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2014年7月11日 (金)

【気象災害】土石流の恐怖

7月10日、「数十年に一度」レベルの豪雨となっていた長野県南木曽町で土石流が発生し、押し流された家の中にいた家族4人が巻き込まれました。このうち3人は生命に別状無かったものの、中学生ひとりが死亡するという痛ましい事態となりました。

気象によって誘発される災害のうち、この土石流が最も恐るべきものと言えるでしょう。大量の水、土砂、巨石、なぎ倒された樹木などが谷筋を高速で流れ下るのですから、その破壊力は群を抜いている上に流動性が高いので、非常に広い範囲を壊滅させる力を持っています。豪雨に見舞われた山間部や山沿いの平地においては、最も警戒しなければならない災害と言えましょう。

一般に、土石流、崖崩れ、地すべりなど土砂災害の兆候として、下記のようなことが見られると言われて来ました。
■斜面やその下から、泥水が噴き出す。
■沢や川の水が濁る。
■沢や川の水が減ったり、水がなくなる。
■斜面や崖から、小石や土くれが落ち始める。
■斜面に亀裂が入る。
■山鳴りがする。
■山からミシッ、バシッというような音が聞こえる(地すべりによって、木の根が切れる音)
■生臭いような、不快な匂いがする

これらは実際に起こり得る現象なのですが、現実にはこのような兆候が出る時には既に大荒れの天候のことが多く、察知してから避難するのは事実上不可能だと、当ブログではずっと前から主張して来ました。夜間ならなおさらです。このことを最初に記事にしたのは、2012年7月の九州豪雨の際です。

その後、2013年10月の伊豆大島大土石流災害の頃から、それまで上記のような兆候に注意とだけ言っていたメディアの論調が変わり、兆候は察知不可能だから、危険が予想される時には天候が荒れる前に避難せよと、当ブログの主張とそっくりに変わって来ました。その理由はわかりませんが、より現実的な情報に変わったことは、喜ばしいことではあります。それまでは何だったんだという話でもありますがw

さておき、現実にはほとんど察知できない土砂災害の兆候ですが、長野県のケースでは、記録が残っていました。国土交通省の定点監視カメラが、上流での土石流発生の瞬間を捉えていたのです。下画像は、TVのキャプチャ画像をお借りしました。土石流が、カメラの前に到達した瞬間です。
Dosekiryu
動画で見ると凄まじい迫力で、こんなのに巻き込まれたら一瞬で命が無いなと思わせます。

しかし管理人は、その直前の画像に、より注目しました。
Nashizawa

水が茶色に濁っています。ここは「梨子沢」(なしざわ)という沢筋だそうで、普段は澄んだ水が流れているはずです。それがこれだけ濁っているのですから、この時点で山の斜面が削られ始めていることは確実です。上記の「兆候」のふたつめ、「沢や川の水が濁る」そのものが捉えられています。

そしてもうひとつ気になるのが、水量です。「数十年に一度」と言われるレベルの豪雨の最中としては、水量が少なく見えます。普段の水量がわからないので断定はできませんが、この前の時点で上流で山崩れが発生し、土砂ダムができていたのではないでしょうか。それが一気に決壊して、猛烈な土石流となって流下した可能性が高いと思われます。そうであれば、上記の「兆候」のみっつめ「沢や川の水が減ったり、水がなくなる」そのものです。

この画像は住宅地から2.5km程上流の山間部に設置された監視カメラのものだそうで、撮影時刻は午後5時40分頃とのこと。画像からもまだ明るかったことが見て取れます。もし梨子沢下流の住宅地でこの兆候に気づいていれば、少なくとも沢に沿った住宅街では対処のしようがあったのではないかと思うと、残念でなりません。

しかし、これが多くの場合の現実ということです。豪雨の時に家の中にいて、流水の変化に気づくことはまず無いでしょう。

この場合に取ることが可能だった、確実に「生き残れる」方法はひとつです。もっと早い段階で、沢の水量が増えて濁り出したはずです。その時点で土石流の発生を警戒し、想定される危険区域から避難するしか無かったのです。危険区域は、ハザードマップで確認できるでしょう。もし仮に水量が減るのを察知できたら、もう一刻の猶予もありません。即刻、流域からできるだけ直角方向の、なるべく高い場所へ移動するのです。

それがダメなら建物の二階以上に上がりますが、土石流の場合は今回のように家ごと押し流してしまうことが多いので、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物にいられないのならば、やはり早いうちの避難しか確実な方法はありません。土石流やがけ崩れの危険地帯では、そのような緊急避難に備えて、最短時間で安全な場所へ避難できる方向やルートをシミュレーションしておく必要があります。迷っている暇はありません。


台風8号の影響による豪雨もまだまだ続きますし、この先は「数十年に一度」と言われるレベルの豪雨が毎年来るようなことも、決して珍しく無くなるでしょう。過激化する気象は、弱点のある場所をピンポイントで突いて災害を起こします。「こんなの初めて」などと言っている場合ではありません。こんな場合でも、あなたとあなたの大切な人の生命を、あなたのちょっとした「知識」と「勇気」で守ることができます。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

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