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2014年7月 5日 (土)

【地震関連情報7/5】岩手県沖で震度5弱

本日7月5日、午前7時42分頃、岩手県沖の深さ49kmを震源とするマグニチュード5.8の地震が発生し、岩手県宮古市で最大震度5弱を観測しました。

この地震は、太平洋プレートが西向きに動く力によって圧縮されたプレート岩盤内で発生した「スラブ内地震」です。気象庁の発表も『東西方向に圧縮軸を持つ逆断層型』となっており、上記のタイプであることを示しています。

このタイプの地震は、東日本大震災後の地殻変動によって誘発されたものであり、広義において震災の余震と言うことができます。ただ、今回の震源域では震災後にもそれほど多発はしていませんでした。このタイプは、主に宮城県沖から茨城県沖に連なる沿岸部で多発しています。

しかし、低頻度とは言え発生していなかったわけではありません。東北大学発表の資料をお借りします。
140705
上図は、震災から約2ヶ月後の2011年5月9日から、過去7日間に発生した地震の震央と規模を表しています(無感地震も含む)。

宮城県以南では猛烈な数の余震が発生している中で、岩手県沖ではそれほど発生していません。その中でも、青色の矢印で示した部分では少しまとまって発生しているのがわかりますが、今回の地震の震央もほぼこの位置です。なお、黄色の点は震源深さ30~80kmを示していますので、今回と同じタイプ地震が、震災直後から発生し始めていたことがわかります。

このタイプの地震は、震災によって震源域(プレート境界面)の岩盤が大きく破壊されたことによって「つっかえ棒」を失った太平洋プレートの動きが加速したために、岩盤内により大きな圧縮力がかかることで発生しているものです。ですから、このタイプの震源部分に、長期的に巨大なひずみエネルギーが蓄積されていることは考えられません。ひずみエネルギーが蓄積されるのは、あくまでプレート境界のすべり面であり、その深さは20~30kmくらいになります。ちなみに、東日本大震災本震の震源深さは24kmとされています。

このような状況からして、今後この場所でさらに大きな地震が発生する可能性は大きくは無いものの、ある程度の余震は発生するでしょう。また、上図を見てわかる通り、ごく近い場所に震源深さ0~30kmを表すピンク色の点も集中している場所ですから、周辺震源域での浅い地震を誘発する可能性は考えられます。今後一週間程度の間は、念のため警戒すべきかと思われます。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


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