【防災の心理27】とかく防災は面白くない!
今回からは新テーマとして、「なぜ防災は"面白くない”か」について、から考えてみたいと思います。なんでこんなテーマを選んだかというと、管理人は常日頃から、防災をもっと面白く、楽しみながら考えられたらいいなと思っているからです。
1995年の阪神・淡路大震災は、1923年の関東大震災以来、事実上始めてとなる大都市を直撃した巨大地震災害で、6434人が犠牲となりました。そして2011年の東日本大震災は、南北500km以上に及ぶ地域が被災し、2万人以上が犠牲または行方不明になりました。
そして両災害とも、発生当時における世界最高レベルの情報量で、その惨状が伝えられました。そして何より、それが自分の国、自分の地域で起きたのです。つまり、「世界で最も良く知り、最も身近な巨大災害」だったのです。
我々はそんな、世界的にも希有な巨大災害を目の当たりにしたのですから、その教訓を額面通りに受け取れば、世界最高レベルの防災意識を持つことができるはずかと思います。
確かに、災害が起こるたびに多くの教訓が得られ、制度的な整備が進み、災害をより現実的な問題として考える人は増えています。しかしそれが、より多くの人の生命、財産を守る、そしてその集合体としての社会を守る効果的な行動に繋がっているかと考えると、疑問を感じざるを得ません。
もっとも、生きるか死ぬか、家を失って路頭に迷うかということが前提の話が、楽しいわけがありません。具体的に考えるほど、気が滅入ります。できることなら、「そんなこと起きるはずは無い」と高を括っていたいものです。でも、それができない。もしそう考えていても、厳しい現実の前では自己満足に過ぎず、いざ災害に直面すれば、ただの「弱者」になるだけのことです。
ならばできるだけ楽しみながら、気がついたら高い災害対応力が身についているような方法は無いものかと、今までにもいろいろな工夫もされて来ました。でも、効果的と言える方法は見つかっていないと言って良いでしょう。そこには、大きな心理の壁が立ちはだかっているのです。
目的は、とにかく災害から生き残り、可能な限り財産も守ること。そのための行動がたとえ面白くなくても、せめて「これはやっておかなければ」と誰もが思えるようなモチベーションを生み出せる(かもしれない)方法を、心理面から考えて行こうと思います。
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