえ、ひとつだけ確実な方法があります。あなた自身が、ガイドになれば良いのです。正しい情報を正しく知り、それを実地で調査・検証することで、誰でも自分の居場所における優秀なガイドになることができます。


もちろん、それは他を救うためでなくても良いのです。まずあなた自身、家族、大切な人を守るために、あなたが強くなる。そして「余裕があれば」、他のために力を尽くせば良い。それは利己的でもなんでもなく、セルフディフェンスの原点です。何より、まずあなたが生き残らなければ、他を救うことはできないのですから。

巨大災害時には、「生き残る」ために欲しい情報の多くが遮断されます。しかし、上記のような備えをしておくことで、得られない情報の穴埋めをすることが可能なのです。今回は敢えて触れなかったのですが、ラジオやネットから情報を得るための備えも、当然忘れるわけには行きません。

情報とは、他から与えられるものを受動的に受け入れるものではなく、あなたが選び、知って、見て、触れて、行動して集めるものであり、そんな情報でなければ、少なくとも災害からの緊急避難時には役に立たないのです。


■当記事は、カテゴリ【防災の心理】です。

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